上 下
20 / 76

帝国とは……

しおりを挟む
 外がザワザワとしだし、部屋に国王が自ら出向いてきて俺の前で跪いて謝罪をしてきた。

 
「お許し頂けると思ってはおりませぬ……大切な方を我が王国の兵が……お連れ様を奴隷商に売り飛ばすとは……すみませんでした」

「無事に保護が出来たから許すが、ここにいる者を救出してくれ」

「かしこまりました。捕らわれている者を直ちに救出をいたせ!」

 
 国王が指示を出すと、命令を受けてないと言っていた者達が慌てて救出をしていた。

 
「外に出たいのだが道を開けてくれるか」

「お前達、下がれ。邪魔だぞ道を開けよ!この者が道を作ってくれますので……」

 
 国王が指示を出すと兵士の中で偉そうな鎧を身に着けていた者が道を作ってくれた。

 
「ユウヤって何者なの?」

「知ってるだろ?冒険者だって」

「うぅ~ん……絶対に違う……ウソつきぃ!」

 
 アリーナを抱きかかえて階段を登って外に出ると大勢の武装した兵士が待ち構えていた。

 
「戦争でもするのか?」

「王国を上げてお助けをしようと……」

「そうか……感謝する」

「何で国王様より偉そうなの?」

 
 アリーナが首を傾げて聞いてくるけど……なんて答えれば?

 
「何でだろうな?」

「ううぅ……ばかぁ……ねぇ。どうしてなのぉ~?」

 
 そのやり取りを聞いている国王が不安そうな表情で見ていた。

 
「捕らえた者は、こちらで裁くぞ?良いな?」

 
 国王が居たので奴隷商と兵士長を勝手に裁くことを告げた。

 
「は、はい。ご自由にお裁き下さい。王国の方でも人を拐い、不法な人身売買は重罪で死罪ですので文句を言う者も居ないです」

「そうか、俺が殺そうが奴隷にしようが俺の勝手で良いのだな?」

「はい。勿論でございます」

「王城の待合室を少し貸してくれるか?」

「いえ。王族の控室をご自由にお使い下さい」

「そうか、悪いな。遠慮なく使わせてもらうぞ。少し連れを休ませたい」

「わたしは大丈夫だよ?」

 
 落ち着いたのか、ニコニコの笑顔で俺にお姫様抱っこをされて首に手を回されて顔が近い……

 
「それにお茶と菓子を多めに頼む」

「かしこまりました。移動に馬車もご用意をさせて頂きましたのでお使い下さい」

「ああ。使わせてもらおう」
 
 
 王城に移動してきた……
 
 アリーナと馬車に乗り、王城へ着くと追ってきていた王様が何故か、完全に俺のお付きの人になっていた。

 
「自分の仕事に戻っても良いぞ?お前は国王で俺のお付きじゃないだろ?」

「ですが、ユウヤ陛下のお役に立ちたいと思いまして……」

「気の済むようにすれば良いが他の家臣への威厳が無くなるぞ?大丈夫なのか?信用の出来る家臣を付けてくれればいいと思うぞ?」

「は。お気遣い有難う御座います……では、信用の出来る家臣をお付け致しますので何なりとお申し付け下さい」

「分かった。下がって良いぞ」

「では……失礼致します」

 
 国王が緊張をした表情で頭を下げて部屋を出ていった。

 はぁ~国王が、お付き役だと流石に俺が気を使うっての!

 
 俺はゲームの中のパーティは、戦闘スコア、ミッション、イベント達成率、ギルドのクエスト等あらゆる物のトップを数年間維持し続けていて、個人の成績も同じパーティ内のヤツの名前で埋まっていて、俺は何とか3位以内に入っていた。完全にガチ勢だった。

 
 それで、この王国や周辺国は俺の帝国の支配する王国なのだ。その数12国を支配しているので庇護する代わりに税金を徴収して、帝国の運営資金と残りは俺の個人資金になっていたので、お金は何もしなくても勝手に増えていく。因みに重税を掛けたりはしていない、重税を掛けると不満度が高くなり反乱や暗殺を企む者が出てくるし、なにより俺自身が嫌だ、そんなところの住人になりたくもない。それに当然、国外へ住民が移住してしまう。となると住民が減って税収が減ってしまうし良い事はない。
 
 それで何故、国王が怯えていたかと言うと、俺には国王を替えられ、裁ける権限があるから恐れられている。もし反乱や反逆をした場合は帝国を含め12国を相手に戦争をする事になるので当然、勝ち目などある訳がない。半数の6国が手を組み打倒帝国で攻めてきても、俺抜きでも余裕で壊滅出来るだけの軍事力はある。

 もっと言えば12カ国全て協力して手を組み帝国に戦争を仕掛けてきても余裕で殲滅出来る自信がある。
 
 何故、自信があるのかというと帝国の設備を課金して最強アイテムを購入しているのだ。購入しておけば維持費は掛からないけど使用回数の制限があるだけで、予備は当然大量に用意をしてあるし……最強の特殊精鋭部隊を数十部隊保有して暗殺部隊も数十部隊で全てレベルをマックスにしている。
 
 何故そこまでする必要があったかというと、王国の反乱に備えてではなくて、他のプレヤーが攻めてくるからで帝国の争奪戦をしていたからだ。俺は数年間は守り続けているので他のプレヤーは他の王国で満足しているっぽいね。たまに初心者が攻撃を仕掛けてくるが瞬殺して力の差を思い知らせた。
 
 そりゃ……ボーナス150万に毎月15万の課金をして毎日19時から深夜2時までプレーをしてるヤツに勝てるわけがないよな。

 それに金は無いけど時間が有り余っている最強のニートに引き篭もりの助っ人が5人も居るのだ。
 
 当然、課金してポイントで各王国に豪華な屋敷を購入してあり家具屋、護衛、身辺護衛には可愛い女の子の最強護衛を付けているが高額だった、メイド、戦闘メイドを配置してある。
 
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。

みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

鑑定能力で恩を返す

KBT
ファンタジー
 どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。 彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。 そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。  この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。  帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。  そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。  そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。

迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~

飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。 彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。 独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。 この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。 ※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...