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休息と仕事
【夜】歓迎致します
しおりを挟む店長の言う通り、既に大方の準備は整っていた。特に追加ですることもなく、自分があの制服で出勤している時のことを思い出しながら、不足がないかを確認していった。
"大丈夫かな、あの二人……"
初めての夜の出勤ということもあり、アヤは二人のことが心配だった。
アヤの心配とは裏腹に、他の黒服達は淡々と仕事をこなしてゆく。その動きに無駄はなかった。そしてあっという間に、二人の歓迎会の時間となった。
続々と部屋にお客が通される。どうも、歓迎会に招かれる人間は、事前に抽選で選ばれるらしい。漏れれば入場することは出来ないし、当選すれば参加することが出来る。
一、ニ、三……と、なんとなく横目で人数を数えてみる。どうやら二十名ほど居るようだ。普段お店で見るお客の数よりも、もしかしたら多いかもしれない。全員が男性であり、年齢にはバラツキがあるものの、当然ながらみな【大人】であった。
最後の一人が入った後、パタン、と扉が閉まる。薄暗い店内、お客は案内された席へ着く。
一瞬、辺りが静寂に包まれると、見計らったようにドリンクがテーブルへとサーブされた。
そして、別の扉が開く。ライトの当たるそこに立つのは店長。
「皆様、ようこそいらっしゃいました。今晩はどうぞ、存分にお楽しみください。新たに二人を加えて、賑やかになります、このカフェを、今後とも宜しくお願い致します」
そう言って店長は深々と頭を下げた。お客達は、拍手をしてそれを受け入れる。
「ご紹介しますのは、『モエ』と『ウミ』のニ人。どちらもタイプが異なります。是非、盛大な拍手でお迎えください」
店長は横に逸れると、後続に場所を譲った。そこに見えるは、たった今紹介されたモエとウミの二人。
少し俯き加減で、手のひらをギュッと握り、おずおずと前へと進んだ。
「……?」
少し、様子がおかしい。色の黒いウミは分かりづらいが、モエの方は心なしか肌が赤い気がする。なんというか、高揚した、赤。
ライトのせいかもしれないが、比較的近い位置で二人を出迎えたアヤは、そのまま彼らを見つめる。
息遣いも荒く、フゥフゥ、という呼吸音が聞こえてきそうだった。
“あぁ、そうか──”
何より、可愛らしい体型に似合わぬ、その下半身で主張するソレ、が、二人の異変を物語っていた。
たまに使われる、合法なのか、非合法なのか、中身もよくわからない、ただ気持ちよくなる薬。恐らく、それを飲まされたのだろう。
ソレの先端から、透明な液が裏筋を伝いながら、ぎこちなく流れていく。
「……なかなか可愛らしい二人じゃないか」
「どちらも良い意味でタイプが違うな」
「これはまた……」
「今日のこの歓迎会に参加出来るとは。運が良かった」
「いやぁ、楽しめそうだ」
招かれた者達は、思い思いの言葉を口にする。
「ここに、台を」
店長の言葉に、二人の後ろから、黒服を着た人間が現れる。
「ふぅ……」
「んんっ……」
二人を担ぎ上げると、更に後ろから来た黒服が引く、拘束具のついたイスのような台に乗せていった。
慣れた手つきで二人を拘束する。終わるとそこには、脚をM字のように大きく開かれたまま固定されたモエとウミが現れた。上半身は背もたれを少し倒したイスに座って居るみたいに、斜めにお客さん達の方を向いている。手は拘束されていない。
「あっ……ああ……」
「や……こわ……い……」
そう弱々しく口にする二人。その言葉とは反する様に、力強く、ピクピクと反り勃つモノからは、まだ透明な液体が溢れるほどに流れていた。
「それでは皆様、この二人の【歓迎会】を始めたいと思います」
店長の一言とともに、歓迎会の幕が開けた。
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