恋する奴隷のしつけ方

神笠 京樹

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朝のひととき

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 翌朝、というかまだほぼ夜だが、午前三時。もちろんまだまっくら。ご主人様は毎朝四時起きだそうなので、仕方ないのです。さすがに根性だけでこの時間に寝起きはできない、ご主人様が契約している時の精霊を、僕が預かる形になりました。だからこれからは僕がちゃんと四時にご主人様を起こすのです。精霊の代わりに。

 というのはいいとして、とりあえず朝風呂。理由はくどくど説明しませんが、身綺麗にしなければならない立場です。火の精霊が働いている関係で、大浴場はほんのりと薄明るく丑三つ時の暗闇に浮かんでいる。ぱちゃりぱちゃり。このあとどこまで何がどうなるかは分からないけど、念入りに身体を清めたり、いろいろと処理をしたりします。備えあればなんとやらです。

 ふと、洗い場に座りながら、昨日のことを思い出します。そうだ、あそこにご主人様が座っていて、そいでもって僕が――。ちょっと心と身体が火照ってくるのを感じる。あー、あんなことしたんだなー。しちゃったんだなー。はぁ。

 で、そのあと朝食の準備だけをして、いよいよご主人様のところへ。そろそろ四時になります。ドアはノックしません。鍵はあるけど必要がないからかかってない。静かに開けて、部屋に入ってドア閉めて、ご主人様の近くに寄ります。

「ご主人様ー」

 小声。寝てるんだから聞いてないし、この小声で起きるはずもないけど、小声。

「この間の御褒美の件、今からさせていただきますー」

 小声。で、シーツの裾の方をまくり上げると、ご主人様の着衣もめくります。ご主人様のご主人様とコンニチワ。いや、おはようございますかな。

「では、失礼して」

 僕は今回は服を着たまま。寝ている相手をじらしても仕方ないので、最初からあーんと咥えて、大きく強く刺激していきます。あ、僕の口の中で大きくなってきた♪

「ん……んっ……」

 前回と違って、なかなか射精には至りません。というか、眠ったままで出ちゃうことってあるのかな。いろいろな性教育を受けているとはいえ、さすがにそんなことは分からないな。と、ご主人様の声が聞こえます。

「く……はぁ、な、なんだ……?」

 目を覚ましたみたいです。まあ、そりゃ覚ましもするだろうけど。

「シエル……? お前、一体何を」

 軽く身をよじって逃れようとしますが、僕も身体をくねらせてそれについていきます。離れません。あとで鞭で叩かれるかもしれないけど、そうなったって本望。それより、ご主人様が感じていらっしゃるのが、とても可愛くて、愛おしいです。ちゅる、れろ。

「うっ……いかん、また……!」

 口の中に出すことに何か抵抗感でもあるんでしょうか、今回もまた逡巡している感じがします。でも、僕は放たれる精をぜんぶ受け止めて、今回もしっかり飲み込みました。前よりは楽。慣れてきたし。

「さて。シエル。何か申し開きは」

 居住まいをただしたジェイド様に、僕は説明をします。

「きのう頂いたご褒美の件を、こうして実行させていただきました」
「事前に言えと言ったはずだが」
「言いました」
「私は寝ていた」
「起きているときに言えとは仰いませんでしたので……」
「シエル」
「罰をお与えになりますか?」

 されても反省はしないけど。

「どんな罰が待っていると思う?」
「この場に押さえつけられて、衣服をはぎ取られ、泣き叫んでも許してもらえず、僕はそのまま処女を奪われ、ご主人様の子種を中にたっぷりと注ぎ込まれ……」
「わたしにもだいぶ分かってきたが、お前にそれをやっても喜ぶだけだろう」
「はい」
「はいではない。まったく。次からは、不意打ちは止せ。とにかく不意打ちは」
「じゃあ、明日も同じ方法でお起こしいたします。それでよろしいですか?」
「……」

 かなりの長い沈黙のあと。

「……ああ」

 とポツリ言うジェイド様。潔癖な人だなあ。何のかんの言っても、気持ちいいことはいいんだろうに。

「それはそれとして。顔を洗いたい。湯の用意を」
「用意してあります。すぐ持ってまいります」
「もう冷めているのでは?」
「ぜんぶ計算して最初から熱い湯を用意してましたから、それは大丈夫です」
「まったく……お前には敵わんな」

 そうですとも。
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