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番となる side悠

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番になったからと言って何か変わるわけではない。
他の人と違って俺が無理矢理お願いして番になった。
だからわがままは言わない。
たとえ今別の人と話してて楽しそうにしていても無理矢理割り込むこともなければ嫌だと言う権利もない。
取り敢えず黒いモヤッとしたものが出ないようにする。
これで2年に上がればどうなるか分からない。
だから今から慣れていかないと。

2年まであと1ヶ月。
卒業式の準備で慌ただしくなっている先生達。
ソワソワしている生徒。
何も思っていなさそうに見えて行動が怪しい生徒など…様々な人がいる。
その中でも俺は特にやる事もなく、窓側の席に座り(誰の机だ?これ…)外を眺める。

「ゆ~?な~にしてるの~?」
「梨衣。最近1人だな」
「うん~なんか玲衣は私と一緒にいたいみたいだけどはらっちゃんが~」
「あー、菊原先輩ね……ご愁傷さまです」
「私は1人でも居られるから~」

ニコリと梨衣は笑って俺の前の席に座る。

「ところで~ここ誰の席~?」
「え……分からん…梨衣が分からなかったら俺のがわからんよ」
「そっか~じゃあいないということで~」
「それはやめてあげて」

俺は梨衣と1時間ほど話していた。

「あれ、もうこんな時間?」
「あれ~話しすぎた~ゆ~を家に送ろうではないか~」
「いや、家めちゃくちゃ近いだろ」

2人で顔を見合わせて笑った。
その日は梨衣と一緒に帰った。
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