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第四章 Love And Hate
第113話 サマー・アンセム(3)
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食事中はずっと坂田たちにべったり張り付かれて、楓ちゃんと友紀ちゃんは終始無言。まるで空気のように振る舞っていた。
秋菜はタユユの話でずっと盛り上がっており、なんだか坂田たちと妙に意気投合しているようにさえ見える。
坂田は結局わたしと秋菜の区別がついていないようで秋菜とのお喋りにご機嫌のようだが、結局わたしか秋菜かというのはどうでもいいのだろう。
なんかむかつく気もするが、そこに腹を立てたら負けのようば気がするから気にしないことにしている。
坂田たちの食事が運ばれてきて、さすがに八人分の食事が乗るサイズのテーブルではなかったのでようやくわたしたちの席を離れていった。
かと思えば望遠レンズを構えて何やら連写している。
これはヤバそうなことをおっ始めたなと思っていたら、突然慌てふためいて走り去っていった。
その後に警備スタッフがやってきて彼らの後を追っていった。
彼らがさった後のテーブルの上には律儀に食事代らしきお金が置かれていたが、そういうところはちゃんとしてるんだな。他のことももっとちゃんとしてくれよ、まったく。
それにしても普段運動とは無縁そうな彼らだが、逃げ足の早かったこと早かったこと……。
「ふぅー。ヤバいね、あの人ら。写真撮り始めたから店員さんに言って警備に通報してもらっといた」
うわ、いつの間にか秋菜が通報してたのか。
あんなに盛り上がってたくせに容赦ないなぁー。
「結構楽しくお話できたけど、さすがに限度超えてまで好き勝手させるわけにはいかないでしょ。無断撮影は下手したら犯罪だしね」
「さすが秋菜。行動力が容赦ないレベル」
楓ちゃんがようやく通常レベルに回復したようだ。
「坂田たち……引くわぁ……」
友紀ちゃんも回復したようだ。人ごとのように言ってるが、わたしはあんたにも十分引いてるからな。
このエロ男爵が。
その後もしばらくトロピカルドリンクを飲んだりしながらお喋りしたりグループ自撮りしたりと夏休みのJKらしく楽しんだ。
アホの坂田たちは逃げ果せたのだろうかなどという心配は心の片隅にすら浮かぶことなく……。
ランチタイムも楽しんだし、今度はジャグジーへとやってきた。
別棟に温泉施設もあるのだが、このジャグジーは流れるプールの敷地に数カ所設置されているもので、水着のまま入るようになっている温めの風呂だ。
そこそこの広さがあるのに何故だか四人が密着している。
友紀ちゃんが両脇にわたしと秋菜を配置してニマニマしている。
「ふっふぅ。両手に花じゃわい」
「友紀、おっさんじゃん」
友紀ちゃんのアレな発言に秋菜も呆れている。
「そして太ももさわさわするのやめぃっ!」
友紀ちゃんも相変わらずブレないなぁ。
無視してたら調子に乗ってどんどん内腿をさわさわしてくるからなぁ、コイツは。
秋菜に応酬されてバシャバシャ暴れまわっている。
他のお客さんがいないのは幸いだったけど、頭から水飛沫を被るのでやるならもっと大人しくやってほしい。
すぐ脇の流れるプールに目をやれば、朧さんが浮き輪の中でかき氷を食べながらぷかーっと呑気に流れていた。
うん、平和だ……。
「ねえねえ。花火大会も一緒行く?」
楓ちゃんが弾んだように言う。
花火大会かぁ。
考えたら女の子同士でこんなに遊べるなんて、中学時代の自分なら考えられなかったことだ。
そりゃ男だったからな。ははは。
「おー、花火大会かぁ。いいねいいねぇ。秋菜たちはどう?」
「うーん、友紀のセクハラがあるからなぁ……」
「ちょっと秋菜。人聞きの悪いっ! それじゃあまるでわたしの愛情表現がセクハラみたいに聞こえるじゃん!」
「…………」
返す言葉すらない三人の呆れた目が友紀ちゃんに向けられる。
「どの口が言うかなぁ」
「夏葉ちゃん……今までわたしのフィンガーテクで散々いい思いをしてきたでしょうが?! 何よその言い方は! 酷くない!?」
「酷くないわっ! 一回もいい思いなんてしたことないしっ!」
まったく。なぁにがフィンガーテクよ。
エロ馬鹿が。
「んじゃあ、楓のお墨付きのわたしのフィンガーテク、試してみる?」
「っ!?」
急激に頬を赤らめる楓ちゃんを尻目に、秋菜の馬鹿が友紀ちゃんの背後に回ったかと思うや否やいつの間にやら友紀ちゃんへの一方的なセクハラが始まっていた。
なんだろう……まさか秋菜……そっちの道に目覚めたわけじゃないよね……?
