溺愛オメガバース

一般公開1日目

3

「無理無理っ！やだっ！来ないでぇ！」
皐月は涙目で訴える｡
「いやそれは無理だろ｡早く出ようか」
「しょぉぉ……っ！もっ､やだぁ！」
こんなに怖いとは思わず､入ってみるとそこは地獄｡
生徒がやっているとは思えないほど恐ろしい館｡
寒々とした教室に､真っ暗｡
横から､後ろから､前からお化けが出てくる恐怖｡
「よしよし､落ち着け」
「ひっ！肩になにか触れ…っ」
見ると血だらけの落ち武者｡
「きゃあぁぁぁぁ！」
皐月は驚きすぎて座り込んでしまった｡
「ちょ､皐月大丈夫か？」
落ち武者が立ち去っても立たない皐月に翔は心配した｡
「……立てない」
腰を抜かしてしまい立てなくなってしまったのだ｡
「抱っことおんぶどっちがいい？」
「……抱っこ」
出入り口まで翔の肩に顔をうずめ､見ないようにしていた｡