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大活躍
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「ふぁる、ふぁな、さま」
震える手でシンシアは、自分の上に覆い被さる人の背に手を回す。ぬるりとした感触がした。
「だいじょ、です、か」
少し体を持ち上げ、整わない呼吸でスイはシンシアを見た。ピンク色の澄んだ瞳が紳士的な色を宿す。シンシアの胸は、こんな時だというのに大きく脈打った。
「は、はい、はい、わたくしは何も、問題ありませんっ。わたくしより、ファルファナ様がっ」
写生大会から十日ほど経った頃。放課後の委員会活動の一環として、シンシアは校舎裏の花壇に水まきに来ていた。すぐ近くには手入れの行き届いた森が広がり、散策も楽しめる。そんな森の方から、何かの呻き声のようなものが近付いてきた。警戒して顔をあげたシンシアの目に飛び込んできたのは、一匹の犬だった。その目が赤々としていることに息をのむ。
目の赤い生き物は魔物である。
シンシアは震えた。実践授業は幾度となく経験した。今目の前にいる魔物なんかより、もっと大きなものも相手にしてきた。しかし。それは所詮飼い慣らされ、毒気を抜かれた魔物でしかなかったのだ。今目の前にいる魔物のなんと禍々しいことか。凄まじい殺気を放ってジリジリと迫ってくる。捕食者と、被捕食者。
食われる。
「シンシア様っ」
横から衝撃が走った。何が起きたのかわからないまま、シンシアは地面に倒れていた。視界にはピンクブロンドの髪。シンシアの頭と背中には、少しでも衝撃を和らげようとしたのか、スイの腕が回されていた。庇って怪我をしているのは自分だというのに、スイはシンシアを心配する。あまりのことに涙を流すシンシアを気遣ってか、痛いはずなのに、いつものように気の抜けた顔でへらっとスイは笑う。
「怖いかもしれませんが、ちょおっと待っててくださいねぇ」
いつの間にか防御魔法を展開しており、魔物は透明な防御壁に体当たりをしている。大怪我をしているというのに、スイは気丈にも立ち上がると、防御壁を解除する。
「何してくれてんじゃああああぁぁ!」
シンシアは呆気にとられた。スイは魔物を殴った。そう、殴ったのだ。魔法が使えるこの世界。学園内で帯剣は許されていないので、魔物への攻撃と言ったら魔法一択。のはず。だが。スイは。魔物を。殴った。
「おまえ、あれか!面食いか!美人以外口にしませんてかぁ!」
ぼっこぼこだった。魔物は瀕死の重傷。放っておけばたぶん死ぬ。そこまでになって、ようやくスイはシンシアを振り返った。瞬間。
「おおぅ、貧血ぅ」
「ファルファナ様!」
スイはパタリと倒れた。
学園内の会議室にロヴィスを始め、学園長、全学年の統括指導者、各学年の指導責任者たち、シンシアの姿があった。
スイが倒れた後、シンシアは植物で魔物を拘束し、スイを背負った。背中の傷に響かないよう慎重に運ぶ。シンシアの体力では、小柄とはいえ意識のない人間を医務室まで運ぶことは難しい。なんとか幼児程度の重さにまで風魔法で補助して背負った。
医務官に処置をお願いしている間、ロヴィスの元へ行くと、震える腕で抱きしめられた。無事で良かったと小さく繰り返すロヴィスに、シンシアは涙が出た。
治癒魔法の使い手は神殿に集められ、神官として働いている。神官の到着を待つ間、状況を学校側にも把握させるため今に至る。
「よって、急ぎ原因の究明を要請いたします」
シンシアの説明に、全員が渋い顔をした。
学園内の二カ所にある森は、生徒たちも散策できるよう散策路が整備されている。この散策路は森の比較的浅いところであり、散策路から外れてはいけない規律となっている。なぜなら森の奥には、魔法訓練用の魔物や魔獣などを飼育している施設があるからだ。今回の魔物騒動は、ここから逃げ出したものではないか、となったが、調べたところ異常はなかった。
「万が一檻から逃げ出しても、建物から出られるはずがない。意図的にでもやらない限りはあり得ないことだ。だが結界の綻びとなると、それもそれで大問題だ」
統括指導者の言葉に全員が沈黙する。
