たとえ運命の番じゃなくても

暁 紅蓮

文字の大きさ
上 下
73 / 142
和哉からのお誘い side悠

1

しおりを挟む
2年の秋になり寒くなってきた時期、俺は呆然と和哉の話を聞く。
事の発端は3分前。

「なぁ悠」
「ん、何?」

もうすぐ秋の小テスト祭(本当にこんな名前でテストがある…)がある為教室で和哉と勉強していた。
和哉に話しかけられて悠は書いていた手を止め和哉を見る。

「俺の部屋に越してこない?」
「…え?」
「番同士だし同棲は許されてるからさ、俺の部屋に来てよ」

俺は何を言われているのか。
番と言えど‪α‬の部屋で一緒に居る人は割と少ない。
‪α‬が嫌がったりΩが嫌がったりと理由は様々だ。
俺なんて特に、運命の番を探している和哉の部屋に行くなんて以ての外。
だから俺は断ろうとした。

「いや…俺達はこの距離がいいかなって…」
「どうして?もし悠が発情期になってもすぐに対処できるよ?だからさ、俺の部屋に越してきてよ」

そこまで言われたらもう断れないよ…。
ただし、俺は条件をつけさせてもらった。

いち、荷物は最低限しか持っていかないこと。
に、発情期近くになったら半同棲する。
さん、和哉が命令したとしても荷物全て持っていくことはない。

その3つを条件付けた。

「…どうして」
「どうしても。これを誓えないのであれば現在と同じでこのままに居させてください」
「……わかったよ」

たっぷり5秒くらい間があったが返答が来た。
そして俺と和哉の半同棲生活が始まった(?)。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。 1日2話ずつ投稿します。

そんなの真実じゃない

イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———? 彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。 ============== 人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。

思い出してしまったのです

月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。 妹のルルだけが特別なのはどうして? 婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの? でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。 愛されないのは当然です。 だって私は…。

美形×平凡の子供の話

めちゅう
BL
 美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか? ────────────────── お読みくださりありがとうございます。 お楽しみいただけましたら幸いです。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

お前が結婚した日、俺も結婚した。

jun
BL
十年付き合った慎吾に、「子供が出来た」と告げられた俺は、翌日同棲していたマンションを出た。 新しい引っ越し先を見つける為に入った不動産屋は、やたらとフレンドリー。 年下の直人、中学の同級生で妻となった志帆、そして別れた恋人の慎吾と妻の美咲、絡まりまくった糸を解すことは出来るのか。そして本田 蓮こと俺が最後に選んだのは・・・。 *現代日本のようでも架空の世界のお話しです。気になる箇所が多々あると思いますが、さら〜っと読んで頂けると有り難いです。 *初回2話、本編書き終わるまでは1日1話、10時投稿となります。

春を拒む【完結】

璃々丸
BL
 日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。 「ケイト君を解放してあげてください!」  大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。  ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。  環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』  そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。  オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。 不定期更新になります。   

成り行き番の溺愛生活

アオ
BL
タイトルそのままです 成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です 始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください オメガバースで独自の設定があるかもです 27歳×16歳のカップルです この小説の世界では法律上大丈夫です  オメガバの世界だからね それでもよければ読んでくださるとうれしいです

処理中です...