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第四章
Ⅱ
しおりを挟む「はい、じゃあ本日のまとめを行いまーす。」
「は~い。」
「…」
二人はホクホク顔だ。
対して、俺のHPは残り少ない。
「はい、たっくん。それでは最終確認。
獅音兄さんは翠さんに恋愛感情はありません。
ご納得?」
「…あぁ。」
「たっくんは獅音兄さんと翠さんが仲良くなるのはちょっとモヤモヤしちゃう。
オーケー?」
「……あぁ。」
「たっくんは翠さんのこと、恋愛的な意味で気になってる。あってる?」
「…」
「あってる?」
「…あぁ。」
HPは、残り1。
「じゃあ続きまして、たっくん翠さんにアピールしようぜ大作戦、作戦会議を始めます!」
「いえーい。」
今、ゲームオーバーの音がした。
「そもそも、兄さんは彼女に好意はなくても、彼女は違うかもしれないじゃないか。」
酒まで出してきて盛り上がる二人に言う。
「それはない。
今日だってまたご飯断られかけたついでに、迎えももういいですみたいな話されたもん。」
「たっくんは翠さんとご飯行ったことあるの?」
「いや」
「それがさぁ、聞いてよ琥珀。
今日翠ちゃんに『龍海さんは嫌々来てますよね?』って聞かれてさ。
食事も誘われたことないみたいなんだよ~」
え。
それは…そう思われているとは思ってなかった。
「たっくん…恋愛、舐めてるね?」
以前、兄さんにも同じこと言われた。
「まずはゆっくり話す時間作りなよ!
ご飯に誘って!
翠さんにもいいなって思ってもらえるように!
嫌々行ってるわけじゃないことを伝えて!
むしろ会いたいんだ、くらい言え!」
「無理に決まってるだろう…」
「これだから童貞は!!!」
「違う!!!」
最終的に、かなり酔った琥珀に、次の迎えで食事に誘え、彼女と食事に行くまで帰ってくるなと言われた。
次って、明日だぞ。
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