シュリアーネ王国は、王都に結界が張られている。この結界を維持するため、王都を取り巻くように結界石という魔石が一定間隔で設置されている。この結界石は、定期的に入れ替えるものなのだが、まだその時期ではない。万が一結界の綻びであれば由々しき事態だ。そして一番可能性が高いもの、密輸だ。結界を通すための高価で特殊な檻が必要となるが、魔物を売る利益の前にはそんな金額は些細なもの。密売人は後を絶たない。これが、何かしらの理由で逃げ出した。地下でひっそり飼っていたものなのか、これから取引されようとしていたものかはわからない。ロヴィスは急ぎ、結界石と密輸の両方について、王城に伝令を走らせている。
「原因がわかるまで学園内の森林は立ち入り禁止とし、騎士を数名警備にあたらせる。飼育施設関係者の出入りは必ず騎士の護衛と共にしてもらう」
ロヴィスの言葉に全員が臣下の礼をとった。
会議室を出ると、王太子の要請を受けた神殿から、丁度神官が到着した。最高神官を派遣してくれたようだ。医務室に入りスイを見ると、最高神官サラサは首を傾げた。
「どうかされましたか」
シンシアの声に、サラサは首を振った。
「いえ、失礼いたしました」
そう言って治癒を施し、時期目が覚めるでしょう、と一礼して去っていった。シンシアは何度もお礼を言って見送った。治癒が終了すると、シンシアはまだ目を開かないスイの手をそっと両手で握る。
「ファルファナ様、ありがとう、ございます」
一粒、涙がこぼれた。
「早く目覚めて、また、元気なお姿を、見せてくださいましね」
ロヴィスはシンシアの肩を抱いた。
「私からもきちんと礼を言わせて欲しい。早く目を覚ませ、ファルファナ嬢」
そうして少しすると、スイの目が薄く開いた。
「ファルファナ様っ」
「ファルファナ嬢っ」
二人が同時に声を上げると、スイはあのへらっとした笑みを見せた。
「あれぇ、もしやわたし、死んだか。すんごいキラキラした天使が二人もいるぅ」
「変なこと言わないでくださいませっ。生きております、生きておりますわっ」
涙目でぎゅうっと手を握られると、スイは急速に覚醒した。
「ほわあっ。ディヅィイ公爵令嬢様っ」
スイは慌てて飛び起きた。
「ファルファナ様、ダメですわ、急に起きてしまわれてはっ」
「おおう、貧血う」
「ファルファナ様っ」
枕に顔を埋めながら、うめくようにスイは言葉を紡いだ。
「ディヅィイ公爵令嬢様ぁ、申し訳ありませんんんん」
シンシアとロヴィスは顔を見合わせた。こちらが謝ることはあっても、スイが謝る理由はない。
「突き飛ばしてしまいましたが、お怪我はありませんでしたかぁ」
シンシアもロヴィスも目を見開く。自分が大変な時に人を思いやれる人はどれだけいるのだろう。
「もう、もうもう、あなたは、何という。ええ、ええ、わたくしは大丈夫。あなたが守ってくださったのです。あなたはわたくしを、守ってくださったのよ」
ぎゅうぎゅうと手を握られて、スイは嬉しそうに、しかし申し訳なさそうに言葉を続けた。
「突き飛ばしたあげく、制服を、汚してしまいました。弁償しますぅ、一生かかっても」
一生かかるほどの贅を詰め込んだ制服に見えるのだろうか。シンシアは呆れて苦笑した。
「もう、本当に、あなたは、何を仰います。謝ることではありませんでしょう」
「それだけではありませんんんんん、そのぅ、咄嗟のこととはいえ、公爵令嬢様を、えーと、お名前で、お呼びしてしまいましたぁ。死刑ですかね」
上位の者を許可なく名前で呼ぶことは不敬とされる。だが、死刑とは。シンシアは思わず笑っていた。
「ふふふふふ、死刑、死刑って。もう、あなたは、ふふふふふ」
ちっとも真剣な空気にならない。こんな大事があったというのに。笑うシンシアにつられて、スイもへにゃっと笑う。
「ファルファナ様、お体、痛くはありませんか」
慈愛に満ちた表情のシンシアに、頬を染めてスイは笑う。
「何だか元気ですぅ」
強いて言うなら血が足りないくらいでしょうか、と起き上がれない不敬を詫びる。シンシアは首を振ると立ち上がり、
「ファルファナ様、この度は助けていただき、本当にありがとうございました」
深々と頭を下げた。上位者が頭を下げていることにスイは固まった。更に、
「ファルファナ嬢、私からも礼を言う。私の大切な人を守ってくれたこと、心から感謝を」
