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2 お姉様の代わりに……
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お姉様が公務を放棄して逃げ出した!
今、国の衛兵たちが総力を上げて国中を探しているらしい。
しかし、お姉様が見つかったという報告は未だになかった。
あれだけの数を揃えておきながらお姉様1人見つけられないなんて、やはり衛兵たちは無能なのではあるまいか?
最近戦いとか無かったからその間に組織が腐敗してしまったのではあるまいか?
そんなことを考えてると、使いの人が部屋にやってきた。
ついさっき頼んだ紅茶を持って来てくれたのだろうか?それにしては早すぎる気がする。
「クロエ様。王様がお呼びです」
「あら、お父様が?何の用かしら?」
「分かりません。すぐ参るようにとのことです」
「分かったわ。すぐ支度するから待つように伝えて」
「かしこまりました」
そうすると私はいそいそと髪と服装を整え始める。
いくら家族とはいえお父様はこの国の王様なのだ。
謁見する際は娘の私でもある程度の礼儀が要求されるのである。
そうしてお父様のいる部屋までやって行くと、使いの者がドアのノックして私がきたことを伝える。
中から入室の許可が降りたので入ると、お父様は机の両サイドに書類の山脈を作りながら私を出迎えた。
ヒョエー……
その光景に、私は思わず心の中で悲鳴を上げてしまう。
「来たな。クロエ」
「お久しぶりです。お父様。今回はどういったご用件でしょうか?」
「シャルが失踪したことは知っているな?」
「えぇ、存じております。早く見つかると良いのですが……」
「そのことで頼み事なんだが、シャルがいない間、お前が代わりに公務を行なってくれないか?」
「えっ?私がですか?」
「あぁ。最近はな、国内貴族達のいざこざに加えて隣国との国境問題まであってな、とても私1人では手が回らんのだ」
「はぁ」
「その手が回らない分をシャルにやってもらっていたのだが、そのシャルが居ないとなると代わりに誰かがやらなければならん。……とは言っても王族の公務は国の一大案件。それを適当なヤツに任せる訳にはいかん。そこで最近暇そうなお前に白羽の矢が立ったのだ」
いやいや、適当なヤツに任せておけばいいじゃん!どんな悪政を敷いても私の生きてるうちに滅びるほど脆い国ではないでしょ!
そんな言葉が出かかったが、いかんせん相手は国王。なんとか言葉を抑えた。
が、それでも私はなんとか粘ろうと試みる。
「……しかしお父様、私はこれまで一切公務とは無縁でした。これでお姉様の代わりが務まるでしょうか?」
「心配ない。この国には優秀な補佐官がいる。彼の言う通りしてれば大丈夫だ」
しかしそれも無駄に終わってしまった……
あぁ!何が優秀な補佐官よ!この国の官僚が皆んな無能だったらよかったのに!!
しかしここまで言われたら流石に承諾以外の手はなかった。
私は諦めて公務に向き合う覚悟を決めたのだった。
今、国の衛兵たちが総力を上げて国中を探しているらしい。
しかし、お姉様が見つかったという報告は未だになかった。
あれだけの数を揃えておきながらお姉様1人見つけられないなんて、やはり衛兵たちは無能なのではあるまいか?
最近戦いとか無かったからその間に組織が腐敗してしまったのではあるまいか?
そんなことを考えてると、使いの人が部屋にやってきた。
ついさっき頼んだ紅茶を持って来てくれたのだろうか?それにしては早すぎる気がする。
「クロエ様。王様がお呼びです」
「あら、お父様が?何の用かしら?」
「分かりません。すぐ参るようにとのことです」
「分かったわ。すぐ支度するから待つように伝えて」
「かしこまりました」
そうすると私はいそいそと髪と服装を整え始める。
いくら家族とはいえお父様はこの国の王様なのだ。
謁見する際は娘の私でもある程度の礼儀が要求されるのである。
そうしてお父様のいる部屋までやって行くと、使いの者がドアのノックして私がきたことを伝える。
中から入室の許可が降りたので入ると、お父様は机の両サイドに書類の山脈を作りながら私を出迎えた。
ヒョエー……
その光景に、私は思わず心の中で悲鳴を上げてしまう。
「来たな。クロエ」
「お久しぶりです。お父様。今回はどういったご用件でしょうか?」
「シャルが失踪したことは知っているな?」
「えぇ、存じております。早く見つかると良いのですが……」
「そのことで頼み事なんだが、シャルがいない間、お前が代わりに公務を行なってくれないか?」
「えっ?私がですか?」
「あぁ。最近はな、国内貴族達のいざこざに加えて隣国との国境問題まであってな、とても私1人では手が回らんのだ」
「はぁ」
「その手が回らない分をシャルにやってもらっていたのだが、そのシャルが居ないとなると代わりに誰かがやらなければならん。……とは言っても王族の公務は国の一大案件。それを適当なヤツに任せる訳にはいかん。そこで最近暇そうなお前に白羽の矢が立ったのだ」
いやいや、適当なヤツに任せておけばいいじゃん!どんな悪政を敷いても私の生きてるうちに滅びるほど脆い国ではないでしょ!
そんな言葉が出かかったが、いかんせん相手は国王。なんとか言葉を抑えた。
が、それでも私はなんとか粘ろうと試みる。
「……しかしお父様、私はこれまで一切公務とは無縁でした。これでお姉様の代わりが務まるでしょうか?」
「心配ない。この国には優秀な補佐官がいる。彼の言う通りしてれば大丈夫だ」
しかしそれも無駄に終わってしまった……
あぁ!何が優秀な補佐官よ!この国の官僚が皆んな無能だったらよかったのに!!
しかしここまで言われたら流石に承諾以外の手はなかった。
私は諦めて公務に向き合う覚悟を決めたのだった。
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