50 / 80
Ⅱ 幽閉
31. 夜明け前の性急な繋がり(2)
しおりを挟む
魔王は術を唱えて瞬時に寝室へと移動すると、寝台にそっとレイを下ろし、服を脱ぐ間も惜しんでその上に覆いかぶさった。
常とは違うその性急な態度に戸惑いながらも、レイは魔王の顔を注意深く観察した。寝台横の小卓に置かれた灯火が、疲れを色濃くにじませた魔王の顔を、ぼんやりと照らし出している。
「おい……魔王、あんた、目の下に隈が出来てるぞ……。寝てないんだろ。今夜は何もしないで、体を休めろよ。もうすぐ夜も明けてしまう」
「酷なことを言うな……おまえを抱かずにただ隣で眠るなど、私にとっては拷問に等しい。……だが、私を気遣ってくれて、嬉しく思うぞ、レイ……」
「んっ……。…んん……」
深く唇を合わせながら、魔王はレイの下衣の中に手を滑りこませた。
「んっ……! ふ、ぁ……ま、待て、魔王……話が……ある……」
「後で聞く。レイ、今は黙って、私にその身を預けてくれ」
魔王はレイの下衣を下着ごと一気に引き下ろすと、股の間に顔をうずめた。
「んうっ……!」
(何だ……? 何を焦っているんだ? この男は……)
いきなり口に含まれ、レイは困惑に眉をひそめた。
とろけるような長い口付けも、丹念な愛撫もなく、しつこいほど囁いてくる愛の言葉もない。
それどころか服も身に着けたまま――いつものように、肌を直接触れ合わせることもなく、魔王は既にいきり勃たっている局部だけを、下衣の合わせ目から突き出していた。
その様子が、レイの不安をそそる。
「魔王……どうしたんだよ……? ……くっ、ぅあっ!」
魔王は潤滑剤で濡れた指で、性急にレイの後ろを解し始めた。
「ぅうっ! ぁぐっ……! 痛っ……やめてくれ!」
「すまない……レイ。少しの間、辛抱してくれ……」
魔王は許しを請いながら、片手で<主根>をこすり上げ、まだ準備の整っていないレイの後ろにそれをあてがった。
ひゅっ、とレイが息を呑む。
「まっ、待て! 待ってくれ……まだ、無理だっ……魔王!」
「ああ……そうだな……まだ無理だ……」
魔王は息を荒げ、<主根>の先端部分をレイの秘所にあてがったまま、自身を激しくしごいている。何度も継ぎ足された潤滑剤が、魔王の先走りと混ざり、グチュグチュといやらしい音を立てる。
そのまま外で出すつもりかとレイは思ったが、魔王は絶頂を迎える手前で摩擦をやめ、レイの腰を持ち上げた。
「あっ……! ……ぅうっ、ぐっ……!」
レイが痛みに呻いた。
固い蕾をこじ開けるように、いきり勃った逸物が、侵入してくる。
連日の結合で、レイの後ろは魔王の大きさに慣れてきてはいたが、こんな風に心身ともに準備不足なまま受け入れるほどの余裕は、まだない。
「痛っ……! ううっ……ああっ! やっ、やめてくれ、魔王!」
涙声の懇願にも耳を貸さず、魔王はその身を半分ほどレイの中に沈めると、無情にもすぐに動き出した。
「ああっ! あっ! やっ、やめろ……いやだ! 痛っ、痛い!……魔王! ああああっ!」
「すまない、レイ……すまない。すぐに……終わる。……辛抱してくれ……」
常とは違うその性急な態度に戸惑いながらも、レイは魔王の顔を注意深く観察した。寝台横の小卓に置かれた灯火が、疲れを色濃くにじませた魔王の顔を、ぼんやりと照らし出している。
「おい……魔王、あんた、目の下に隈が出来てるぞ……。寝てないんだろ。今夜は何もしないで、体を休めろよ。もうすぐ夜も明けてしまう」
「酷なことを言うな……おまえを抱かずにただ隣で眠るなど、私にとっては拷問に等しい。……だが、私を気遣ってくれて、嬉しく思うぞ、レイ……」
「んっ……。…んん……」
深く唇を合わせながら、魔王はレイの下衣の中に手を滑りこませた。
「んっ……! ふ、ぁ……ま、待て、魔王……話が……ある……」
「後で聞く。レイ、今は黙って、私にその身を預けてくれ」
魔王はレイの下衣を下着ごと一気に引き下ろすと、股の間に顔をうずめた。
「んうっ……!」
(何だ……? 何を焦っているんだ? この男は……)
いきなり口に含まれ、レイは困惑に眉をひそめた。
とろけるような長い口付けも、丹念な愛撫もなく、しつこいほど囁いてくる愛の言葉もない。
それどころか服も身に着けたまま――いつものように、肌を直接触れ合わせることもなく、魔王は既にいきり勃たっている局部だけを、下衣の合わせ目から突き出していた。
その様子が、レイの不安をそそる。
「魔王……どうしたんだよ……? ……くっ、ぅあっ!」
魔王は潤滑剤で濡れた指で、性急にレイの後ろを解し始めた。
「ぅうっ! ぁぐっ……! 痛っ……やめてくれ!」
「すまない……レイ。少しの間、辛抱してくれ……」
魔王は許しを請いながら、片手で<主根>をこすり上げ、まだ準備の整っていないレイの後ろにそれをあてがった。
ひゅっ、とレイが息を呑む。
「まっ、待て! 待ってくれ……まだ、無理だっ……魔王!」
「ああ……そうだな……まだ無理だ……」
魔王は息を荒げ、<主根>の先端部分をレイの秘所にあてがったまま、自身を激しくしごいている。何度も継ぎ足された潤滑剤が、魔王の先走りと混ざり、グチュグチュといやらしい音を立てる。
そのまま外で出すつもりかとレイは思ったが、魔王は絶頂を迎える手前で摩擦をやめ、レイの腰を持ち上げた。
「あっ……! ……ぅうっ、ぐっ……!」
レイが痛みに呻いた。
固い蕾をこじ開けるように、いきり勃った逸物が、侵入してくる。
連日の結合で、レイの後ろは魔王の大きさに慣れてきてはいたが、こんな風に心身ともに準備不足なまま受け入れるほどの余裕は、まだない。
「痛っ……! ううっ……ああっ! やっ、やめてくれ、魔王!」
涙声の懇願にも耳を貸さず、魔王はその身を半分ほどレイの中に沈めると、無情にもすぐに動き出した。
「ああっ! あっ! やっ、やめろ……いやだ! 痛っ、痛い!……魔王! ああああっ!」
「すまない、レイ……すまない。すぐに……終わる。……辛抱してくれ……」
12
お気に入りに追加
887
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる