40 / 72
レイガード新王即位編
番外編 ~やっぱりアリスは幸運の女神~
しおりを挟む
「わ、わたしたちは、これから、ど、どうなる、のでしょう」
地下牢に入れられたワリアロントの当主が、不安そうに尋ねた。
「おとなしくしてるから、もう、レイガードには関わらないから、家に帰してください」
夫人も涙ながらに懇願する。
「んー?どうなるんだろうねぇ?家には帰れないんじゃないかなあ」
地下牢で、王自らが対応している異常さにも気付かないほど、ワリアロント家はいっぱいいっぱいだった。
「そんな、たかが伯爵家の娘をちょっと睨んだだけじゃない」
睨んだ、というより蔑んでいたのだが、まあどちらでも結果は変わらなかっただろう。
手当てをされてはいるが、痛みが酷いのだろう。声が弱々しい。それでもそんなことを言ってのけるほどには、自分の行いがわかっていない。
「たかが、伯爵家?」
ディアンは耳を疑う。
「この国で、ディレイガルドがいる国でコーサを賜る家が、たかが?」
本当に利権に胡座をかいているだけの者だ、この娘は。当主夫妻はまだマシだが、ドングリの背比べだ。今回の件がなくてもワリアロントは、没落間近だったのだ。鉱山の採掘量が減少しているわけでもないのに没落するなど、人間に問題がありすぎる場合のみ。それを見抜けず招待してしまった自分の落ち度を、深く反省する。レイガードから二つ国を挟んでいるからと言って、情報収集が甘かったとしか言いようがない。
ディレイガルドがいる式典に、甘えは許されないというのに。いや、現当主であれば、この程度は遊びの範疇として、寧ろ楽しんでくれたことだろう。
逆鱗に趣味嗜好が加わると、これ程までに招待客が狭き門となるのか。
「貿易に携わるものとは思えないほど、情報を軽んじているな。よく今まで保っていたものだ」
チッ。この者たちは公爵たちとは交流があったと記憶していたから油断したな。
「そもそも何故小公爵に絡んだんだ」
ディアンが冷たく睥睨する。
「本当に小公爵の噂を知らないのか?それともあの美貌だ。お近づきになりたかった?まさか、息子が小公爵夫人の声に興味を持ったのか?それで仲を取り持とうとした?」
夫人の顔色が悪い。
「は?全部図星なのか?」
ディアンは、あり得ない、と首を振る。本当にこれ程までに情報を仕入れていない、または無視しているとは。
「小公爵夫人に関わろうとするなど、破滅願望の持ち主としか思えん」
ディアンは、自分自身にも呆れた溜め息を吐いた。
これ程までにディレイガルドを注視しない商家があるとは思わないだろ、フツウ。
心中で思わず、俗っぽい言葉で悪態を吐く。女たちが何か言っているが、ディアンは無視をして沙汰を下す。
「おまえたちの爵位含むすべて、おまえたちには帰属しない。おまえたちの身柄はレイガードが所有。他国のことだがそれだけは決定事項。カーレインドの国王からも、是非それで、とのことだ」
ワリアロント家は何も言えず茫然としている。息子は耳の痛みから蹲ったままだ。
しかしそんなことより。
二つも国を挟んでいるのに、一日しか経っていないのに、相手は一応大国なのに、国王から承諾をもぎ取って来たなんて!やっぱり護衛も、ディレイガルド、なんだなあ。
*~*~*~*~*
「ワリアロントが持っている資産を、ダーデボーデに譲渡させる」
式典の翌日、晩餐の席でエリアストが言った。
「あは。やっぱりワリアロントが何かしたんだね。新王が出て行ったときにいなかったからさ。影が報告しようとしてきたけど、エリアストから聞くからいいよって言ってあったんだ」
「あらまあ。では、早速ダーデボーデ侯爵に連絡をしましょう。アリスちゃん、カーレインド国のダーデボーデ侯爵家は、ディレイガルド縁の者よ。後で手紙を書きましょうね」
「まあ、そうだったのですね。はい、よろしくお願いいたします、お義母様」
「あそこの鉱山の鉱石は、とっても品質がいいのよねぇ。ダーデボーデ侯爵が管理をするなら、もっと付加価値をつけて利益を出せそうね」
やはりアリスは幸運の女神だ。ディレイガルド本家だけでなく、その縁あるものの収益まで増幅させるなんて。一体どんな加護が付いているのだろう。とにかくすごい。
「お義母様のアイディアが加わったら、今まで以上に素敵なものが世の中に出回りますね。楽しみですわ」
「んもう、何ていい子なのアリスちゃん!そんな風に言ってもらえたら、すっごく頑張っちゃうわよ!」
「でもイリス、そっちばかりに構って私を放置するのはダメだからね」
肩を抱き寄せ、頭にくちづけるライリアストに、アイリッシュはほんのり頬を染めて微笑んだ。
ご当主夫妻も愛に溢れております。
「そうそう、王族からお詫びが届いているよ。お返しはどうする、エリアスト」
「そうですね」
詫びの品によって量刑が変わる。アリスに配慮したものであれば、多少は軽減、的外れのものであれば、地獄を見る。
この後ひと月ほど、ディアンは眠るときは丸まって布団で厳重にくるまれ、その上から妻に抱き締めてもらわないと眠れなかったという。
きっと、量刑は軽減されたのだろう。その程度で済んだのだから。
*おしまい*
次話から、最終章エリアストとアリスの形編となります。
妊娠・出産の話がありますので、苦手な方はお控えください。
