幻想彼氏

たいよう一花

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Act 3

14. 絡まり繋がり求めあう、夜 2

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「う、う、ああぅ……ッ!」

皓一は喘ぎながら湯の中に精液をまき散らし、ビクビクと体を震わせている。その快感を、真也は共有していた。皓一の絶頂は真也の脳に影響を及ぼし、その荒波のような快感を強制的に浴び、受け取っていたのである。それに加え、射精と同時にひときわ美しく輝いた皓一の個体紋が、真也の超感覚を甘美かつ陶酔的な快感で包み込む。
強烈なそられの刺激に触発され、真也は思わず子種を皓一の口に向かって放出してしまった。ねっとりとしたゼリー状の鞘に包まれた小さな粒状の子種が、いくつも連なって真也の交接器から溢れ出し、その大半は皓一の口から溢れて湯の中に落ちていった。しかしほんの一部だったが、それは開け放たれた皓一の口から喉に流れ込んだ。

「んぐッ……」

「!! しまった……! すまん、皓一! 吐き出せ!」

我に返った真也は自分の失態に少なからず動揺し、皓一の頬を両手で挟み込んで言った。

「大丈夫か、皓一……。悪かった、興奮して……コントロールできなかった……」

皓一は口を拭いながら喘ぎ、乱れた息の合間に言った。

「くはっ……はあ、はあ……吐き出せってもう無理、今の何?! すごくいい匂いだったけど……。あ、あ、あ……!!」

皓一は体の内側から沸き起こってくるような欲情に翻弄され、喘ぎながら体をくねらせた。イッたばかりの皓一の男根は再び精力を盛り返し、ビンビンに勃起している。
番の相手の分泌液をいい匂いと感じ興奮するのは、真也の種族では当たり前のことだったが、地球人の皓一が同じ反応を示すとは思わず、真也は嬉しい驚きに震えていた。
一方、皓一は体中が性器になったような感覚を覚え、這いまわる触手や真也の手が触れてきただけで、肌を粟立たせて快感にびくびくと体中を痙攣させている。

「うああ……あ、あ……! なんか変、体が変だ! ううッ、やめ、やめ、真也、触手でこするの、やめてくれ! イク、またイッ……!!」

真也の腕が皓一の首筋に触れ、触手が陰部をわずかに掠っただけで、皓一は絶頂して再び勢いよく射精した。強い快感に浸り息を乱す皓一の姿を視姦しながら、真也もまた快楽の只中にあった。交接器の先端に子種が上ってゆくのを感じ、コントロールするのを諦めて、湯の中にそれを放出する。

「ああ……皓一、皓一……愛してる!」

そう叫びながら真也は、人の姿の腕を皓一の背中に回しギュッと抱擁しながら、うっとりと皓一の快感の波長を味わった。
皓一もまたその抱擁に応え、筋肉のがっつり付いた真也の背中に腕を回し、逞しい胸に頭をすり寄せる。そして荒い息の合間に途切れ途切れ、言葉を紡いだ。

「……俺、なんかおかしい……。体中が熱いし、ぞわぞわするし、ふわふわするし……アレがなんか……すごく疼く。もしかしておまえの精子って……俺には毒……? だから吐き出せって言ったのか?」

「いや、安心しろ皓一、毒ではない。ただおまえが気持ち悪いだろうと思って、吐き出せと言っただけだ」

真也は、皓一と番になりたいとはっきりと自覚した際に、自分の触手から分泌される粘液や子種の類が皓一に悪影響を与えることを心配して、かなり念入りに調査していた。
それによると皓一の健康に害を為す成分はなく、むしろ強壮作用があることを知ったのだ。それを思い出し、実際に皓一の性的な反応が著しいことを確認して、真也の心は喜びに満たされ、体の方はグツグツ煮えたぎるような興奮を覚えた。今すぐ皓一を組み敷き、触手のすべてを使って締め上げ拘束し、交接器を奥深くに捻じ込みたい――愛する番に対する真也の欲望は、今にも爆発しそうだった。

「皓一……いいか、この触手を……俺の交接器を、おまえの中に今すぐ入れても、いいか……」

「ああ……早く来いよ……。許可なんか要らない。俺、ずっと待ってんだ……。この10日間、おまえと会えなくて……」

皓一は真也の首に両腕を回して引き寄せると、耳元に口を寄せて囁いた。

「おまえが欲しくて、たまらなかった……。早く入れて、俺の中こすってくれ……」

「!!」

湯の中にみっしり詰まった触手が、びしゃびしゃとしぶきを上げて跳ねまわる。それらはたちまち皓一の体に絡みつき、股を大きく開かせ、脚を、腕を、腹を、胸を、がっしりと拘束した。

「うあ、あ!」

皓一の双丘の谷間に、粘液で覆われたいくつもの触手が群がり、湯の軋みを中和してゆく。たちまち皓一の孔周りがぬるぬると滑りが良くなり、真也は交接のための触手の先端を、愛しい番の中へと潜り込ませた。
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