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Ⅰ 強奪
14. 凌辱(3)
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白濁したレイの精液を唇から滴らせ、魔王は名残惜しげにゆっくりと、レイのものを口内から解放した。
「……ずいぶんと濃いな。自分で抜いたりしないのか?」
何を言われているのか、レイには一瞬理解できなかった。
顔を上げた魔王の顎から、白く濁った雫が、レイの腹に落ちる。
視界に入ってきたその光景が、ゆっくりと脳内に浸透してゆき――そして初めて、先程自分が出したものを、魔王が飲み込んだことに気付いた。
「なっ……!」
あまりの衝撃に、言葉を発することもできず、顔を真っ赤にしてワナワナと震えているレイを見て、魔王は心底愉快そうに笑った。
「おまえは本当に可愛い。……そんな顔で私を見ないでくれ……抑えが効かなくなる」
そう囁くと、レイの上に覆いかぶさり、強く抱きしめた。
魔王は薄手の長衣を羽織っているが、腰周りを細紐でゆるくしばっているだけで、隆起した胸の筋肉も、がっしりとした太い腕もあらわになっている。所々露出したその肌は、汗を浮かばせ、しっとりと湿り気を帯びている。
魔王に抱きしめられ、その肌のぬくもりと感触に不思議な安らぎを感じたレイは、困惑して一層身を震わせた。
(そんな……はずない。俺は……)
先程の魔王の言葉が、レイの脳裏にこだまする。
――人間界のくだらない常識にこだわるのはやめろ!
(魔王に触れられて……この男の口の中で……俺は……)
――おまえは私と結ばれるために生まれてきたのだ。おまえの体はそれを知っている!
(そうなのか!? 本当に……俺は……)
「うっ……あっ!」
背後に回された魔王の手に、揉みこむように双丘を掴まれ、レイの物思いはいきなり遮られた。
欲情に染まる魔王の声が、レイの耳元にねっとりと絡みつく。
「おまえの尻……丁度良い大きさだ。私の手の中に収まって、心地がいい……」
「やめろ! うあっ、あっ! 揉むな! うっ……ぐっ、あ!?」
尻を揉みしだかれ、何かがそこに挟まっているような異物感が、ひときわ強く感じられた。
意識を取り戻したときからずっと気になっていたのだが、魔王に散々弄られ続けていたので、確かめることができなかったのだ。
「うっ、くっ……、魔王、手を、どけろ! そこ、触るな!」
魔王は素直に手を離すと、上体を起こし、体を移動させた。
レイがその隙に気になっていた部分に手を伸ばすと、何かがぬるっと指先に触れた。
「!? 何っ…?」
レイの戸惑う声に、魔王が答えた。
「心配ない。潤滑剤だ。ソノワの実の油が主原料で、一切害はない」
そう言うとレイの体を裏返し、尻の中に埋まっていた何かをそっと引き抜いた。
「ん、ぐぅっ……!」
尻から全身へ、形容し難い疼きが走り、レイは身をすくませた。
「はっ…あっ…! 何だよ……今の……」
「痛くはなかっただろう? ……ごく小さな張り型だ。少しでも……慣らしておいた方が良いと思ってな。本来なら段階的に太さを変え、何日か馴染ませるのだが……私はもう、待てそうにない」
そう言いながら魔王は、潤滑剤の入った容器を手元に寄せ、自分の指に擦り付けた。そうして滴るほどぬめった人差し指を、レイの後孔にゆっくりと埋め込んだ。
「う、くぅっ……!」
張り型で広げられていたそこは、魔王の指をたやすく飲み込んでゆく。
「あっ…あ……やめ、ろ! ……うっ…!」
先程の魔王の言葉も意味不明な上、何故こんな異常なことをされるのか、レイにはまったく理解できなかった。
性欲の薄い仙界の血を継いでいるせいか、レイは淡白で、性的な衝動は滅多に起こらない。そのため色事に関しては知識も経験もかなり乏しく、女性経験もほとんどない。
男女間の営みに関しても疎いのだから、男同士となれば、知識はほぼ皆無に等しい。かろうじて知っていることといえば、人間界でも男同士で性的行為に耽る輩が少数いる、というだけで、実際何をどうするのかは、想像さえしたことがなかった。
