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しおりを挟む魔女の望みは叶った。
恨みは晴らされた。
次に彼女は願う。
聖女として願う。
この世界に粛清をと。
醜く歪んだ存在は、もう要らない。
汚れ切った魂は、この世界には不要だ。
その願いが精霊王を動かす。
七日間の天災は大地を揺るがし、絶えず雨を降らせ。
全てを洗い流した。
生き延びたのは、世界が存在を許した者たちだけとなった。
けれどと思う。
人は善も悪も不平等に持ち合わせた存在。アンバランスな存在。
きっと簡単に善は悪に、悪は善に変わるだろう。
それでも暫くは平和である事を望み。
人々の幸せを望みながら。
聖女の私はゆっくりと目をスピニスに向けた。
精霊王であり魔王である彼に。
「この世界がまた醜く歪んでしまったら……また助けてくれますか?」
この世界の浄化を、手伝ってくれますか?
そう問えば。
彼はニコリと微笑んでくれた。
「もちろんだとも、愛しい聖女よ。私はキミの望みのままに力を振るおう。きっとキミの魂は何度転生しても均等に善悪を持つだろう。白と黒……私はどちらのキミも愛しいから、キミの願いを叶えるよ」
だがそれはまだまだ先の話。
生き延びた命が世界を再建するまで、まだまだ時間はかかるだろう。
「とりあえず帰ろうか、愛しの魔女よ。我らの家へ」
「ええ、スピニス」
微笑みを絶やさぬ彼に向けて、私も笑みを返す。
人間界に背を向けて、あの森へと私達は帰る。
またいつか、この世界が穢れで支配された時に戻って来るであろうことを予感しつつ。
ニコリと微笑んで彼の手を取った。
その時の私の色は、果たしてどちらだったのか……
~fin.~
===あとがき===
最後までお読みいただきありがとうございました。
ちょっと最後は支離滅裂になってしまって……強引に終わらせたって感じで申し訳ないです。
未熟さを痛感しました。精進します。
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