本当に、愛してる

双子のたまご

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第七章

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手を繋いだまま歩き続け、気付けば目の前には彼女の家。
まだ手を離したくない。
まだ一緒にいたかった、が。

「龍海さん、ありがとうございました。」

そう言って彼女が手を引こうとする。
仕方なく、手から力を抜いた。

「今日は楽しかったです。
ありがとうございました。」

「…あぁ。」

くそ、俺は相槌を打つこと以外出来ないのか。

「気を付けて帰ってくださいね。
それじゃあ、また。
おやすみなさい。」

…また。
また、次がある。

「あぁ。また。」

彼女の口からそれが聞けたことが嬉しくてたまらなかった。












「ただいま。」

「おかえり。」

「おかえり!
たっくん今日は来てくれてありがと!」

兄さんも琥珀も帰っていた。

「あぁ、琥珀もお疲れ様。頑張っていたな。」

「えへへへ~…
で、翠さんはどんな反応だった?」

「お前の使ってた小道具の仕組みが気になると言っていた。
どうやって火を出したのかと。」

「そうなんだ!楽しんでもらえたかな?」

「楽しんでいたと思う。
食事の間ずっと舞台の感想を話していた。」

「嬉しい!」

「食事も盛り上がったんだね。
良かったねぇ。」

二人ともにこにこと笑っている。

「よし、龍海。
このまま、ぬるっとお迎え再開しよう。」

「…そう、だな。」

「ちゃんと会話しなくちゃダメだよ!
黙って歩くだけとか、ストーカーと同じ!
たっくん、ストーカーに戻りたくないでしょ!」

「お前、それは極論だろう。
あと、俺はストーカーじゃない。」

「まぁ、琥珀の言ってることも分かるね?
食事とか、休日のデートとか、誘うんだよ。」

なんだか急にハードルが上がった気がする。

「食事は、まぁ…。
でも、で、デート…は…」

「獅音兄さん、急いじゃダメだよ。
急いては事を仕損じるよ。
特にたっくんはその傾向あるよ。」

琥珀は助け船のようなそうでないような、よく分からないフォローを入れ、

「生ぬるいなぁ。」

兄さんは少し不服そうにそう言った。




そんな話をした数日後、兄さんが一仕事終えた、みたいな顔で帰ってきた。

『翠ちゃんにお休みの日のうち、一日は絶対に外に出る用事つくってってお願いしてきたよ~』

果たして、それはお願いだったのだろうか。
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