6 / 62
よるのおしごと
*【夜】アヤの出勤@変わった告白
しおりを挟む「……行っちまった……。こりゃ一体、どうすれば良いんだ……?」
“ユキトさんが困惑している。……僕が、お手伝いした方がいいのかな……?”
「あの、メニューに色々書いてあるので……き、気になるものがあれば、はは」
「あ、いや、なんかごめん。……こういうお店には来たことないから、どうしていいかわかんなくて。と、取り敢えず座って?」
「はい、失礼します」
アヤは誘われた通りユキトの隣に腰かけた。
「服か、服……取り敢えず、シャツでも着るか? すみません! この【シャツ】をお願いします」
黒服の男が、ペコリと頭を下げて、部屋から出る。暫くして持ってきたシャツを、ユキトに渡した。
「これ、着ときなよ」
「あ、有り難うございます……」
貰ったシャツに手を通す。出て着たのは男性用のワイシャツ、丈が長く、袖はぶかぶかだった。
「……ここ、普通の服は、ない、かな、あ、あはは……」
頭を抱えるユキトにアヤが言う。
「でも、ありがとうございます。大きな声では言えないですが、あまりこの、ほとんど何もない状態は落ち着かなくて……」
「……そりゃそうだよな……服……っていうか布だろほぼ……」
なにせ、肌に接する布が圧倒的に少ない。接客を含むお店という場所でその格好は、全く落ち着かなかったのだ。
「……なぁ、アヤ、で良いか?」
「はい、構いません」
「アヤ、昼間もここのカフェで働いているだろ?」
「えっ……? 知ってたんですか?」
「あぁ、外から見かけて。店に入ったことはないけど」
アヤのことを店の外からたまたま見かけて、飲み会で盛大に酔っ払った先輩に、この店の夜の話を聞いたらしい。そして、今回意を決してついてきた、と。
「……正直、一目惚れだった」
「……は?」
“しまった……! 『は?』なんて、とてもじゃないけど失礼だよね……”
それくらい驚いたのだ。いきなりこんなことを言われるなんて思ってもみなかったから。
「あー……。えーっと……。悪ィ。いきなりなんだ……って思うよな」
「こちらこそごめんなさい……。そんなこと言われたこと無いから、ビックリしてしまって……その……」
「いや、俺が悪かった。……変な奴だと思われるかもしれないが、一目見て好きになった」
「え……っと。あ、ありがとうございます……?」
「俺は男だ。アヤと同じ。……叶えられる恋じゃないなら、せめて、この店にいる時だけでも、恋人気分を味わいたい」
「ユ、ユキトさん……?」
この店で、性行為に至るまでの、ハグ、キスの行為は全てフリーとなっている。
更にオプションとして、好みのモノを色々とつけることで、お客さんはこの夜のお店をより一層楽しむのだ。いくら危険行為は止めに入ると言えど。
――基本的に、僕らに拒否権はない。
「んっ……」
ユキトはアヤにキスをする。ゆっくりと唇を舌でこじ開け、中へ深く侵入していく。
「んっ……うっ……んん……」
時々アヤの口元から吐息が漏れる。
アヤにとってユキトとのキスは、今までにない程心地の良いものだった。
0
お気に入りに追加
584
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる