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第1話 大雨の日に……
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小学校の中学年の時に父が会社を作り独立をし、私が小学校の高学年の時に会社が上手くいきだし、母も父の会社の手伝いに行きだし、家は裕福になり新しい大きな家も建て、大きな部屋まで貰えて嬉しかったけど……寂しくなってしまった。
中学2年になり、最近は学校から帰ると家の手伝いで料理も作って両親の負担を減らすために、他にも家事を色々と手伝っていた。
ある日、学校から帰って来ると……家の車庫の隅に知らない女の子が座っていて、なんと言うか少し……汚い服を着て髪の毛はボサボサで顔も汚れていた。
少し気味が悪いので警察に相談をしようかと思ったが、良く考えると別にイタズラをしてる訳でもないし、座っているだけだ。自分が警察に相談をしてしまうと少女は多分、施設か……望まぬ親元へ帰されるのかな……?と思った。親の元へ帰りたかったら警察へ行けば帰してくれるハズだし。
家に入ると、いつも通りに部屋着に着替えて、料理を作っていると大雨が降ってくるのがキッチンからリビングの窓から見えた。
「わぁーすごい大雨だなぁ……あっ!女の子大丈夫かなぁ……」
心配になり傘を持って外に出てみると、ずぶ濡れで同じ場所に座って震えていた。
「えっと……大丈夫かな?」
「えっ!?あ、ごめんなさい。直ぐに移動するから……」
「ちょっと待って、風邪引いちゃうよ……」
その言葉に走り去ろうとしていた足が止まり、ゆっくりと振り返ると、どうして良いのか分からないという表情をしていた。
「大雨降ってるし……家に入る?」
「……えっと。どうしてもって言うなら……入っても良いけど……」
えっ!?なにその反応……もじもじして照れてる?可愛い……
「うん。どうしてもかなぁ……。あ。家に誰も居ないから遠慮しなくても良いよ」
「あ……そう……」
緊張した表情をして、おどおどして近寄ってきたので玄関まで案内をした。
「ちょっと待ってて……拭くものを持ってくるから」
「ん……と……えっと……ありがと……」
小さな声でお礼を言われて嬉しくなった。
「待っててよ。逃げ出さないでよー?」
「う、うん。待ってる……行くところ無いし……」
そうなんだ?えっと……タオル、タオル……。数枚を抱えて戻ると、震えて玄関で動かずに待っていてくれた。
「偉いねー。ちゃんと待っててくれた!」
「……子供じゃないんだから……待ってられるよ」
「そっかーそうだよね。あはは……」
持ってきたタオルで頭を拭いてあげると……微かに笑顔になったのが見えた。
「え?わぁっ。自分で拭けるよ……ねぇっ」
「お姉ちゃんに任せてよ」
「やめてってぇ……わぁぁっ」
止めてって言う割には素直に抵抗せずに大人しくして笑顔になっていた。うぅーん……少し……いやぁ……大分、臭うなぁ……女の子なのに。
「ねぇーお風呂に入っちゃいなよ」
「えっ!?」
「だって……少し臭うし……洗濯もしちゃおうよ。服を貸すからさー」
「そんなに……いうなら……入ってあげても良いけど……」
「うん。入っちゃって」
緊張して固まってたので、玄関にタオルを敷いた。
「靴下を脱いで足を拭いてくれる?」
「うん。わかった……」
「靴下は洗濯機に入れておいてくれる?それと服もね」
「うん」
「こっちだよー来てきて」
「あ、ちょっと待って……」
靴下を脱ぎ終わって無くて、濡れていて脱ぎにくそうだった。慌ててる姿が可愛かった。
「部屋着で良いかな?」
「えっと……なんでも良い……」
「じゃあ……ハーフパンツにTシャツでも良い?」
「……うん」
「お風呂に入ってる時に準備して持っていくね」
「……えっと……ありがと……」
女の子を脱衣所に案内をして洗濯機の場所を教えて、服を部屋で選んで脱衣所に着替えを置いてリビングで待っていた。
しばらくすると……
「おねーちゃーん!どこー?」
あっ!リビングで待ってるって言ってないし、リビングの場所も教えてなかった!女の子が泣きそうな声で呼んでいた。
慌ててリビングを出て女の子を探した。
「おねーちゃーん!」
私を見つけると泣きそうな表情をして、駆け寄ってきて抱きつかれた。わぁ……可愛い……あれ?素っ気ないキャラだったのに?甘えてきてるギャップが更に可愛いなぁ……
「お姉ちゃんの……ばかぁ……迷子になったぁ……」
「えーお家で迷子ってー」
「知らないお家だし……大きい家だし……」
「ごめん、ごめん……こっちがリビングだよ」
女の子の手を引いてリビングに案内をすると、泣きそうな顔から一転して嬉しそうに辺りを見回していた。
「わぁー、すごーい広い!」
そういえば名前も歳も聞いてなかったな……私をお姉ちゃんって言ってたけど、少し歳下っぽいよねー……可愛いし。
「そっちに座りなよ」
「え、あ……うん」
「お菓子食べる?」
「食べるっ!」
あれ?あの可愛い、素っ気ないツンとした反応が見られると思って楽しみにしてたのにー!ざんねーん。
中学2年になり、最近は学校から帰ると家の手伝いで料理も作って両親の負担を減らすために、他にも家事を色々と手伝っていた。
ある日、学校から帰って来ると……家の車庫の隅に知らない女の子が座っていて、なんと言うか少し……汚い服を着て髪の毛はボサボサで顔も汚れていた。
少し気味が悪いので警察に相談をしようかと思ったが、良く考えると別にイタズラをしてる訳でもないし、座っているだけだ。自分が警察に相談をしてしまうと少女は多分、施設か……望まぬ親元へ帰されるのかな……?と思った。親の元へ帰りたかったら警察へ行けば帰してくれるハズだし。
家に入ると、いつも通りに部屋着に着替えて、料理を作っていると大雨が降ってくるのがキッチンからリビングの窓から見えた。
「わぁーすごい大雨だなぁ……あっ!女の子大丈夫かなぁ……」
心配になり傘を持って外に出てみると、ずぶ濡れで同じ場所に座って震えていた。
「えっと……大丈夫かな?」
「えっ!?あ、ごめんなさい。直ぐに移動するから……」
「ちょっと待って、風邪引いちゃうよ……」
その言葉に走り去ろうとしていた足が止まり、ゆっくりと振り返ると、どうして良いのか分からないという表情をしていた。
「大雨降ってるし……家に入る?」
「……えっと。どうしてもって言うなら……入っても良いけど……」
えっ!?なにその反応……もじもじして照れてる?可愛い……
「うん。どうしてもかなぁ……。あ。家に誰も居ないから遠慮しなくても良いよ」
「あ……そう……」
緊張した表情をして、おどおどして近寄ってきたので玄関まで案内をした。
「ちょっと待ってて……拭くものを持ってくるから」
「ん……と……えっと……ありがと……」
小さな声でお礼を言われて嬉しくなった。
「待っててよ。逃げ出さないでよー?」
「う、うん。待ってる……行くところ無いし……」
そうなんだ?えっと……タオル、タオル……。数枚を抱えて戻ると、震えて玄関で動かずに待っていてくれた。
「偉いねー。ちゃんと待っててくれた!」
「……子供じゃないんだから……待ってられるよ」
「そっかーそうだよね。あはは……」
持ってきたタオルで頭を拭いてあげると……微かに笑顔になったのが見えた。
「え?わぁっ。自分で拭けるよ……ねぇっ」
「お姉ちゃんに任せてよ」
「やめてってぇ……わぁぁっ」
止めてって言う割には素直に抵抗せずに大人しくして笑顔になっていた。うぅーん……少し……いやぁ……大分、臭うなぁ……女の子なのに。
「ねぇーお風呂に入っちゃいなよ」
「えっ!?」
「だって……少し臭うし……洗濯もしちゃおうよ。服を貸すからさー」
「そんなに……いうなら……入ってあげても良いけど……」
「うん。入っちゃって」
緊張して固まってたので、玄関にタオルを敷いた。
「靴下を脱いで足を拭いてくれる?」
「うん。わかった……」
「靴下は洗濯機に入れておいてくれる?それと服もね」
「うん」
「こっちだよー来てきて」
「あ、ちょっと待って……」
靴下を脱ぎ終わって無くて、濡れていて脱ぎにくそうだった。慌ててる姿が可愛かった。
「部屋着で良いかな?」
「えっと……なんでも良い……」
「じゃあ……ハーフパンツにTシャツでも良い?」
「……うん」
「お風呂に入ってる時に準備して持っていくね」
「……えっと……ありがと……」
女の子を脱衣所に案内をして洗濯機の場所を教えて、服を部屋で選んで脱衣所に着替えを置いてリビングで待っていた。
しばらくすると……
「おねーちゃーん!どこー?」
あっ!リビングで待ってるって言ってないし、リビングの場所も教えてなかった!女の子が泣きそうな声で呼んでいた。
慌ててリビングを出て女の子を探した。
「おねーちゃーん!」
私を見つけると泣きそうな表情をして、駆け寄ってきて抱きつかれた。わぁ……可愛い……あれ?素っ気ないキャラだったのに?甘えてきてるギャップが更に可愛いなぁ……
「お姉ちゃんの……ばかぁ……迷子になったぁ……」
「えーお家で迷子ってー」
「知らないお家だし……大きい家だし……」
「ごめん、ごめん……こっちがリビングだよ」
女の子の手を引いてリビングに案内をすると、泣きそうな顔から一転して嬉しそうに辺りを見回していた。
「わぁー、すごーい広い!」
そういえば名前も歳も聞いてなかったな……私をお姉ちゃんって言ってたけど、少し歳下っぽいよねー……可愛いし。
「そっちに座りなよ」
「え、あ……うん」
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