いや別にどっちの道でもいいんだけど、このままだとなんだか周りの性がバリエーション豊富過ぎて少し不安になる。
今のところBLは見かけないが、それはなさそうだな。
楓ちゃんは両手で顔を覆いつつもちゃっかり指の隙間からガン見している。
すっかり興味津々かよ。秋菜のがよっぽどよかったのかな……。
っておいおいっ!
うっかり想像してしまったけど、お互い普通に美容のためのおっぱいマッサージし合ったりしたけど、別にえろい感じは全然なかったし。
だけどなんで友紀ちゃんがこんなに恍惚とした表情に……?
うぅむ……秋菜のフィンガーテク……謎だ。
てか楓ちゃんっ!? 太ももをもぞもぞしないっ!
友人がそんな風になってるの見せられたらこっちが恥ずかしい気分になるからっ!
「うぅーん。もしかしたらわたしってとんでもない才能があるのかも……夏葉ちゃんにも今晩試してみようっと!」
「はぁっ? 絶対やめなさいよねっ!? ダメだからねっ!? ホントにとんでもないわっ」
自分の両手をしげしげと眺めている秋菜の隣で、友紀ちゃんはすっかり果てていた……。
あーーーっ、もぉっ! わたしの周りは変態だらけかっ。
秋菜はタユユの話でずっと盛り上がっており、なんだか坂田たちと妙に意気投合しているようにさえ見える。
坂田は結局わたしと秋菜の区別がついていないようで秋菜とのお喋りにご機嫌のようだが、結局わたしか秋菜かというのはどうでもいいのだろう。
なんかむかつく気もするが、そこに腹を立てたら負けのようば気がするから気にしないことにしている。
坂田たちの食事が運ばれてきて、さすがに八人分の食事が乗るサイズのテーブルではなかったのでようやくわたしたちの席を離れていった。
かと思えば望遠レンズを構えて何やら連写している。
これはヤバそうなことをおっ始めたなと思っていたら、突然慌てふためいて走り去っていった。
その後に警備スタッフがやってきて彼らの後を追っていった。
彼らがさった後のテーブルの上には律儀に食事代らしきお金が置かれていたが、そういうところはちゃんとしてるんだな。他のことももっとちゃんとしてくれよ、まったく。
それにしても普段運動とは無縁そうな彼らだが、逃げ足の早かったこと早かったこと……。
「ふぅー。ヤバいね、あの人ら。写真撮り始めたから店員さんに言って警備に通報してもらっといた」
うわ、いつの間にか秋菜が通報してたのか。
あんなに盛り上がってたくせに容赦ないなぁー。
「結構楽しくお話できたけど、さすがに限度超えてまで好き勝手させるわけにはいかないでしょ。無断撮影は下手したら犯罪だしね」
「さすが秋菜。行動力が容赦ないレベル」
楓ちゃんがようやく通常レベルに回復したようだ。
「坂田たち……引くわぁ……」
友紀ちゃんも回復したようだ。人ごとのように言ってるが、わたしはあんたにも十分引いてるからな。
このエロ男爵が。
その後もしばらくトロピカルドリンクを飲んだりしながらお喋りしたりグループ自撮りしたりと夏休みのJKらしく楽しんだ。
アホの坂田たちは逃げ果せたのだろうかなどという心配は心の片隅にすら浮かぶことなく……。
ランチタイムも楽しんだし、今度はジャグジーへとやってきた。
別棟に温泉施設もあるのだが、このジャグジーは流れるプールの敷地に数カ所設置されているもので、水着のまま入るようになっている温めの風呂だ。