ロヴィスからの謝意。スイの口から魂が出ていた。
*つづく*
震える手でシンシアは、自分の上に覆い被さる人の背に手を回す。ぬるりとした感触がした。
「だいじょ、です、か」
少し体を持ち上げ、整わない呼吸でスイはシンシアを見た。ピンク色の澄んだ瞳が紳士的な色を宿す。シンシアの胸は、こんな時だというのに大きく脈打った。
「は、はい、はい、わたくしは何も、問題ありませんっ。わたくしより、ファルファナ様がっ」
写生大会から十日ほど経った頃。放課後の委員会活動の一環として、シンシアは校舎裏の花壇に水まきに来ていた。すぐ近くには手入れの行き届いた森が広がり、散策も楽しめる。そんな森の方から、何かの呻き声のようなものが近付いてきた。警戒して顔をあげたシンシアの目に飛び込んできたのは、一匹の犬だった。その目が赤々としていることに息をのむ。
目の赤い生き物は魔物である。
シンシアは震えた。実践授業は幾度となく経験した。今目の前にいる魔物なんかより、もっと大きなものも相手にしてきた。しかし。それは所詮飼い慣らされ、毒気を抜かれた魔物でしかなかったのだ。今目の前にいる魔物のなんと禍々しいことか。凄まじい殺気を放ってジリジリと迫ってくる。捕食者と、被捕食者。
食われる。
「シンシア様っ」
横から衝撃が走った。何が起きたのかわからないまま、シンシアは地面に倒れていた。視界にはピンクブロンドの髪。シンシアの頭と背中には、少しでも衝撃を和らげようとしたのか、スイの腕が回されていた。庇って怪我をしているのは自分だというのに、スイはシンシアを心配する。あまりのことに涙を流すシンシアを気遣ってか、痛いはずなのに、いつものように気の抜けた顔でへらっとスイは笑う。
「怖いかもしれませんが、ちょおっと待っててくださいねぇ」
いつの間にか防御魔法を展開しており、魔物は透明な防御壁に体当たりをしている。大怪我をしているというのに、スイは気丈にも立ち上がると、防御壁を解除する。
「何してくれてんじゃああああぁぁ!」
シンシアは呆気にとられた。スイは魔物を殴った。そう、殴ったのだ。魔法が使えるこの世界。学園内で帯剣は許されていないので、魔物への攻撃と言ったら魔法一択。のはず。だが。スイは。魔物を。殴った。
「おまえ、あれか!面食いか!美人以外口にしませんてかぁ!」
ぼっこぼこだった。魔物は瀕死の重傷。放っておけばたぶん死ぬ。そこまでになって、ようやくスイはシンシアを振り返った。瞬間。
「おおぅ、貧血ぅ」
「ファルファナ様!」
スイはパタリと倒れた。
学園内の会議室にロヴィスを始め、学園長、全学年の統括指導者、各学年の指導責任者たち、シンシアの姿があった。
スイが倒れた後、シンシアは植物で魔物を拘束し、スイを背負った。背中の傷に響かないよう慎重に運ぶ。シンシアの体力では、小柄とはいえ意識のない人間を医務室まで運ぶことは難しい。なんとか幼児程度の重さにまで風魔法で補助して背負った。
医務官に処置をお願いしている間、ロヴィスの元へ行くと、震える腕で抱きしめられた。無事で良かったと小さく繰り返すロヴィスに、シンシアは涙が出た。
治癒魔法の使い手は神殿に集められ、神官として働いている。神官の到着を待つ間、状況を学校側にも把握させるため今に至る。
「よって、急ぎ原因の究明を要請いたします」
シンシアの説明に、全員が渋い顔をした。
学園内の二カ所にある森は、生徒たちも散策できるよう散策路が整備されている。この散策路は森の比較的浅いところであり、散策路から外れてはいけない規律となっている。なぜなら森の奥には、魔法訓練用の魔物や魔獣などを飼育している施設があるからだ。今回の魔物騒動は、ここから逃げ出したものではないか、となったが、調べたところ異常はなかった。
「万が一檻から逃げ出しても、建物から出られるはずがない。意図的にでもやらない限りはあり得ないことだ。だが結界の綻びとなると、それもそれで大問題だ」
統括指導者の言葉に全員が沈黙する。
