【R18】夜のショタカフェへようこそ!〜僕は愛する人に身請けされる〜

玄野クロ(星屑灯)

文字の大きさ
上 下
31 / 62
お店の裏側

【夜】知らなかったこと@オトナの威厳

しおりを挟む

 「……なるほど。教育的指導、と――」
「そうそう。今時の子は、そういうの知らないでしょ? 大人のこと舐めてるし。だから、こういう時にガツンと――あ――?」

 一瞬、トリカイが大きく目を見開いた。

「……う……気持ち、わる……」
「トリカイ様!? 大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫、なわけ……あ、る……」
「トリカイ様!?」
「あ――」

 ガタン、と前のテーブルに突っ伏す形でトリカイが倒れ込む。

「……トリカイ様」

 店長は声をかけた。しかし、トリカイの返事はない。身体を揺すってみたが、同じようになんの反応もなかった。

「……すー……すー……すー……すー……」

 静かに寝息を立てている。

「……つったく。失礼なのはどっちなんだか」

 店長は呆れた顔をしてトリカイを見た。

「誰がやる? 部屋送り」
「あ、オレ良いっすか?」
「お、ハヤトがやりたいなんて珍しいな」

 ハヤトと呼ばれた、オレンジ色の短髪で筋肉質な青年が、ポリポリと頬を掻きながら笑った。

「いやー、ウミは弟みたいで。放っておけないんすよね。だから、今日のは結構腹が立ったって言うか」
「わかる。というか、この店のキャストにルール違反する奴らは基本許せない」
「それな」
「なので、自分も良いですかね? 店長」
「あぁ、構わねぇよ」

 もう一人、手を挙げた男性。サラサラしたクレーがかった少し長めの髪の毛を、後ろで一つにまとめている。どちらかといえば細身に見える彼は、名をキナリと言った。

「……お前らコンビか。えげつねぇな」
「そんなことないですよ!?」
「……まぁ、否定はしない……」
「しろよ!?」

 トリカイの扱いを楽しむかのように、二人は言葉を重ねた。

「……あ。そういや、今回ってリクエストあるんすか? 先に挙手制だったから、ないかなって思ったんすけど」
「流石にまだ、リクエストがくるには早くないか?」
「いやーでも、トリカイ結構早めに調教部屋の話挙がってたからさ。有り得るかなと思って」
「……鋭いなハヤト。あるにはある。『生意気さを残したまま、快楽を叩き込んでほしい。意識の状態は問わない』そうだ」
「うへー、悪趣味ー。アレ使って良いって意味だろ?」
「……トリカイもご愁傷様、だな」
「群がってきそうだもんなぁ、その設定」
「自分もそう思う」
「顔も悪くないし、体格も結構いいだろ? あー可哀想だねぇ……」
「……ハヤト、顔が笑ってるぞ」
「ついつい」

 既に男の運命は決まっていた。調教部屋を出ても、明るい未来はないだろう。──万が一にも、ユキトのような愛情と優しさから、善意で手を差し伸べてくれる人がいない限り。

「いつからやれば良いんす?」
「……そうだな、早い方が良いだろう。明朝から早速頼む」
「りょーかいっす」
「承知しました」
「あ、あの……!」
「ん? どうした? イツキ」
「ぼ、僕も……参加して良いでしょうか……?」

 おずおずと右手を挙げる、眼鏡かけた青年。ふんわりと柔らかい、ピンクベージュの癖っ毛を耳にかけて、申し訳なさそうに会話に入った。

「あぁ、良いぞ。お前なら……まぁ、元には戻れねぇだろうな、お前ら三人相手に」
「お、オレ、イツキちゃんと組むの初めて!」
「自分もだ」
「よ、宜しくお願いします……」
「見事に被らねぇな、お前らの趣味。……良いか、今回は盛れるだけ盛るんだ。三人で徹底的にやってくれ」

 店長の言葉に三人は頷くと、トリカイを抱えて部屋を出て行った。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

処理中です...