29 / 29
学園編
第27話
しおりを挟む
「あ~ あのSクラスか!」
帰路を辿っているとそんな声が聞こえてきた。
あのSクラスって言われてるんだ…。
少し驚きだけど疑問が出てきた。
「にしても、ウィニッツくんは俺たちって分からなかったみたいだけど、入学式のときに話したりクラス内戦で目立ったと思ってたんだけどな。」
「あ~…入学のときは席が遠いし近くの人と話してたからね。クラス内戦では森で見つけたキノコにあたってたんだよね…」
「え?大丈夫?じゃあクラス内戦では仕方ないか。でも弓とかを撃つときはかなり遠くから見えてたみたいだけど見えなかったの?」
「遠くから見えてるのは魔法の《水鏡のスコープ》っていう独自で創った魔法なんだよね。僕は魔法を飛ばせないみたいだからこんな風に魔法を改良して補助として使うんだ。」
「なるほど。魔法を飛ばせないって不便だな。けど、確かに魔力量は多そうだな。」
「わかるの⁉」
「一応少しはわかるけど?」
「へぇー!!そんなことも出来るんだ!」
「俺たちは二人とも出来るけどそんなにすごいのか?」
「すごいよ!!相手の戦力がパッとわかるんだから!!」
確かに俺たちみたいに魔力量が分かるとは聞いたことがないが、そういうのは一定以上強かったらわかるもんなんじゃないのか?
「うわ~分かってなさそうだね…。それね?確かだけど相手の戦力を勝手に盗み見ることが出来たのは国宝級のアーティファクトのはずだよ?」
「「えっ」」
思ったよりもすごいな…。
「へ、へぇ~。俺たちも知ってたけどこんなに制度は粗くないだろ…。」
少々目をそらしながらそういうと、ニヤッと笑う
「絶対今知っただろ!」
そんなじゃれ合いをしながら俺達は宿に帰る。
「俺らはここの宿だから。」
「オッケー。じゃあな!」
ウィニッツくんと別れて宿の自室に入ると、少し疲れが出たのかベッドに倒れ込んだ。
今日の出来事を思い返しているうちに、ふとさっきの会話を振り返る。
「あのSクラスって言われてるのか…」と、少し驚いた言葉を心の中で繰り返しつつ、ウィニッツくんのことを考える。
彼は魔力量も多く、独自の魔法まで創り出せる才能を持っている。
そう考えると、自分たちの能力が特別ではないと再認識し、少し肩の力を抜いて笑いあってしまった。
次の日、学校に行くと、教室に入った途端にリュウくんが話しかけてきた。
「なぁ、ソウ、シュウ。お前たちがドラゴンを倒しているみたいなことを聞いたんだが…本当か?」
突然の質問に少し戸惑いながらも、ソウが答える。
「えっ、リュウくん見てたの?」
リュウくんは少し困った表情を浮かべながら答える。
「いや、俺が見たわけじゃないんだ。ただ、噂が広がっていて、みんなお前たちのことを話してるんだ。あのSクラスの二人と誰かがドラゴンを倒したって。」
ドラゴンを倒した事実が、こんなに早く広まるとは思っていなかった。
「その様子だと本当みたいだな…」
「まぁ、倒したのは事実だけど、そんなに大げさな話じゃないよ。俺たちがただ運が良かっただけだし、ドラゴンもそんなに強くなかったんだ。」
「そんなこと言っても、ドラゴンはドラゴンだぞ。Aランク冒険者数人がかりでも大変だろうに…」
そう言ってハッと何かにリュウくんが気づく。
嫌な予感を感じ取ったのかどんどん顔色が悪くなる。
「まて、お前たちがドラゴンを倒した。それはまだ、わからなくもないが…」
間を空け、口を開く。
「もう一人…誰かと一緒に倒したのか?」
「うん。」
なんの気負いもなくソウが返事をする。
「どういうことか分ってるのか?……お前たちが連携を取れる仲間とか規格外がまだ他にいるのか…?」
最後の方は小声で聞こえなかったがかなりリュウくんは驚いているようだ。
「ん?ヒュドラを3人で倒したんだから2人で倒したってよりはまだ現実味あると思うんだけど?」
コレは俺もそう思うのだが、それを聞いたリュウくんは一度ため息をつき教えてくれる
「いやいや…ヒュドラはドラゴンの中で攻撃力は低いほうだか再生能力や攻撃の多彩さが厄介な魔物だぞ!しかも、それを3人でだと!あの首の多さにたった3人だ!2人でもおかしいが3人もおかしいことには変わりないだろう!」
「そうか?」
正直に言えばどれだけ異常なことをしているかがまだ実感として湧いていなかった。
「そうだよ。ヒュドラを倒すには、通常なら大規模な部隊と緻密な作戦が必要なんだ。3人だけでそれをやったってことは、相当な実力と連携が必要だってことだ。」
「連携って言っても近く?に居たウィニッツくんが手伝ってくれただけだよ。」
「近くに居てからと言ってもヒュドラの討伐は普通は手伝うわけがないだろうが…」
リュウくんはしばらく黙っていたが、ようやく口を開いた。
「いや…待てよ。ウィニッツって、Bクラスにいるウィニッツか?」
「そうだけどよく知ってたね。」
「一応、公爵家だ。何かあったときのために全員の名前と顔はは覚えているつもりだ。」
「公爵家ってすごいんだね……」
帰路を辿っているとそんな声が聞こえてきた。
あのSクラスって言われてるんだ…。
少し驚きだけど疑問が出てきた。
「にしても、ウィニッツくんは俺たちって分からなかったみたいだけど、入学式のときに話したりクラス内戦で目立ったと思ってたんだけどな。」
「あ~…入学のときは席が遠いし近くの人と話してたからね。クラス内戦では森で見つけたキノコにあたってたんだよね…」
「え?大丈夫?じゃあクラス内戦では仕方ないか。でも弓とかを撃つときはかなり遠くから見えてたみたいだけど見えなかったの?」
「遠くから見えてるのは魔法の《水鏡のスコープ》っていう独自で創った魔法なんだよね。僕は魔法を飛ばせないみたいだからこんな風に魔法を改良して補助として使うんだ。」
「なるほど。魔法を飛ばせないって不便だな。けど、確かに魔力量は多そうだな。」
「わかるの⁉」
「一応少しはわかるけど?」
「へぇー!!そんなことも出来るんだ!」
「俺たちは二人とも出来るけどそんなにすごいのか?」
「すごいよ!!相手の戦力がパッとわかるんだから!!」
確かに俺たちみたいに魔力量が分かるとは聞いたことがないが、そういうのは一定以上強かったらわかるもんなんじゃないのか?
「うわ~分かってなさそうだね…。それね?確かだけど相手の戦力を勝手に盗み見ることが出来たのは国宝級のアーティファクトのはずだよ?」
「「えっ」」
思ったよりもすごいな…。
「へ、へぇ~。俺たちも知ってたけどこんなに制度は粗くないだろ…。」
少々目をそらしながらそういうと、ニヤッと笑う
「絶対今知っただろ!」
そんなじゃれ合いをしながら俺達は宿に帰る。
「俺らはここの宿だから。」
「オッケー。じゃあな!」
ウィニッツくんと別れて宿の自室に入ると、少し疲れが出たのかベッドに倒れ込んだ。
今日の出来事を思い返しているうちに、ふとさっきの会話を振り返る。
「あのSクラスって言われてるのか…」と、少し驚いた言葉を心の中で繰り返しつつ、ウィニッツくんのことを考える。
彼は魔力量も多く、独自の魔法まで創り出せる才能を持っている。
そう考えると、自分たちの能力が特別ではないと再認識し、少し肩の力を抜いて笑いあってしまった。
次の日、学校に行くと、教室に入った途端にリュウくんが話しかけてきた。
「なぁ、ソウ、シュウ。お前たちがドラゴンを倒しているみたいなことを聞いたんだが…本当か?」
突然の質問に少し戸惑いながらも、ソウが答える。
「えっ、リュウくん見てたの?」
リュウくんは少し困った表情を浮かべながら答える。
「いや、俺が見たわけじゃないんだ。ただ、噂が広がっていて、みんなお前たちのことを話してるんだ。あのSクラスの二人と誰かがドラゴンを倒したって。」
ドラゴンを倒した事実が、こんなに早く広まるとは思っていなかった。
「その様子だと本当みたいだな…」
「まぁ、倒したのは事実だけど、そんなに大げさな話じゃないよ。俺たちがただ運が良かっただけだし、ドラゴンもそんなに強くなかったんだ。」
「そんなこと言っても、ドラゴンはドラゴンだぞ。Aランク冒険者数人がかりでも大変だろうに…」