これから魔王が自分に何をするつもりなのか、レイは少しの予備知識も持ち合わせていなかったのである。
「……ずいぶんと濃いな。自分で抜いたりしないのか?」
何を言われているのか、レイには一瞬理解できなかった。
顔を上げた魔王の顎から、白く濁った雫が、レイの腹に落ちる。
視界に入ってきたその光景が、ゆっくりと脳内に浸透してゆき――そして初めて、先程自分が出したものを、魔王が飲み込んだことに気付いた。
「なっ……!」
あまりの衝撃に、言葉を発することもできず、顔を真っ赤にしてワナワナと震えているレイを見て、魔王は心底愉快そうに笑った。
「おまえは本当に可愛い。……そんな顔で私を見ないでくれ……抑えが効かなくなる」
そう囁くと、レイの上に覆いかぶさり、強く抱きしめた。
魔王は薄手の長衣を羽織っているが、腰周りを細紐でゆるくしばっているだけで、隆起した胸の筋肉も、がっしりとした太い腕もあらわになっている。所々露出したその肌は、汗を浮かばせ、しっとりと湿り気を帯びている。
魔王に抱きしめられ、その肌のぬくもりと感触に不思議な安らぎを感じたレイは、困惑して一層身を震わせた。
(そんな……はずない。俺は……)
先程の魔王の言葉が、レイの脳裏にこだまする。
――人間界のくだらない常識にこだわるのはやめろ!
(魔王に触れられて……この男の口の中で……俺は……)
――おまえは私と結ばれるために生まれてきたのだ。おまえの体はそれを知っている!
(そうなのか!? 本当に……俺は……)
「うっ……あっ!」
背後に回された魔王の手に、揉みこむように双丘を掴まれ、レイの物思いはいきなり遮られた。
欲情に染まる魔王の声が、レイの耳元にねっとりと絡みつく。
「おまえの尻……丁度良い大きさだ。私の手の中に収まって、心地がいい……」
「やめろ! うあっ、あっ! 揉むな! うっ……ぐっ、あ!?」
尻を揉みしだかれ、何かがそこに挟まっているような異物感が、ひときわ強く感じられた。
意識を取り戻したときからずっと気になっていたのだが、魔王に散々弄られ続けていたので、確かめることができなかったのだ。
「うっ、くっ……、魔王、手を、どけろ! そこ、触るな!」
魔王は素直に手を離すと、上体を起こし、体を移動させた。
レイがその隙に気になっていた部分に手を伸ばすと、何かがぬるっと指先に触れた。
「!? 何っ…?」
レイの戸惑う声に、魔王が答えた。
「心配ない。潤滑剤だ。ソノワの実の油が主原料で、一切害はない」
そう言うとレイの体を裏返し、尻の中に埋まっていた何かをそっと引き抜いた。
「ん、ぐぅっ……!」
尻から全身へ、形容し難い疼きが走り、レイは身をすくませた。
「はっ…あっ…! 何だよ……今の……」
「痛くはなかっただろう? ……ごく小さな張り型だ。少しでも……慣らしておいた方が良いと思ってな。本来なら段階的に太さを変え、何日か馴染ませるのだが……私はもう、待てそうにない」
そう言いながら魔王は、潤滑剤の入った容器を手元に寄せ、自分の指に擦り付けた。そうして滴るほどぬめった人差し指を、レイの後孔にゆっくりと埋め込んだ。
「う、くぅっ……!」
張り型で広げられていたそこは、魔王の指をたやすく飲み込んでゆく。
「あっ…あ……やめ、ろ! ……うっ…!」
先程の魔王の言葉も意味不明な上、何故こんな異常なことをされるのか、レイにはまったく理解できなかった。
性欲の薄い仙界の血を継いでいるせいか、レイは淡白で、性的な衝動は滅多に起こらない。そのため色事に関しては知識も経験もかなり乏しく、女性経験もほとんどない。
男女間の営みに関しても疎いのだから、男同士となれば、知識はほぼ皆無に等しい。かろうじて知っていることといえば、人間界でも男同士で性的行為に耽る輩が少数いる、というだけで、実際何をどうするのかは、想像さえしたことがなかった。
これから魔王が自分に何をするつもりなのか、レイは少しの予備知識も持ち合わせていなかったのである。
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