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学園編

第21話

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 結局、俺達は時間の関係上引き分けとなり優勝はアルセ様になった。
「アルセ様、おめでとう。」
「ありがとう。でも、本当に良かったの?」
「良かったとは?」
「もう、私が優勝でってことよ。」
 あなた達相手なら私は敵わなかったはずよ?と聞いてくる。
「別にいいですよ。勝ってもなんかある訳では無いし。」
「なら良いのだけれども。」
 これについては俺達のどちらかが勝っても得なことはないしとソウも納得している。
「それにしても、今日は見事な戦いだったわ。」
「ありがとう。」
「ソウの動きは大体わかってるつもりだったんだけどね。」
「それは俺のセリフだ。シュウの動きは熟知してるつもりだったんだけどな。」
「私もだけれども二人共、まだまだお互いに学べるところがあるようね。」
「「そうだね。」」
「─────これにて、閉会式を終わる!解散!」
「おっ、ちょうどあの長い話が終わった。じゃあ帰るか。」
「おう。」
「そうね。」




「二人ともお疲れ。」
「おう。リュウ。」
「二人ともすごかったね。俺と訓練棟で試合したときは魔法禁止とはいえ、手加減してくれてたんだな。」
「いや、あのときも今回も全力だった。」
「ならどうして訓練棟のときと比べてあんなに強いくなったんだ?」
「ソウのを見たらわかるだろうけど、自分の攻撃を自分に出て勢いを出しているだけだよ。」
「自分で自分を…なんとなく予想してたけど実行してるなんですごいな…」
「そうか?」
「そうだろ?」
「そうですね。」
「すごいわよ?」
「…そんなに褒めても何も出ないよ?」
「何いってんだよ?」



『ソウ、そういえば前に見つけた魔力がある変な洞窟いかないか?』
 クラス内戦が終わって数日後俺はふと思い出してソウにそういった。
『ん?…ああ。あのクリスタルスライムを倒してから見つけた場所か。』
『そうそう。前に次の休みに行くって言ってたからさ。』
『そうだな。んじゃ早速行くか。』
 さっさと準備して街から出ようとしたところで、
「あの!」
 ?後ろから声をかけられた。
「はい?」
「あなたたちってあのSクラスのお二人だよね?」
 突然声をかけられたと思ったらクラス内戦で俺達だけが変な見え方をした少女が立っていた。
「そうだけど…なに?」
 少し警戒しなが聞くと満面の笑みで
「良かった!二人ってどこ行くの!?一緒について行っていい?」
 と聞かれた。
「はぁ?」
「だって、あんなに強いんだよ!?いつもどんなふうに過ごしたらあんなに強くなれるのか気になるじゃん!」
 などと言ってついてこようとする。
 正直言えば行く場所が俺達が見つけたダンジョン(らしきもの)だこれで周りにバラされて鍛練にならなかった等となれば大問題だ。
「…いいぞ。」
「ソウ?いいのか?」
「いいだろ。別に見られて困ることじゃないだろ?」
「そうかもしれないけど…今日は…」
「別にいいだろ。え~と、言いふらすわけよな?」
「うん!」
 キラッキラした、目でこちらを見てきてなんと言うか断りづらい。
「まあ、いいか…。」
 なぜか俺は断ってはいけないような気がして了承した。
「私はイリスだよ!よろしく!」
「よろしく。じゃあ早速、向かうけど自分の身は自分で守ってね?」
「うん!」
 そこへに向かうと不思議と最初に見たときよりも見つけやすかった。
「?なんだろう。最初の頃よりも認識しやすくなった?」
「だな。なんか、入ってくれって言わんばかりに認識しやすくなった。」
「そうなんだ~!そんなふうに話してるってことはここに来るの初めて?」
「そうだ。来たことあるのか?」
「ううん!気のせいだよ!」
「そうか。」
「そっか。ここか~。懐かしいな。」
「ん?なんか言った?」
 なにかイリスが言っていた気がしたが今はそれよりこの洞窟の中が気になる。
「行くぞ!」
「ああ!」
「ええ!」
 洞窟の内部は、自然の洞窟とはまったく異なる幾何学的な構造を持っていた。壁は滑らかで、直線的に切り揃えられており、床は平坦で歩きやすく整えられている。
「ここは本当に自然の洞窟なのか?」
 俺は驚きの声を上げるも慎重にすすんだ。
「まるで何かの施設の中にいるみたいだ。」
 ソウも同様に驚きながらも、洞窟の奥へと足を進めた。
「ここは?洞窟の中だよな…?」
 洞窟の中はまるで人工物かのようにきれいに整備されていた。
「どうなってるんだろうね。」
 何故か懐かしむかのような顔でイリスが見て回る。
「うん…。やっぱり。」
「どうかしたか?」
「いや…。……ああ、そういえば向こうになんかあるよ?」
「ん?」
 イリスが見た方向にはなにかの石像があった。
「なんの石像だ?」
「あれ石像っ言うかゴーレムだと思うよ?」
「「え?」」
「だってあれ目が動いてるもん。」
 そう言われよく見れば目が薄く開いて周りを見ている。
「てっきり、そういうやつなのかと…。」
「ゴーレムなら敵対するのか?」
「うん!」
「じゃあ、さっさと倒すか。」
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