たとえ運命の番じゃなくても

暁 紅蓮

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卒業式とこれからの生活

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 あっという間に大学生活が始まった。

「選択科目どうしよう…あれもいい、これもいい、でもこれが重なってるし…あ、こっちも…」
「悠、そんなに選んだら疲れちゃうよ。まだ1年だし、2年でも3年でも取れるんだから今は必修をメインに考えて後は余裕があれば取るって形にしたら?」
「和哉…うん、そうだね!そうする!」

選択科目を悩んでいたら後ろから覗き込んできた和哉にそう諭され、焦らずに少しずつ進もうと思った。




大学1年の時は高校の時とはまた違って和哉と時間が合わず、すれ違う時もあった。
それでも2人で時間合わせられる時はデートしたり、え…ち、もしたりした。
時には梨衣や玲衣とも会って、色んな話もした。

「で~?仲良くやれてんの~?」
「うん、やっぱり科が異なるから合わない時も多いけど、一緒に住んでるから夕飯は一緒に食べたり、2人でお出かけもするよ」
「ふーん、2人で仲良くやれてんのなら良かった」
「れ~はど~なの~?私全然はらっちゃんとの話聞かないけど~?ゆ~達とは同じ大学だからたま~に会うとそ~ゆ~話するけど~」
「…俺の話は良いだろ!」
「えー?俺も玲衣の話聞きたーい!」
「悠まで…亜月とは普通だよ、ふつー」
「え~?ふつ~じゃわかんな~い」
「っ、こんにゃろっ!」
「ほらほら~、れ~、素直になろ~?」
「うるせぇ!」

顔を真っ赤にした玲衣は、トイレっ!とキレ気味に言って去ってしまった。

「…ところで、ゆ~?」
「何?」
「最近、どうなの?こっちの事情は?」

梨衣が真剣な顔でシモのジェスチャーをしてきた。

「…梨衣、女の子がそれをやらない」
「じゃ~直接言えばよかった?」
「…どっちもどっち」
「ならい~じゃ~ん」
「だからと言って言わないからね?」
「え~!?私かなし~」
「泣くふりしても可愛くないよ」
「ひど~い」

そんな梨衣を見て笑ってしまった。
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