最終章となりますが、引き続きお楽しみいただけると嬉しいです。
地下牢に入れられたワリアロントの当主が、不安そうに尋ねた。
「おとなしくしてるから、もう、レイガードには関わらないから、家に帰してください」
夫人も涙ながらに懇願する。
「んー?どうなるんだろうねぇ?家には帰れないんじゃないかなあ」
地下牢で、王自らが対応している異常さにも気付かないほど、ワリアロント家はいっぱいいっぱいだった。
「そんな、たかが伯爵家の娘をちょっと睨んだだけじゃない」
睨んだ、というより蔑んでいたのだが、まあどちらでも結果は変わらなかっただろう。
手当てをされてはいるが、痛みが酷いのだろう。声が弱々しい。それでもそんなことを言ってのけるほどには、自分の行いがわかっていない。
「たかが、伯爵家?」
ディアンは耳を疑う。
「この国で、ディレイガルドがいる国でコーサを賜る家が、たかが?」
本当に利権に胡座をかいているだけの者だ、この娘は。当主夫妻はまだマシだが、ドングリの背比べだ。今回の件がなくてもワリアロントは、没落間近だったのだ。鉱山の採掘量が減少しているわけでもないのに没落するなど、人間に問題がありすぎる場合のみ。それを見抜けず招待してしまった自分の落ち度を、深く反省する。レイガードから二つ国を挟んでいるからと言って、情報収集が甘かったとしか言いようがない。
ディレイガルドがいる式典に、甘えは許されないというのに。いや、現当主であれば、この程度は遊びの範疇として、寧ろ楽しんでくれたことだろう。
逆鱗に趣味嗜好が加わると、これ程までに招待客が狭き門となるのか。
「貿易に携わるものとは思えないほど、情報を軽んじているな。よく今まで保っていたものだ」
チッ。この者たちは公爵たちとは交流があったと記憶していたから油断したな。
「そもそも何故小公爵に絡んだんだ」
ディアンが冷たく睥睨する。
「本当に小公爵の噂を知らないのか?それともあの美貌だ。お近づきになりたかった?まさか、息子が小公爵夫人の声に興味を持ったのか?それで仲を取り持とうとした?」
夫人の顔色が悪い。
「は?全部図星なのか?」
ディアンは、あり得ない、と首を振る。本当にこれ程までに情報を仕入れていない、または無視しているとは。
「小公爵夫人に関わろうとするなど、破滅願望の持ち主としか思えん」
ディアンは、自分自身にも呆れた溜め息を吐いた。
これ程までにディレイガルドを注視しない商家があるとは思わないだろ、フツウ。
心中で思わず、俗っぽい言葉で悪態を吐く。女たちが何か言っているが、ディアンは無視をして沙汰を下す。
「おまえたちの爵位含むすべて、おまえたちには帰属しない。おまえたちの身柄はレイガードが所有。他国のことだがそれだけは決定事項。カーレインドの国王からも、是非それで、とのことだ」
ワリアロント家は何も言えず茫然としている。息子は耳の痛みから蹲ったままだ。
しかしそんなことより。
二つも国を挟んでいるのに、一日しか経っていないのに、相手は一応大国なのに、国王から承諾をもぎ取って来たなんて!やっぱり護衛も、ディレイガルド、なんだなあ。
*~*~*~*~*
「ワリアロントが持っている資産を、ダーデボーデに譲渡させる」
式典の翌日、晩餐の席でエリアストが言った。
「あは。やっぱりワリアロントが何かしたんだね。新王が出て行ったときにいなかったからさ。影が報告しようとしてきたけど、エリアストから聞くからいいよって言ってあったんだ」
「あらまあ。では、早速ダーデボーデ侯爵に連絡をしましょう。アリスちゃん、カーレインド国のダーデボーデ侯爵家は、ディレイガルド縁の者よ。後で手紙を書きましょうね」
「まあ、そうだったのですね。はい、よろしくお願いいたします、お義母様」
「あそこの鉱山の鉱石は、とっても品質がいいのよねぇ。ダーデボーデ侯爵が管理をするなら、もっと付加価値をつけて利益を出せそうね」
やはりアリスは幸運の女神だ。ディレイガルド本家だけでなく、その縁あるものの収益まで増幅させるなんて。一体どんな加護が付いているのだろう。とにかくすごい。
「お義母様のアイディアが加わったら、今まで以上に素敵なものが世の中に出回りますね。楽しみですわ」
「んもう、何ていい子なのアリスちゃん!そんな風に言ってもらえたら、すっごく頑張っちゃうわよ!」
「でもイリス、そっちばかりに構って私を放置するのはダメだからね」
肩を抱き寄せ、頭にくちづけるライリアストに、アイリッシュはほんのり頬を染めて微笑んだ。
ご当主夫妻も愛に溢れております。
「そうそう、王族からお詫びが届いているよ。お返しはどうする、エリアスト」
「そうですね」
詫びの品によって量刑が変わる。アリスに配慮したものであれば、多少は軽減、的外れのものであれば、地獄を見る。
この後ひと月ほど、ディアンは眠るときは丸まって布団で厳重にくるまれ、その上から妻に抱き締めてもらわないと眠れなかったという。
きっと、量刑は軽減されたのだろう。その程度で済んだのだから。
*おしまい*
次話から、最終章エリアストとアリスの形編となります。
妊娠・出産の話がありますので、苦手な方はお控えください。
最終章となりますが、引き続きお楽しみいただけると嬉しいです。
76
お気に入りに追加
327
あなたにおすすめの小説