シュリアーネ王国は、王都に結界が張られている。この結界を維持するため、王都を取り巻くように結界石という魔石が一定間隔で設置されている。この結界石は、定期的に入れ替えるものなのだが、まだその時期ではない。万が一結界の綻びであれば由々しき事態だ。そして一番可能性が高いもの、密輸だ。結界を通すための高価で特殊な檻が必要となるが、魔物を売る利益の前にはそんな金額は些細なもの。密売人は後を絶たない。これが、何かしらの理由で逃げ出した。地下でひっそり飼っていたものなのか、これから取引されようとしていたものかはわからない。ロヴィスは急ぎ、結界石と密輸の両方について、王城に伝令を走らせている。
「原因がわかるまで学園内の森林は立ち入り禁止とし、騎士を数名警備にあたらせる。飼育施設関係者の出入りは必ず騎士の護衛と共にしてもらう」
ロヴィスの言葉に全員が臣下の礼をとった。
会議室を出ると、王太子の要請を受けた神殿から、丁度神官が到着した。最高神官を派遣してくれたようだ。医務室に入りスイを見ると、最高神官サラサは首を傾げた。
「どうかされましたか」
シンシアの声に、サラサは首を振った。
「いえ、失礼いたしました」
そう言って治癒を施し、時期目が覚めるでしょう、と一礼して去っていった。シンシアは何度もお礼を言って見送った。治癒が終了すると、シンシアはまだ目を開かないスイの手をそっと両手で握る。
「ファルファナ様、ありがとう、ございます」
一粒、涙がこぼれた。
「早く目覚めて、また、元気なお姿を、見せてくださいましね」
ロヴィスはシンシアの肩を抱いた。
「私からもきちんと礼を言わせて欲しい。早く目を覚ませ、ファルファナ嬢」
そうして少しすると、スイの目が薄く開いた。
「ファルファナ様っ」
「ファルファナ嬢っ」
二人が同時に声を上げると、スイはあのへらっとした笑みを見せた。
「あれぇ、もしやわたし、死んだか。すんごいキラキラした天使が二人もいるぅ」
「変なこと言わないでくださいませっ。生きております、生きておりますわっ」
涙目でぎゅうっと手を握られると、スイは急速に覚醒した。
「ほわあっ。ディヅィイ公爵令嬢様っ」
スイは慌てて飛び起きた。
「ファルファナ様、ダメですわ、急に起きてしまわれてはっ」
「おおう、貧血う」
「ファルファナ様っ」
枕に顔を埋めながら、うめくようにスイは言葉を紡いだ。
「ディヅィイ公爵令嬢様ぁ、申し訳ありませんんんん」
シンシアとロヴィスは顔を見合わせた。こちらが謝ることはあっても、スイが謝る理由はない。
「突き飛ばしてしまいましたが、お怪我はありませんでしたかぁ」
シンシアもロヴィスも目を見開く。自分が大変な時に人を思いやれる人はどれだけいるのだろう。
「もう、もうもう、あなたは、何という。ええ、ええ、わたくしは大丈夫。あなたが守ってくださったのです。あなたはわたくしを、守ってくださったのよ」
ぎゅうぎゅうと手を握られて、スイは嬉しそうに、しかし申し訳なさそうに言葉を続けた。
「突き飛ばしたあげく、制服を、汚してしまいました。弁償しますぅ、一生かかっても」
一生かかるほどの贅を詰め込んだ制服に見えるのだろうか。シンシアは呆れて苦笑した。
「もう、本当に、あなたは、何を仰います。謝ることではありませんでしょう」
「それだけではありませんんんんん、そのぅ、咄嗟のこととはいえ、公爵令嬢様を、えーと、お名前で、お呼びしてしまいましたぁ。死刑ですかね」
上位の者を許可なく名前で呼ぶことは不敬とされる。だが、死刑とは。シンシアは思わず笑っていた。
「ふふふふふ、死刑、死刑って。もう、あなたは、ふふふふふ」
ちっとも真剣な空気にならない。こんな大事があったというのに。笑うシンシアにつられて、スイもへにゃっと笑う。
「ファルファナ様、お体、痛くはありませんか」
慈愛に満ちた表情のシンシアに、頬を染めてスイは笑う。
「何だか元気ですぅ」
強いて言うなら血が足りないくらいでしょうか、と起き上がれない不敬を詫びる。シンシアは首を振ると立ち上がり、
「ファルファナ様、この度は助けていただき、本当にありがとうございました」
深々と頭を下げた。上位者が頭を下げていることにスイは固まった。更に、
「ファルファナ嬢、私からも礼を言う。私の大切な人を守ってくれたこと、心から感謝を」
ロヴィスからの謝意。スイの口から魂が出ていた。
*つづく*
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