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学園編

第18話

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「よし、今日はクラスのみんなの実力を知るためにクラス内戦をするぞ!」
 学園で、いくつかの授業が終わってしばらくして担任のイルナク先生が急に不思議なことを言いだした。
「なんですか…急に?」
「いやな、学園長から前回の決闘を見てない奴らがソウ、シュウがズルをしたのではないかということでな、強さを見せつける目的でクラスの中で対抗戦をしろとのことだ。」
「えぇ…なんでこんな急に…」
「それは抜き打ちでければまた、ズルをしてると言われるのでな。」
 こちらもいい迷惑だ。とイルナク先生も言う。
「俺等は見れないし、対抗戦だけならやりたくないです」
「それなら大丈夫だ。全クラス対抗戦はある。まあ、事前に言ってあったらしいがな。」
「ええ…」
「私達も言われなかったのはなぜかしら?」
「それはな……なに……あ~……」
「忘れていたということでよろしそうですね。」
 視線をそらすイルナク先生。
「もしかして、これ抜き打ちじゃなかったとか、ないですよね?」
「流石にそれはないぞ!」
 パッと慌ててこちらを向く。
「ならいいですが。」
 じど~と全員見ているのできますそうだ。
「そんな目で見るな…俺ってそんなに信頼ないのか…?」
「ええ、今回ので信頼がなくなりましたね。」
「そうか…いや、そんなことより次の授業はDクラス内の対抗戦だ。」
「わかりました。場所はどこですか?」
「訓練棟一階だ。」
 俺達はやれやれと向かった。



「多いな。」
「そりゃ全学年の全クラスがいるんだからそうでしょう。」
「それもそうか。でも、どこに座ればいいんだ?」
「クラスごとに席が決まってるそうだけど。………ああ、あそこね。」
 アルセ様が指したのは、訓練棟内の席で一番目立つ小部屋になっている場所だ。
「え、あそこ?王族かなんか偉い人が行くところじゃないの?」
「あのね?私は王族だし、マリナもリュウも偉い公族なのよ?」
 そういえばこの人たちは偉い人なのだった。
 俺達に権力を使わないからすっかり忘れていた。
「シュウは前世でも必要と感じたこと以外すぐ忘れるからな。」
「ぜんせ?」
「ソウが行ったことは気にしないでくれ」
「わかったわ?」
 物わかりの良い王女様だ。
「席に行かないのか?」
「リュウくん早くない?」
「お前らが遅いだけだろう。対抗戦も始まったし、マリナなんて席に付いてるぞ?」
「はやっ!」
『それでは!Dクラス内対抗戦を始めます!!』
 もう羽島妻てるとは聞いたが対抗戦前の学園長の話が終わってしまった。
「ヤバいヤバい。」
 俺達は急いで自分たちの席に向かった。



 クラス内対抗戦のルールは簡単。
 障害物のあるステージで攻撃し合って相手全員の結界を破る。
 Dクラスといえばこの学園で一番弱いところのクラスだ。
 それでもこの世界ではこの歳にしては強い30人だ。
 そう。強いのだ。
「おお~。走りながら魔法撃ってる!」
 走りながら魔法を撃つのは集中力がきれて息も続かないことがあるので難しい。
 それをしているのだ。
 言うならば走りなら歌うのと同じぐらい難しい。
 この難しさがわかることだろう。
 まあ、無詠唱だとすぐ発動できて相手になんの魔法が使うのかがバレない。
 軍などなら前衛が敵を引き付けている間に撃つということができる。
 だが今回は味方がいない、つまり敵しかいない。
 そんな中でどれだけ戦えるかだ。
 Dクラスでも、何も考えず突っ込んでいくやつはすぐに結界魔法が破られ試合から退場になる。
 影からものを投げ気をそらしてから魔法で撃つ。
 そんなことをするものが勝つ。
 でも30人もいれば思いつくものは何人もいる。
 影から魔法が放たれたのを見て、その陰の場所に魔法を撃つ。
 そんなことが繰り広げられた。
 ただその中に1人異質なものがいた。
 物陰に隠れずに中央らへんに立ち、詠唱短縮をして敵を倒すものがいた。
 彼女はまるで
 彼女は俺達の顔を見ると不思議そうな顔をしていた。
「ソウ、誰、あの子?Dクラスの実力じゃない気がするけど?」
 不思議だった。他の奴らは「あの子可愛そ~」とか、「なんで中央にいるんだ?」、「馬鹿じゃねえの?」などの声が聞こえた。
 なのに、あの子は堂々と戦い、少しづつ敵を倒している。
「シュウもわかるのか?なんか、みんなは、違うものでも見ているみたいな…」
「どうした?ふたりとも?」
「リュウくんあの、真ん中にいる子って…」
「ああ、あの子か?あの子、可愛そうだな。隠れれずに中央で、うずくまって。どうにか耐えれてるけど時間の問題だろうな。」
 やっぱり、みんなには俺達が見えている堂々と立って魔法を撃つのところは見えていないようだった。
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