たとえ運命の番じゃなくても

暁 紅蓮

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冬が近づく

1 梨衣の場合

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かずと悠の距離感がめちゃくちゃ近い。
はらっちゃんと玲衣も距離感が近い。

「あれ…これ私仲間はずれ~?」

ふと、そんな事を思った。
私も誰か良い人を見つけるしかないか~と思いながら青い空を見上げた。


「あれ~?はらっちゃ~ん」
「梨衣じゃん」

玲衣の恋人であるはらっちゃんを見つけた。

「珍しく1人~?」
「あぁ…玲衣はあそこで買い物してる」

指で示している方を見てみると、女の子が喜ぶようなアクセサリーが並んだお店をキラキラした目で見ていた。

「流石に俺はあそこに居られなかったわ」

苦笑して頭をポリポリと搔いたはらっちゃんは、それでも微笑ましそうに玲衣を見ていた。

「…玲衣を大学に誘った?」
「ん?……うん。俺のわがままだけど、玲衣が興味持ちそうな心理系もあるし。…まだ返事貰えてないんだけどね」
「…そーなんだ。い~返事聞けるといいね」
「あぁ。なんか取っちゃってごめんな」

申し訳なさそうに言うはらっちゃんにちゃんと向き合った。

「私は玲衣に幸せになってもらいたい。ただそれだけだよ。βでも、‪α‬でもΩでも、誰にだって幸せになる権利はあるんだから。だからはらっちゃんは玲衣を幸せにしてね?」
「幸せにするよ。今よりも何倍、何十倍も」

そういうはらっちゃんに安心した私は、用事があるからと言ってその場を去った。
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