お飾り公爵夫人の憂鬱
初瀬 叶
恋愛
空は澄み渡った雲1つない快晴。まるで今の私の心のようだわ。空を見上げた私はそう思った。
私の名前はステラ。ステラ・オーネット。夫の名前はディーン・オーネット……いえ、夫だった?と言った方が良いのかしら?だって、その夫だった人はたった今、私の足元に埋葬されようとしているのだから。
やっと!やっと私は自由よ!叫び出したい気分をグッと堪え、私は沈痛な面持ちで、黒い棺を見つめた。
そう自由……自由になるはずだったのに……
※ 中世ヨーロッパ風ですが、私の頭の中の架空の異世界のお話です
※相変わらずのゆるふわ設定です。細かい事は気にしないよ!という読者の方向けかもしれません
※直接的な描写はありませんが、性的な表現が出てくる可能性があります

【完結】余命三年ですが、怖いと評判の宰相様と契約結婚します
佐倉えび
恋愛
断罪→偽装結婚(離婚)→契約結婚
不遇の人生を繰り返してきた令嬢の物語。
私はきっとまた、二十歳を越えられないーー
一周目、王立学園にて、第二王子ヴィヴィアン殿下の婚約者である公爵令嬢マイナに罪を被せたという、身に覚えのない罪で断罪され、修道院へ。
二周目、学園卒業後、夜会で助けてくれた公爵令息レイと結婚するも「あなたを愛することはない」と初夜を拒否された偽装結婚だった。後に離婚。
三周目、学園への入学は回避。しかし評判の悪い王太子の妾にされる。その後、下賜されることになったが、手渡された契約書を見て、契約結婚だと理解する。そうして、怖いと評判の宰相との結婚生活が始まったのだが――?
*ムーンライトノベルズにも掲載