そう言ってハッと何かにリュウくんが気づく。
嫌な予感を感じ取ったのかどんどん顔色が悪くなる。
「まて、お前たちがドラゴンを倒した。それはまだ、わからなくもないが…」
間を空け、口を開く。
「もう一人…誰かと一緒に倒したのか?」
「うん。」
なんの気負いもなくソウが返事をする。
「どういうことか分ってるのか?……お前たちが連携を取れる仲間とか規格外がまだ他にいるのか…?」
最後の方は小声で聞こえなかったがかなりリュウくんは驚いているようだ。
「ん?ヒュドラを3人で倒したんだから2人で倒したってよりはまだ現実味あると思うんだけど?」
コレは俺もそう思うのだが、それを聞いたリュウくんは一度ため息をつき教えてくれる
「いやいや…ヒュドラはドラゴンの中で攻撃力は低いほうだか再生能力や攻撃の多彩さが厄介な魔物だぞ!しかも、それを3人でだと!あの首の多さにたった3人だ!2人でもおかしいが3人もおかしいことには変わりないだろう!」
「そうか?」
正直に言えばどれだけ異常なことをしているかがまだ実感として湧いていなかった。
「そうだよ。ヒュドラを倒すには、通常なら大規模な部隊と緻密な作戦が必要なんだ。3人だけでそれをやったってことは、相当な実力と連携が必要だってことだ。」
「連携って言っても近く?に居たウィニッツくんが手伝ってくれただけだよ。」
「近くに居てからと言ってもヒュドラの討伐は普通は手伝うわけがないだろうが…」
リュウくんはしばらく黙っていたが、ようやく口を開いた。
「いや…待てよ。ウィニッツって、Bクラスにいるウィニッツか?」
「そうだけどよく知ってたね。」
「一応、公爵家だ。何かあったときのために全員の名前と顔はは覚えているつもりだ。」
「公爵家ってすごいんだね……」
0
お気に入りに追加
6
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
異世界でいきなり経験値2億ポイント手に入れました
雪華慧太
ファンタジー
会社が倒産し無職になった俺は再就職が決まりかけたその日、あっけなく昇天した。
女神の手違いで死亡した俺は、無理やり異世界に飛ばされる。
強引な女神の加護に包まれて凄まじい勢いで異世界に飛ばされた結果、俺はとある王国を滅ぼしかけていた凶悪な邪竜に激突しそれを倒した。
くっころ系姫騎士、少し天然な聖女、ツンデレ魔法使い! アニメ顔負けの世界の中で、無職のままカンストした俺は思わぬ最強スキルを手にすることになったのだが……。
精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します
カオリグサ
ファンタジー
病で幼いころから病室から出たことがなかった少年
生きるため懸命にあがいてきたものの、進行が恐ろしく速い癌によって体が蝕まれ
手術の甲斐もむなしく死んでしまった
そんな生を全うできなかった少年に女神が手を差し伸べた
女神は少年に幸せになってほしいと願う
そして目覚めると、少年は少女になっていた
今生は精霊王女として生きることとなった少女の
チートクラスに強い仲間と共に歩む旅物語
異世界で魔法使いとなった俺はネットでお買い物して世界を救う
馬宿
ファンタジー
30歳働き盛り、独身、そろそろ身を固めたいものだが相手もいない
そんな俺が電車の中で疲れすぎて死んじゃった!?
そしてらとある世界の守護者になる為に第2の人生を歩まなくてはいけなくなった!?
農家育ちの素人童貞の俺が世界を守る為に選ばれた!?
10個も願いがかなえられるらしい!
だったら異世界でもネットサーフィンして、お買い物して、農業やって、のんびり暮らしたいものだ
異世界なら何でもありでしょ?
ならのんびり生きたいな
小説家になろう!にも掲載しています
何分、書きなれていないので、ご指摘あれば是非ご意見お願いいたします
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる