転生をしたら天国の様な環境だったので、みんなと仲良く暮らしたい。

みみっく

文字の大きさ
上 下
19 / 30

第19話 皆と部屋で集まると……

しおりを挟む
 ルリちゃんが可愛く首を傾げてナイフと手にして困っているようだった。

「どうしたの?」
「あのですね……付与魔法が掛かっているのか分からないのですが……」

 ルリちゃんのナイフに手を翳すと、何となく普通のナイフとは違う感じがしてくるので付与は成功してるんじゃないかな?

「何の付与をしたの?」
「切れ味の向上です」
「ちょっと貸してー」

 ルリちゃんのナイフを受け取ると、先生が持ってきて置いていった紙を持ち切ってみた。スーッとは切れなかったけれど、よく切れるようになっていると思う。

「他の付与魔法は?」
「え?普通は1つだけですよ?2つは付与師の職人さんでも上級の方だけですよ」

 へぇ……私、3つ付与しちゃってるんですけど?やっぱり私って……すごい、やればできる子だね!ふっふーんっ!機嫌よく胸を張って喜んでいると返事を急かされた。

「で……どうなのかな?付与は、成功かなぁ?」
「成功してるよ。紙がシューって切れたし」
「せいこうですか。よかったぁ……」
 
 付与師って職業もあるんだねー。やっぱり武器とかアイテムに付与するのかな?アクセサリーにしても売れそうだね?
 それとか……アニメとかで良く見る、持ち物が大量に入る可愛いポーチとか良いんじゃないかなぁ?売る気は無いんだけどね。売れて儲かりそうだけど、デメリットの方大きいよね……アイテムショップや付与師、バッグ制作職人の人から恨まれそうだよね。

 午後の授業が終わり、さっそくお菓子を購入をして皆で部屋に集まった。大きいリビングが狭く感じるなぁ……しかも私好みの可愛い美少女ばっかりっ♪

「お姉ちゃん、友達がふえすぎですっ!何なのですか……この人たちは……」

 不満そうに見回すとジト目で睨まれた。だって仕方ないでしょ……皆と仲良くしたいんだもん!

「機嫌を直してよーリコちゃんー♪」
「ふん!知りません」

 ご機嫌斜めになってしまって、リビングの隅っこのソファーに腰を掛けてムスッとした表情をしてそっぽを向いていた。しつこくしてもケンカになるだけだし……そっとしておこうっと……

 今日の朝に知り合った可愛いボクっ娘のスーちゃんが、一人で座って一人でいたので隣りに座った。

「他の子は優しいよ?話さないの?」
「ぼ、ボク……話すの苦手だしさぁ……」
「そっかー私とも話すのは苦手かなぁ?イヤだったりする?」
「え?ううん……楽しい」

 私と目が合うと、頬を赤くさせて目を逸らして恥ずかしそうに答えた。反応が可愛いー嬉しくて、ついスーちゃんを構っているとリサも不機嫌になってしまった。

「ミサ様……その様な低級貴族のムスッとした者ばかり構っていないで私達の相手もして下さい!」

 せっかく仲良くなっていたのに……スーちゃんの表情が暗くなってしまった。もぅ……リサ余計なことを言って!それにシャルちゃんも頷いているし、珍しくルリちゃんも頷いていて、リコちゃんが近寄ってきた。

「わたし以外の子と、仲良くしているお姉ちゃんなんかキライです!大っきらいで……ふん!」

 ……ただ皆と仲良くしてくて、今日は出会ったばっかりのスーちゃんと仲良くして、皆と馴染めるようにしていただけなのになぁ……ショックだよ。

「そっか……そこまで言うなら出ていくよ。じゃあね……」

 そう言うと、皆が黙り俯いてしまったけれど、無視をしてバッグに、ずっと考えていた無限収納の魔法を付与して着替えや身の回りの物とお金を入れると部屋を出た。なによ……もぉ……皆のバカ…… 

 寮を出るとスーちゃんが慌てた表情をして、後を追いかけてきた。

「ミサ様……仲直りをして下さい!ボクのせいでケンカになってしまって……すみません」
「え?スーちゃんのせいじゃないよ?」
「ですが……ボクを構っていてケンカになったんですよね……ボクが一人でいて、それを構ってくれたせいで……」

 まぁ……キッカケは、そうかもしれないけど……そのうちケンカになっていたと思うしさ。ちょうど良い機会だし、この世界を少し知れるチャンスだよね。

「ちょっと一人にもなりたかったし……しばらく冒険の真似事をしてみるよ」
「……ボクもお供して良いですか……?その……心配ですし……放って置けないです」

 え?スーちゃんとしばらく一緒に過ごせるって事?それは……嬉しい誤算だね!やったぁ♪

「良いけど……学校は、しばらく私は休むよ?」
「……はい。大丈夫です。両親に訳を話せば分かってくれると思いますし……」
「何だか悪いね……ありがと!」

 この世界に来て初めての外出になるのかな……?馬車で移動してきたけど宿屋というか、ホテル住まいで街の散策もしていないしね。

 多分、襲われても対処出来ると思うけれど……。大人しく目立たなくしてよっと。学校の制服だし、格好も多分目立ってないと思うし……。回りを見ると近くから通っている同じ制服を着た女の子を見かけるし、近くの学校の制服を着た生徒も見かけるので街の中は比較的安全ぽい。

「街の外は危ないのかなぁ……?」
「街の周辺は冒険者の方たちが、よく討伐をしてくれているので魔物や魔獣は現れますけど、比較的に弱いので大丈夫だと思いますよ」



 あれ?2人だと普通に話ができるんだね?おどおどしていないし……声も、いつもより大きい感じだよ?うふふ……人見知りなだけじゃない?2人で歩いていると恋人に見えちゃったりしないかなぁ?それは、ないか二人ともスカートだし。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

逃げて、追われて、捕まって

あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。 この世界で王妃として生きてきた記憶。 過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。 人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。 だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。 2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ 2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。 **********お知らせ*********** 2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。 それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。 ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。

素材採取家の異世界旅行記

木乃子増緒
ファンタジー
28歳会社員、ある日突然死にました。謎の青年にとある惑星へと転生させられ、溢れんばかりの能力を便利に使って地味に旅をするお話です。主人公最強だけど最強だと気づいていない。 可愛い女子がやたら出てくるお話ではありません。ハーレムしません。恋愛要素一切ありません。 個性的な仲間と共に素材採取をしながら旅を続ける青年の異世界暮らし。たまーに戦っています。 このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。 裏話やネタバレはついったーにて。たまにぼやいております。 この度アルファポリスより書籍化致しました。 書籍化部分はレンタルしております。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

処理中です...