そこそこの広さがあるのに何故だか四人が密着している。
友紀ちゃんが両脇にわたしと秋菜を配置してニマニマしている。
「ふっふぅ。両手に花じゃわい」
「友紀、おっさんじゃん」
友紀ちゃんのアレな発言に秋菜も呆れている。
「そして太ももさわさわするのやめぃっ!」
友紀ちゃんも相変わらずブレないなぁ。
無視してたら調子に乗ってどんどん内腿をさわさわしてくるからなぁ、コイツは。
秋菜に応酬されてバシャバシャ暴れまわっている。
他のお客さんがいないのは幸いだったけど、頭から水飛沫を被るのでやるならもっと大人しくやってほしい。
すぐ脇の流れるプールに目をやれば、朧さんが浮き輪の中でかき氷を食べながらぷかーっと呑気に流れていた。
うん、平和だ……。
「ねえねえ。花火大会も一緒行く?」
楓ちゃんが弾んだように言う。
花火大会かぁ。
考えたら女の子同士でこんなに遊べるなんて、中学時代の自分なら考えられなかったことだ。
そりゃ男だったからな。ははは。
「おー、花火大会かぁ。いいねいいねぇ。秋菜たちはどう?」
「うーん、友紀のセクハラがあるからなぁ……」
「ちょっと秋菜。人聞きの悪いっ! それじゃあまるでわたしの愛情表現がセクハラみたいに聞こえるじゃん!」
「…………」
返す言葉すらない三人の呆れた目が友紀ちゃんに向けられる。
「どの口が言うかなぁ」
「夏葉ちゃん……今までわたしのフィンガーテクで散々いい思いをしてきたでしょうが?! 何よその言い方は! 酷くない!?」
「酷くないわっ! 一回もいい思いなんてしたことないしっ!」
まったく。なぁにがフィンガーテクよ。
エロ馬鹿が。
「んじゃあ、楓のお墨付きのわたしのフィンガーテク、試してみる?」
「っ!?」
急激に頬を赤らめる楓ちゃんを尻目に、秋菜の馬鹿が友紀ちゃんの背後に回ったかと思うや否やいつの間にやら友紀ちゃんへの一方的なセクハラが始まっていた。
なんだろう……まさか秋菜……そっちの道に目覚めたわけじゃないよね……?
いや別にどっちの道でもいいんだけど、このままだとなんだか周りの性がバリエーション豊富過ぎて少し不安になる。
今のところBLは見かけないが、それはなさそうだな。
楓ちゃんは両手で顔を覆いつつもちゃっかり指の隙間からガン見している。
すっかり興味津々かよ。秋菜のがよっぽどよかったのかな……。
っておいおいっ!
うっかり想像してしまったけど、お互い普通に美容のためのおっぱいマッサージし合ったりしたけど、別にえろい感じは全然なかったし。
だけどなんで友紀ちゃんがこんなに恍惚とした表情に……?
うぅむ……秋菜のフィンガーテク……謎だ。
てか楓ちゃんっ!? 太ももをもぞもぞしないっ!
友人がそんな風になってるの見せられたらこっちが恥ずかしい気分になるからっ!
「うぅーん。もしかしたらわたしってとんでもない才能があるのかも……夏葉ちゃんにも今晩試してみようっと!」
「はぁっ? 絶対やめなさいよねっ!? ダメだからねっ!? ホントにとんでもないわっ」
自分の両手をしげしげと眺めている秋菜の隣で、友紀ちゃんはすっかり果てていた……。
あーーーっ、もぉっ! わたしの周りは変態だらけかっ。
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