たとえ運命の番じゃなくても

暁 紅蓮

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近づく卒業

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卒業式前日。

「遂に卒業、か…」

俺は青い空を見上げて呟いた。
和哉に助けられてからこの数年間、本当に悩んで、苦しんで、番になった日々を走馬灯のように思い返す。

「…本当に、こんなに幸せでいいんだろうか」
「いいに決まってるよ」
「…玲衣」
「悠、あんなに頑張ったじゃん。これからも大学生活始まって色々あるかもしれないけどさ、俺も梨衣も味方だから」
「…ありがとう、玲衣」
「うん」
「…玲衣も先輩と仲良くやるんだよ?」

俺はニヤリとしながら玲衣に言った。

「…っ!今それは関係無いだろ!?」
「関係あるよ、玲衣が俺の幸せを願うように、俺だって玲衣の幸せを願ってるんだから」
「…っ、あ、ありがとう」
「最後の最後で玲衣のデレ…ありがたや」
「…?」

最後の言葉はボソリと呟いたせいか、玲衣の耳には届かなかったみたいだ。
明日、この高校を卒業する。
これから大学生活がどうなるのか不安と喜びを感じながら、卒業を迎えるのだ。
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