たとえ運命の番じゃなくても

暁 紅蓮

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何も無い中のヒトトキ

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菊原先輩の手料理を皆で食べた後、休憩として遊びに出た。
最初はまた勉強するという話だったが梨衣が限界突破したらしく壊れ始めたため急遽遊ぶことにした。

「う~みだ~!」
梨衣!せめて日焼け止め塗ってから…っ、うわっ!?」
「そういう玲衣も日焼け止め塗らないと赤くなっていたくなるよ」
「ちょっ、亜月…っ」
「あれ…もう赤い……そんなに日に出てたっけ?」
「~~……っ!ニヤニヤしながら言うな!」
「バカップルは放置しとこ~ゆ~私に日焼け止め塗って~」
「あ、うんいいよ」
「悠に日焼け止め塗ってからな」
「じゃ~塗りっこしよ~!」

海に行くと言ってから梨衣の元気が半端じゃない。
やっぱり途中途中で気晴らしに遊ぶことも大切なんだと分かった。
…特に梨衣に対しては。
梨衣が言っていたように菊原先輩と玲衣は放置して俺は梨衣に日焼け止めを、和哉は俺に日焼け止めを塗った。

「かずは日焼け止めいいの~?」
「俺は黒くなるだけだからな」
「そ~なんだ~便利な体~」
「便利ってなんだ」
「いいな~私も黒くなりた~い」
「どうして?」
「ゆ~は白いよね~でもさ~黒い方が健康的に見えない~?白すぎてもいい事ないし~」
「そんな事ないよ。白くても黒くても梨衣は梨衣なんだし!印象は変わるけど今見てもすごく健康的な肌だよ」
「ゆ~……なんていい子なの~!……あうちっ!」
「悠に抱きつくな」

俺に飛びかかろう(?)としていた梨衣を、和哉が跳ね除けて自らの元に引き寄せた。
上裸にぴとりとくっついたため、ドキッとした。
……しっかりした筋肉だな。
そっと和哉の匂いを嗅ぎながら和哉と梨衣の言い合いを聞いていた。
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