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Chapter 1.極悪鬼畜研究所で絶体絶命の貞操危機
1-04 淫らな格好で品定めされる俺
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性的娯楽の対象として売りに出された俺は、あの恥ずかしい「凌辱リクライニングチェア装置(別名/アヘアヘ椅子など複数あり・正式名称/お披露目椅子」に拘束されて、金持ち客たちの視線に晒されていた。
もう何度目だろうか。
不幸中の幸いというべきか、はたまた悪夢続行というべきか、とにかくまだ俺を性奴隷として飼おうとしている奴はいないらしく、俺は毎日こうしてお披露目アヘアヘ椅子で屈辱を受けている。
今日も目隠しをさせられているので客たちの様子は見えないが、その絡みつくようなべとべとしたいやらしい視線は、肌にまとわりつくように俺の元に届いてくる。男性客の荒い息はもちろん、勃起しているだろう気配まで感じられ、女性客の嘲笑の混じった淫靡な声も聞こえてきた。
「独特な雰囲気の子ね。うふふ……他の子と一緒に2体買って、絡ませてみたら面白いかも」
「美しいとは言えないが、これはこれでなかなか、他のとは違う魅力があるな。髪の色が気に入らないが……染めてしまえばいいか……ピンク色に」
「ピンク色?! やめてくれ、冗談じゃない!! 絶対嫌だ!!」
俺がそう叫ぶと、客たちが驚いて「まあ、この子、まるで言葉をしゃべってるみたいに鳴くのね!」と感想を漏らし、研究所のスタッフと思われる声がそれに答えた。
「お客様、こちらの個体は大変珍しく、とても賢いんですよ。ニンゲンのほとんどは、幼児ほどの知能しかないと言われていますが、こちらの個体は違います。私どもの言葉にもよく反応しますし、なんと文字と思われる謎の記号や、絵も描いたりするんです。外見の華やかさは少々控えめですが、お傍に置けば、退屈なさらないかと」
な~にが、退屈、なさらない、だっ!! 外見に華が無くて悪かったな!
「確かに、退屈、しないだろうなぁ……。この悩まし気な雰囲気……ハアハアハア……いいね、この子、そそられる。たまらないなぁ……あの小さな穴に……俺の、入るかな? 二本同時に?」
うげっ!! 冗談じゃない、絶対嫌だ!!
この客……トカゲ男じゃないか?! この世界の人種は、種族ごとに似通った声をしてる。このくぐもった甲高い声の特徴は、飼育係にもいるトカゲ男の声に似てる。トカゲのペニスって、確か二本あるんだよな?! 嘘だろ、勘弁してくれぇ!
「ご安心ください、お客様。こちら、各種族のお客様にご満足いただけるよう、快感スポットの増強付与、拡張と腸壁の強化処置を施術済みです。ですが、ニンゲンは壊れやすいので、もちろん乱暴はお控えいただき、大切に扱っていただきますようお願いいたします。また、長く愛でていただけるよう、随時メンテナンスも承りますので、ご利用くださいませ」
「お試しは、できるかい? 体の相性を買う前に知っておきたいんだが……」
ゾッ……。ゾゾゾゾゾゾッ……!!!!
快感スポット増強? 拡張? 強化処置? いつの間に、そんなものを?! この体、改造されてんの?!
あまりにも気持ち悪くて、吐きそうだ。
「お客様、大変申し訳ございませんが、衛生的な観点から、ご購入前のお試しや返品・交換は一切お受けできません」
お試し?! 返品?! 交換?!
何だよそれ?! よってたかって俺を商品扱いしやがって、俺に人権はないのか?!
うううう、くそっ……! 嫌だ、嫌だ、嫌だ!! 嫌でたまらない!
もう、絶望しかない。
動物人間に買われて毎日弄られる人生なんか、まっぴらごめんだ。ケモノ女に無理やりイカされ嘲笑されるのもゾッとするし、変態トカゲ男に買われて異形ペニスに毎日掘られる生活かもしれないと思うと、もう今すぐ死んでしまった方がマシだ。
みじめで、恐ろしくて、悲しくて、苦しくて、逃げ出したくてたまらない。
日本での不幸な暮らし、あの労働地獄に戻りたいとすら、思ってしまうほど、俺の精神状態は逼迫していた。無理やり射精させられて汁をまき散らす下半身と呼応するかのように、目からは涙があふれ出し、全身からは嫌な汗が噴き出す。ついでに嘔吐しそうになってきた。
「う、うぐぅっ……!」
「キャッ、この子、吐きそうじゃない? やだ、具合悪そうだわ! 病気じゃないの?」
慌てて遠ざかる客たち、そして飼育係と思われる者が近づいてくる気配。
俺はことさらに気分の悪さをアピールして、大げさに呻いてみせた。その甲斐あって、俺は客の前から下げられ、その日は休養することになった。
飼育係たちは俺の体温を測ったり得体のしれない道具で触診したりしたのち、薬を飲ませて去って行った。俺は奴らがいなくなると、飲んだふりをした薬を口から吐き出して、部屋の隅に設けてある洗面台に流してやった。
「くそっ、得体のしれないものを飲ませやがって……。これも、どんな毒が含まれているのかわかったもんじゃないぞ……」
それというのも、あの「凌辱アヘアヘ椅子」に拘束される少し前に、いつも決まって飲まされるものがあり、どうやらそれは媚薬の類のようなのだ。
凌辱ショーの間は、いつも体が火照って息が上がり、少しの刺激で肌が粟立ち、ビクビクと痙攣してしまう。もちろんすぐ勃起してしまうし、射精した後も復活が早い。
最初の頃はあの装置による刺激がパネェからあんなにイキ狂ってしまうのかと思っていたが、そのうちそれだけじゃないことに気付いた。
あのショーの度に、異様な高揚感が体を襲うのは、絶対おかしい。
だから多分あれは、媚薬ってやつだ。今まで媚薬なんて飲んだことがないから知らんけど、絶対そうだ。
おおかた飼育係は上からの命令を受けて、凌辱ショーで晒し者にするニンゲンに、一服盛っているのだろう。変態客の興味を引いて、高値で売るために。
その媚薬(ほぼ確定)は、液状で、甘くて爽やかな酸味があり、俺は初めて飲んだ時、ジュースだと思い込んでた。美味しいので喜んで飲んでいた自分が、愚かで悲しくて腹が立つ。
この一件から、俺は与えられた食べ物や飲み物に不信感を持つようになった。
このニンゲン研究所は、やばいぞ。相当やばい。
くそぉ……どうやったら、ここから逃げられるんだ?
窓は無いし、扉は常に施錠されてるし、飼育係の隙を見つけて外の廊下に脱出しても、すぐ誰かに見つかって連れ戻されてしまう。
まあ、こんな得体のしれない世界だ、外に脱出できたとしても、無事に生きていける可能性は皆無だろう。
ここに来て、もう3週間は経っている。
俺の絶望感は日に日に募っていった。
そして翌日のこと。
様子が、いつもと違った。
もう何度目だろうか。
不幸中の幸いというべきか、はたまた悪夢続行というべきか、とにかくまだ俺を性奴隷として飼おうとしている奴はいないらしく、俺は毎日こうしてお披露目アヘアヘ椅子で屈辱を受けている。
今日も目隠しをさせられているので客たちの様子は見えないが、その絡みつくようなべとべとしたいやらしい視線は、肌にまとわりつくように俺の元に届いてくる。男性客の荒い息はもちろん、勃起しているだろう気配まで感じられ、女性客の嘲笑の混じった淫靡な声も聞こえてきた。
「独特な雰囲気の子ね。うふふ……他の子と一緒に2体買って、絡ませてみたら面白いかも」
「美しいとは言えないが、これはこれでなかなか、他のとは違う魅力があるな。髪の色が気に入らないが……染めてしまえばいいか……ピンク色に」
「ピンク色?! やめてくれ、冗談じゃない!! 絶対嫌だ!!」
俺がそう叫ぶと、客たちが驚いて「まあ、この子、まるで言葉をしゃべってるみたいに鳴くのね!」と感想を漏らし、研究所のスタッフと思われる声がそれに答えた。
「お客様、こちらの個体は大変珍しく、とても賢いんですよ。ニンゲンのほとんどは、幼児ほどの知能しかないと言われていますが、こちらの個体は違います。私どもの言葉にもよく反応しますし、なんと文字と思われる謎の記号や、絵も描いたりするんです。外見の華やかさは少々控えめですが、お傍に置けば、退屈なさらないかと」
な~にが、退屈、なさらない、だっ!! 外見に華が無くて悪かったな!
「確かに、退屈、しないだろうなぁ……。この悩まし気な雰囲気……ハアハアハア……いいね、この子、そそられる。たまらないなぁ……あの小さな穴に……俺の、入るかな? 二本同時に?」
うげっ!! 冗談じゃない、絶対嫌だ!!
この客……トカゲ男じゃないか?! この世界の人種は、種族ごとに似通った声をしてる。このくぐもった甲高い声の特徴は、飼育係にもいるトカゲ男の声に似てる。トカゲのペニスって、確か二本あるんだよな?! 嘘だろ、勘弁してくれぇ!
「ご安心ください、お客様。こちら、各種族のお客様にご満足いただけるよう、快感スポットの増強付与、拡張と腸壁の強化処置を施術済みです。ですが、ニンゲンは壊れやすいので、もちろん乱暴はお控えいただき、大切に扱っていただきますようお願いいたします。また、長く愛でていただけるよう、随時メンテナンスも承りますので、ご利用くださいませ」
「お試しは、できるかい? 体の相性を買う前に知っておきたいんだが……」
ゾッ……。ゾゾゾゾゾゾッ……!!!!
快感スポット増強? 拡張? 強化処置? いつの間に、そんなものを?! この体、改造されてんの?!
あまりにも気持ち悪くて、吐きそうだ。
「お客様、大変申し訳ございませんが、衛生的な観点から、ご購入前のお試しや返品・交換は一切お受けできません」
お試し?! 返品?! 交換?!
何だよそれ?! よってたかって俺を商品扱いしやがって、俺に人権はないのか?!
うううう、くそっ……! 嫌だ、嫌だ、嫌だ!! 嫌でたまらない!
もう、絶望しかない。
動物人間に買われて毎日弄られる人生なんか、まっぴらごめんだ。ケモノ女に無理やりイカされ嘲笑されるのもゾッとするし、変態トカゲ男に買われて異形ペニスに毎日掘られる生活かもしれないと思うと、もう今すぐ死んでしまった方がマシだ。
みじめで、恐ろしくて、悲しくて、苦しくて、逃げ出したくてたまらない。
日本での不幸な暮らし、あの労働地獄に戻りたいとすら、思ってしまうほど、俺の精神状態は逼迫していた。無理やり射精させられて汁をまき散らす下半身と呼応するかのように、目からは涙があふれ出し、全身からは嫌な汗が噴き出す。ついでに嘔吐しそうになってきた。
「う、うぐぅっ……!」
「キャッ、この子、吐きそうじゃない? やだ、具合悪そうだわ! 病気じゃないの?」
慌てて遠ざかる客たち、そして飼育係と思われる者が近づいてくる気配。
俺はことさらに気分の悪さをアピールして、大げさに呻いてみせた。その甲斐あって、俺は客の前から下げられ、その日は休養することになった。
飼育係たちは俺の体温を測ったり得体のしれない道具で触診したりしたのち、薬を飲ませて去って行った。俺は奴らがいなくなると、飲んだふりをした薬を口から吐き出して、部屋の隅に設けてある洗面台に流してやった。
「くそっ、得体のしれないものを飲ませやがって……。これも、どんな毒が含まれているのかわかったもんじゃないぞ……」
それというのも、あの「凌辱アヘアヘ椅子」に拘束される少し前に、いつも決まって飲まされるものがあり、どうやらそれは媚薬の類のようなのだ。
凌辱ショーの間は、いつも体が火照って息が上がり、少しの刺激で肌が粟立ち、ビクビクと痙攣してしまう。もちろんすぐ勃起してしまうし、射精した後も復活が早い。
最初の頃はあの装置による刺激がパネェからあんなにイキ狂ってしまうのかと思っていたが、そのうちそれだけじゃないことに気付いた。
あのショーの度に、異様な高揚感が体を襲うのは、絶対おかしい。
だから多分あれは、媚薬ってやつだ。今まで媚薬なんて飲んだことがないから知らんけど、絶対そうだ。
おおかた飼育係は上からの命令を受けて、凌辱ショーで晒し者にするニンゲンに、一服盛っているのだろう。変態客の興味を引いて、高値で売るために。
その媚薬(ほぼ確定)は、液状で、甘くて爽やかな酸味があり、俺は初めて飲んだ時、ジュースだと思い込んでた。美味しいので喜んで飲んでいた自分が、愚かで悲しくて腹が立つ。
この一件から、俺は与えられた食べ物や飲み物に不信感を持つようになった。
このニンゲン研究所は、やばいぞ。相当やばい。
くそぉ……どうやったら、ここから逃げられるんだ?
窓は無いし、扉は常に施錠されてるし、飼育係の隙を見つけて外の廊下に脱出しても、すぐ誰かに見つかって連れ戻されてしまう。
まあ、こんな得体のしれない世界だ、外に脱出できたとしても、無事に生きていける可能性は皆無だろう。
ここに来て、もう3週間は経っている。
俺の絶望感は日に日に募っていった。
そして翌日のこと。
様子が、いつもと違った。
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