上 下
6 / 76

この世界に来ての初めての食事の時間。

しおりを挟む
 調理時間無しで食事を出したら、おかしいかと思って考え事をしていたので少しは時間を潰せたかな?

よし。こんなもんかな……

 
「お~い!アリーナ、食事の用意が出来たぞー」

「はぁ~い。良い匂い……ありがと。うわぁ!……なにこれ?どこかの貴族様のお食事じゃないですかぁ!」

 
 ナイスなリアクションで可愛いぞ!

 
「そうか?スープにパンに肉だけだぞ?」

「いやいや……ここ移動中で休憩中のテントだよ。豪華なテーブルと椅子まであって豪華すぎるってばっ!」

「あぁ~……異次元収納を持ってるからな」

「うわっ。また高級な……アイテムを持ってるんだね」

「あはは……どうだ?羨ましいか~?」

「……うん。羨まし過ぎる!ください……ちょうだいっ!」

「ダメだ~これしか持ってないし」

 
 っていうか俺しか使えないし。渡しても、ただのポーチになるだけだぞ。このポーチはダミーだし……ポーチから出してるように見せてるだけだ。

 
「ううぅ……ケチッ!」

「まあ。今度、見掛けたら買ってあげようか?」

 
 何だか本気で欲しそうにしてるので、つい買ってあげたくなった。

 だけど販売品は、あるんだけど容量制限あるんだよな……普通の冒険者なら十分使 えるし、アリーナの様な買い物程度くらいの使い方なら普通の販売品で満足をしてくれるだろ。プレーヤーで販売品を購入してるヤツがいて用途別に仕訳とかで使っていたな……回復薬、魔力回復、状態異常の回復とかに別けてたりしてたな。それを異次元収納に纏めてたな……

 
「ホント?良いの?っていうか……今回の報酬の数十倍のくらいの価格ですけど?」

「え?あぁ……別に構わないよ?今回の討伐は報酬が目当てじゃないし……暇だから付き合うって言っただろ?お金には困ってないから大丈夫だぞ」

「あ、そうだったね……忘れてたぁ。ってホントに暇で付き合ってくれてるの?いいの?」

「そうだって言ってるだろ……」

 
 また驚いた表情をしてるし。いちいちリアクションが可愛いな……

 
「それより冷めないうちに食べちゃおうな」

「はい。うわぁ~美味しい!最高だよ……町での暮らしより良い物食べれてるし……幸せ~」

 
 アリーナが美味しそうに食べてくれてるのを見ていた。ゴミアイテムだと思ってたけど、かなりの神アイテムじゃん味も美味しいし体力も回復できて空腹も満たせるし。勝手に貯まっていたアイテムだけどな。

 で。アリーナは、どんな食生活をしてたんだ?

 
「そうなのか?」

「だって、お金無いし……薬草摘みや弱い魔物を討伐しても1食分だからね~報酬が高い依頼は、それだけ危険だしさ~無理して依頼を受けて討伐に行って怪我したり死んじゃってもバカみたいでしょ?」

「そうか、大変なんだな……」

「そうなんだよ。大変なんだよ~」

「じゃあ俺と、しばらく一緒に居れば良いんじゃない?」

「……え?」

「あ、彼氏とか居るんならダメか……」

 
ん?俺……モブを口説いて何してんだ?

 
「え?居ない。居ないよ!ユウヤと一緒に居たい!あ、えっと……ご飯の為だよ……?」

 アリーナが頬を赤くして慌てて食べ物の為だと念を押してきた。


「あ、う、うん」

「ホントに……この依頼が終わっても、わたしと一緒に居てくれて良いの?」

 
 頬を赤くして心配そうに聞いてきた。

 
「まぁ……アリーナがそう思ってるなら俺は構わないけど」

「やったぁ♪」

 
 雑談をしながら二人ともご機嫌で食事を食べ終えた。

 
「はぁ~久し振りにお腹がいっぱいだぁ~幸せ♪もう食べられないぃ~動けないよぉ~あはは……♪」

「おいおい……依頼中だぞ?そんなにお腹がいっぱいだと動けないんじゃないのか?しかもアリーナは双剣使いだったよな?」

「え?あ。う、うん……」

「双剣使いって動き回って斬りつけたりするんじゃ?」

「あぅ……そうでしたぁ」

「まあ……良いけど……魔物が出たら逃げるのに集中な?」

「はぁい♪」

 
 うん。完全に俺に攻撃は丸投げしてるな……アリーナの攻撃は期待はしてないけどさ。そもそも話し相手が欲しかっただけだから良いんだけど。

 
「この依頼って期限付きなのか?」

「無いよ~」

「そっか。じゃあ今日は、ここに泊まるか?」

「え?良いの?」

「それじゃお腹がいっぱいで歩くのツライんじゃないのか?」

「ううぅ……ツライです。ごめんなさい……」

 
 ずっとお腹が空いていて久し振りのご飯で嬉しくて食べ過ぎたんだろ……今回は良いか。

 
「じゃあ、ゆっくりアリーナの事を聞こうかな~」

「え?わたしの事?わたしに興味があるの?」

「あの町で初めて出来た友達だからな~色々と聞きたいな」

 モブだから興味があるという事もあるけど、アリーナの過去に興味がある。

「そうなんだ?って言っても、わたし殆ど孤児だし話すこと無いよ?」

「え?孤児なのか?」

「わたしが13歳の時に両親が魔物に襲われて死んじゃって、それからずっと一人で生活してるんだ~」

「へぇ……家はあるんだ?」

「うん。小さい家があるよ。一緒に住むぅ?」

「え?いきなり同居ですか?」

「ずっと一緒に居るんでしょ?」

 
 いや……ずっと一緒に居るとは言ってないぞ?パーティとして一緒に居ても良いぞ。と言ったつもりなんだけど?それならアリーナが飯に困らないと思うし、俺が一緒なら依頼料の高い討伐も受けれるだろうし別に本人が良ければ良いか。

 
「まぁ……お世話になるか」

「帰るのが楽しみっ♪」

「そうだな」

 
ん?なんで楽しみ?
 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。

みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

異世界エステ〜チートスキル『エステ』で美少女たちをマッサージしていたら、いつの間にか裏社会をも支配する異世界の帝王になっていた件〜

福寿草真@植物使いコミカライズ連載中!
ファンタジー
【Sランク冒険者を、お姫様を、オイルマッサージでトロトロにして成り上がり!?】 何の取り柄もないごく普通のアラサー、安間想介はある日唐突に異世界転移をしてしまう。 魔物や魔法が存在するありふれたファンタジー世界で想介が神様からもらったチートスキルは最強の戦闘系スキル……ではなく、『エステ』スキルという前代未聞の力で!? これはごく普通の男がエステ店を開き、オイルマッサージで沢山の異世界女性をトロトロにしながら、瞬く間に成り上がっていく物語。 スキル『エステ』は成長すると、マッサージを行うだけで体力回復、病気の治療、バフが発生するなど様々な効果が出てくるチートスキルです。

迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~

飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。 彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。 独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。 この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。 ※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

処理中です...