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しおりを挟む「つまりですね、頭が悪い悪いと言ってたのは、俺が教えてやるっていう意味だったと。それは理解しました。一応」
「一応も何もそれ以外にどんな意味があるというのだ」
分からないから言ってるんですよ!
アルバートは言葉足らずというより、会話がかなり下手な馬鹿だったということでした。
だがそれが分かったくらいで今までの行いを許せると思うなよ!?
私にはまだまだ嫌な記憶がいっぱいあるのだ。
私はどうにか落ち着こうと大きく深呼吸して。
そしてスッと立ち上がる。
同じくアルバートも立ち上がって私を真っ直ぐ見下ろしてきた。
「でも私を醜いとか言ったのは許せません。女性に醜いとか思ってても言いますか、普通?醜い女と一緒に居てもストレスになるだけでしょ、婚約解消です」
「一般的には醜いが、俺にとっては可愛いという意味だが?婚約解消はしない」
「うん、なんか色々ツッコミたいけど置いとくわ。いや置いときます」
また濁点ついた文字言われそうになったので、慌てて言葉遣いを訂正する。
「化粧して着飾っても見るに堪えないんでしょ?」
「そうだな、見とれるのは俺くらいじゃないのか」
「ちょっと待てや、いや待ってください」
もう訂正めんどくさい!めんどくさい男はホント面倒!
「見れるのは、って言いました?」
「見とれるのは、と言ったのだ」
「いやいやいやいや」
見とれるて!
それ、いい言葉ですよね!?
普通の状況で見とれるとか言われたら、ポッと頬赤らめちゃう台詞ですよね!?
「何言ってんですか」
「だが俺の妻となった場合、色々と人の集まる場に出る事も多くなるだろう。お前の化粧姿はちょっと下手すぎるし、ファッションセンスも……何と言うか……メイクと衣装担当変えた方がいいんじゃないのか?」
「そこかい!!」
「あとお前は笑ってる方がいい。黙ってブスっとしてると陰気でブスだ。ブスっとだけに」
「すみません、そこはギャグと解釈して笑うべきなんでしょうか」
アルバートってこんなキャラだっけ!?いつから!?どうして!?私が気付かなかっただけ!?それとも魔女に呪いでもかけられたの!?
「私がブスっとしてるのは、アルバート様がちょっかいかけてきてウザイからです」
「なぜだ」
「自分の胸に聞いてみてください」
そこで素直に自分の胸に手を当てるとか。
何なのこれ、この人馬鹿で天然なの?どうしたらいいのよこれ。
だがしかし!
色々誤解は解けてきたがそれでも何より許せない事件があるのだ。
許せない。思い出しても怒りでフツフツとなる……。
そう、木から落下事件のあれだ!!
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