はずれのわたしで、ごめんなさい。
ふまさ
恋愛
姉のベティは、学園でも有名になるほど綺麗で聡明な当たりのマイヤー伯爵令嬢。妹のアリシアは、ガリで陰気なはずれのマイヤー伯爵令嬢。そう学園のみなが陰であだ名していることは、アリシアも承知していた。傷付きはするが、もう慣れた。いちいち泣いてもいられない。
婚約者のマイクも、アリシアのことを幽霊のようだの暗いだのと陰口をたたいている。マイクは伯爵家の令息だが、家は没落の危機だと聞く。嫁の貰い手がないと家の名に傷がつくという理由で、アリシアの父親は持参金を多めに出すという条件でマイクとの婚約を成立させた。いわば政略結婚だ。
こんなわたしと結婚なんて、気の毒に。と、逆にマイクに同情するアリシア。
そんな諦めにも似たアリシアの日常を壊し、救ってくれたのは──。

【改稿版・完結】その瞳に魅入られて
おもち。
恋愛
「——君を愛してる」
そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった——
幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。
あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは……
『最初から愛されていなかった』
その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。
私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。
『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』
『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』
でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。
必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。
私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……?
※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。
※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。
※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。
※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。

【完結】記憶が戻ったら〜孤独な妻は英雄夫の変わらぬ溺愛に溶かされる〜
凛蓮月
恋愛
【完全完結しました。ご愛読頂きありがとうございます!】
公爵令嬢カトリーナ・オールディスは、王太子デーヴィドの婚約者であった。
だが、カトリーナを良く思っていなかったデーヴィドは真実の愛を見つけたと言って婚約破棄した上、カトリーナが最も嫌う醜悪伯爵──ディートリヒ・ランゲの元へ嫁げと命令した。
ディートリヒは『救国の英雄』として知られる王国騎士団副団長。だが、顔には数年前の戦で負った大きな傷があった為社交界では『醜悪伯爵』と侮蔑されていた。
嫌がったカトリーナは逃げる途中階段で足を踏み外し転げ落ちる。
──目覚めたカトリーナは、一切の記憶を失っていた。
王太子命令による望まぬ婚姻ではあったが仲良くするカトリーナとディートリヒ。
カトリーナに想いを寄せていた彼にとってこの婚姻は一生に一度の奇跡だったのだ。
(記憶を取り戻したい)
(どうかこのままで……)
だが、それも長くは続かず──。
【HOTランキング1位頂きました。ありがとうございます!】
※このお話は、以前投稿したものを大幅に加筆修正したものです。
※中編版、短編版はpixivに移動させています。
※小説家になろう、ベリーズカフェでも掲載しています。
※ 魔法等は出てきませんが、作者独自の異世界のお話です。現実世界とは異なります。(異世界語を翻訳しているような感覚です)
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。

王弟殿下の番様は溺れるほどの愛をそそがれ幸せに…
ましろ
恋愛
見つけた!愛しい私の番。ようやく手に入れることができた私の宝玉。これからは私のすべてで愛し、護り、共に生きよう。
王弟であるコンラート公爵が番を見つけた。
それは片田舎の貴族とは名ばかりの貧乏男爵の娘だった。物語のような幸運を得た少女に人々は賞賛に沸き立っていた。
貧しかった少女は番に愛されそして……え?

【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!
高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。
7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。
だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。
成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。
そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る
【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる