異世界に子供の姿で転生し初期設定でチート能力を手に入れた。

みみっく

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10話 街へ買い物へ。

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 朝食を皆食べ終えると、 昨日のメンバーで魔法の練習の続きを始めた。

 はじめの方は教えていたが、しだいに教えることが無くなってきた。俺は暇になってきて、他の子も飽きてきた様子だった。それに子供だし、集中力が続くわけ無いよな……

 そう言えば、まだ町や村に行った事がないと思った。悪いとは思いつつ、取り敢えずは一人で下見にコッソリと町へ行くことにした。

 飛行と探索魔法で町を探す事にした。しばらく探していると15分程の飛んだと所に小さな町が見えてきたので、少し離れたところへ降りバッグを背負い徒歩で町へ無事に入れた。

 人通りは多く、活気があり店も色々と出ていて賑やかだった。前世を思い出しワクワクとした気分と、変に見られていないかと不安な気持ちも入り混じっていた。

 所持金は設定でチート設定の最大にしてあるので人生を5、6回豪遊して大きな屋敷をいくつも買っても、豪遊して遊んで暮らせていけるくらい持っている。

 取り出すのもイメージなので大金貨、金貨、小金貨、大銀貨、銀貨、小銀貨、大銅貨、銅貨、小銅貨がある。

 あらかじめ金貨数枚、銀貨数枚、銅貨数枚を革袋に入れておいた。

 価格を気にせずに野菜類、果物を中心に買う。それと食料品や日用品、武器、アクセサリーの価格の情報も記憶しておいた。お金には困ってはいないけど……収入がないのは怪しまれるし、暇だ。

 バッグに詰め込んでいるように見せ、アイテムボックスに収納をしている。一通り見て回り終え、裏路地に迷い込み歩いていると襲われるかと警戒していたが治安が良いのか? 特に襲われる事はなかった。

 うずくまっている少女を発見をしてしまった。これは……面倒ごとの匂いが漂っている気がする。が……放っておける訳が無い。

 貴族っぽい少し汚れたドレス着ている。声をかけないと今までの経験で言うとっていうか、そんな経験をしたこと無いけどアニメとかね……。治安が良いとはいえ放っておけば確実に拐われるね。

 貴族ドレスを着て裏路地に居るって事は、隠れてるって事だよな? 家出? 拐われて逃げ出したとか? 迷子なら警備兵に助けを求めれば保護くらいしてくれるだろ? なんで裏路地の人がいない所に隠れているんだ?

 
「どうしたの? 大丈夫? 」

少女「……」

「迷子にでもなっちゃった?」

少女「違うの。逃げてきたの」

「どっから? 盗賊? ……両親の元から?」

少女「うん……盗賊とか暗殺者とかからなの」


 ……まさかの盗賊に暗殺者と返事が返ってきた。ほとんど冗談で言ったんだけどな。家出だと思ってた。

 
「随分と物騒な……。それで、助けは必要かな? 帰る場所はあるの? ここにいちゃ人拐いに拐われちゃうと思うよ」

少女「帰る場所はないの」

「じゃあ、うちに来る? 他にも女の子がいるし……少しは安心できると思うよ」


 更に孤児院化してくるな……

  
少女「わぁ♪ いいの!?」


 女の子が、にぱっ♡と笑顔で俺を見つめてきた。

 
「少し歩くけど……」

少女「大丈夫なの。平気なの」

「名前は? ボクは、そらだよ」

少女「わたしは、ノアなの」

 
 茶髪のセミロングで、目は茶色で可愛らしく、お嬢様っぽく、静かで落ち着いた感じの話し方と仕草をしていた。

 
「ボクの用事は、済んだから今からでも出発が出来るけど?」

ノア「わたしは、早くこの街を出たいの。早く出発したいのっ」

「じゃあ行こうか!」

ノア「はい。なの」

 
 手を繋ぎ町を足早に出た。

 
「両親が心配してるんじゃない?」

ノア「両親は、亡くなりましたの。それで領主になる事になりましたの……。それで……弟の家臣たちに命を狙われる事になりましたの……」

「あぁ……なる程ね……」

ノア「わたしの家臣達は……わたしを守るために、ほとんどの方は亡くなりましたの」

 
 こっそりとノアに回復魔法を掛けつつ、半日ほど歩き続け夕方になった。何も言わずに出てきたので、ヤバイな……特にブロッサムが。

 大きな岩場を見つけ、ノアが休んでいる時にコッソリと岩場に穴を空けトンネルを作った。何事もなかった顔で戻り一緒に少し休んだ。

 
「このトンネルを抜けると、直ぐに家だよ」

ノア「疲れましたの……。でも、こちらの方向って……竜の谷がある、とても危険な場所だって聞いたことがありますの」

 
 ノアが不安そうに話した。あ、それ俺がペットにした! とは言えないよな。
 

「大丈夫だよ。もう直ぐに家だから、危険はないよ」

ノア「こちらの方に、村や町はないと思いますの」

 
 うわっ。貴族のお嬢様だけあって、知識量がすごいな。仲間にすれば心強いかも。

 
「町や村じゃないよ。ボクと仲間達だけで住んでるんだよ。その危ないって言われてるから、変なヤツも近寄ってこないし」

ノア「…………」

 
 ノアが心配そうな表情になり、俺を見つめてきた。ウソは付いていないし、やましいことをする訳じゃない。変に言い訳をしても怪しまれるだけだ。トンネルの途中で転移をして 無事にトンネルを抜けた様に見せかけて、家の近くまで帰ってこれた。

 家が見えてくると、ノアが緊張している感じになった。家の前でエルとアリアが心配そうに待っていて、アリアが気付いて駆け寄ってきた。

 
アリア「そら~! 心配をしたのです~っ!!」

 
 エルは、家の中に入り帰ってきたと報告をしているようで、みんなが出てきた。

 
ブロッサム「どこに行かれていたのですか!? ……また女の子連れてきていますし!」

ステフ「お帰りなさい……」

エル「また可愛い子を連れてきたねっ。そらくんは、女の子が好きだねー」


 おいおい……エルさん。俺が助けなければ……みんなどうなってたんですかぁ?


「……エルさん。あとでお話があります」


 ムスッとした表情でエルに言うと、慌てた様子で言い訳をしてきた。


エル「あ、あのね。冗談だよ!? ウソウソ。だってぇ~置いていかれたんだもんっ。ごめーん……」 

「……なら。いいけど。みんな困ってたから助けたんだからね」
 

 俺が、そう言うと皆が頷いた。ホントに……分かってる!?
 

ノア「はじめまして、ノアと言いますの」

「色々あって、困っている子が居たんで放っておくと盗賊やら人拐いに拐われそうだったのからさ……」

ブロッサム「でも、黙って行くことはないんじゃなくて? 一言、声を掛けて頂ければ……」

 
 ブロッサムにジト目で見られた。

 紹介が終わり、皆で家の中に入ってテーブルに着き椅子に座った。

 
エル「ホントだよ。黙っていくのは酷いと思うよ!」

アリア「わたしも、一緒に行きたかったのです」


 だから声を掛けなかったんだけど……。皆付いてくるって言うでしょ。
 

「ステフ、野菜と果物を買ってきたよ。後で、食材庫を作って中に入れとくからね」

ステフ「有り難うございます」

アリア「明日、一緒に行こうなのです!」

エル「うん。行こう! ねっ? ね?」

ブロッサム「ハンターのギルドが、あったんじゃないかしら」

 
 いまだにハンターに、魅力を感じないんだけど……。それどころか、厄介事が一気に増えそうな気がする。

 留守番をする組が、アリアとノアってのも心配だし。かといってノアを一緒に連れて行くわけにはいかないし。一人だけを残していくのも可哀想だし……心配だ。

 空気を読んだのかノアが話しだした。

 
ノア「皆さんが良ければ、わたし1人で待っていますの」

「今日きたばかりで、明日いきなり一人じゃ危険だし、寂しいんじゃない?」

 ノアが、イタズラとか危ない事をするとは思えないし。盗みとかするわけ無いとおもうけど。まぁ……盗みをしたとしても、この家の周りは森に囲まれていて猛獣、魔物が多く住み着いてるらしいし、逃げるのは無理だろうな。そもそも……盗むものも無いし。

アリア「じゃあ、わたしも残るのです! でも、次ぎは……わたしと2人っきりで、お出かけなのです。ノアさんは、わたしが面倒を見るのです!」


 同じ歳のアリアが名乗りを上げた。同じ歳だしアリアはうるさいけど、良い子で優しいので安心して任せられるな。それに、ノアも優しくて大人しそうだし。

「分かったよ! 助かるよ。じゃ明日は、町に行くけど1時間くらいで帰ってくる予定だからね。アリアがノアに家の案内をしてあげてくれるかな。トイレとかお風呂とか」


アリア「はい! なのです~♪」

 
  さて……食材収納庫を作らないとなぁ~。食材は、俺が保管をしているから出掛けちゃうと、ステフが取り出せないんだよな。

 早速、冷蔵庫をイメージをして箱を作り、中は時間停止の魔法をかけた。それにより劣化を無くして、更に異空間魔法を掛け異空間を作り出し収納の容量も家が数軒分が入るくらいにしておいた。

 中に野菜、果物、肉を入れていくと、ステフが夕飯の準備を始めようとしていた。

 
「ステフ、いつもの有り難うね」

ステフ「私は、これくらいしか役にたてないので……」

「これくらいじゃないよ。とっても助かっているよ。調味料と食材入れておいたから自由に使ってね」

ステフ「有り難うございます」

 
 ステフに冷蔵庫というか、食材保管庫の使い方を教えておいた。
 
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