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妄想編
19話【off duty】岡林 幸太郎:イタリアンレストラン(藍原編)①
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岡林くんが来て最初の金曜日。ちょうど楓ちゃんが日勤で夜時間があったから、岡林くんの歓迎会を三人でやることにした。楓ちゃん、めちゃ喜んでる。ここは雰囲気よく、おしゃれなイタリアンにしよう。うまく行けば、岡林くんと楓ちゃん、いいムードになるかも!
よしよし、おいしいカクテルを味わいながら、二人とも会話が弾んでるみたい。なになに? 岡林くん、今は彼女いないんだ? やったわね、楓ちゃん! チャンスよ!
……そうそう、盛り上がってきたところで、邪魔者のあたしはちょっといなくなってあげて、っと……。
「少し酔い醒ましてくるわね」
そういっていそいそとトイレへ入る。……さて。ここでしばらく時間を潰して、っと……。
することもないから、便座に座って携帯を取り出す。
「『楓ちゃん。岡林先生、どう? 彼女がいなくてよかったわね! しばらく二人きりをお楽しみくださーい 藍原』……って、二人きりのときにメールしても、読めないか……てか、邪魔よね……」
……。今ごろふたり、どうしてるかしら……? 楓ちゃん、うまくやってるかしら? あたしは、いつまでここに閉じこもっていればいいのかしら……。やっぱりすることなくて、どうしてもメールしたくなっちゃう……。
「『……楓ちゃん。ちゃんとメアド交換するのよ? もしできなくても、いってくれればまたセッティングするからね! 楓ちゃん、ファイッ! 藍原』……ちょっとしつこいかしら……」
でも応援したいし……。でも、ちょっと待って。岡林くんの目の前で楓ちゃんにこんなメール送ったら、岡林くんに見られちゃう可能性あり!? それはまずいわよね、どうしよう、送信ボタン押しちゃったわ、今からなかったことにできないかしら――
「藍原先生? 大丈夫ですか?」
きゃあ! 突然トイレがノックされて、岡林くんの声! ま、まずいわ、あたしたちの作戦、バレた!? いやいや落ち着け、落ち着くのよ、香織! バレてるはずないわ、メールはたった今送ったばかりだもの!
「だだ大丈夫よ! 今出るから!」
ああダメ、テンパって声が上ずってるじゃないの! 何食わぬ顔して、出ないと……! そうそう、長いトイレをしていたふりをして、お水を流して……。
おそるおそるトイレから出たら、岡林くんが立っていた。大丈夫大丈夫、いたって普通な感じで、席に戻るのよ……っと思ったら。
ドン!
って、突然岡林くんの腕があたしの目の前に! とうせんぼされて、動けなくなる。
「……先生、顔、真っ赤だよ?」
岡林くんの整った顔が、ぐいっと目の前に迫る。ややややめて、そんな目で見られたら、何も聞かれてないのについすべて白状しそうになっちゃうじゃないの! そうよ、今日の夕食は、楓ちゃんとあなたをくっつけるためのミッションなのよ! だからせっかく二人きりにしてあげたのに、ダメよ岡林くん、こんなところにいたら! ていうか、こんな壁ドン状態のところ、万が一楓ちゃんに見られたらまずいじゃないの! 『藍原先生! 私と岡林先生を応援するふりして、本当は自分が狙ってたんですね!?』ってなって、修羅場になっちゃうわよ!? そこに、岡林くんのまさかの行動で、あたしはもう完全に頭が真っ白になった。
「先生、熱とかないですか?」
岡林くんの男らしい大きな手が、あたしの額に触れた。ち、近いんだってば、岡林くん! あなたはいろいろと、近すぎるのよ! そりゃもう、あなたのそのイケメンぶりと半端ない近さは、あたしのいろんなところを刺激しちゃうわけで……ああもうっ、楓ちゃんを応援しなきゃいけないのに、そんなことされたら……。
「あれ」
充分すぎるほど近かった岡林くんの顔が、突然視界から消えて……ええ!? ちょっと、なんで、顔、あたしの、首筋に……!
「ピアス、外れそう。そのまま、動かないで……」
岡林くんの熱い吐息が、耳にかかる。どうしよう、すごい熱い。岡林くんのふわふわの髪が、あたしの肌をくすぐって、その吐息が、あたしの耳をもてあそんで、そして、彼の指が、やさしくあたしの耳を愛撫して……
「あ……っ」
思わず声が漏れる。どうしよう、こんなことされて、感じるなっていうほうが無理だ。岡林くんの指が、ゆっくり、やさしく、さわさわとあたしの耳を撫でる。そこからじわじわと快感が広がって、体がしびれたようになる。『……ふふ、藍原先生、感じてるの……?』『ん……ッ、いや、耳は、だめ……』『可愛いね、先生。耳、感じるんだ? じゃあ……ここなら、どう?』岡林くんの舌が、あたしの首筋を這った。『あああっ!』突然の快感に、体がこわばる。彼の唇が、あたしの首筋に何度も何度もキスをして、熱く熱をもった舌が、ねっとりと這いまわる。もう、背中までゾクゾクとした鳥肌が立って、あたしは思わず岡林くんの頭を引き寄せる。『んん……っ、あ、はぁ……っ、ん、もっと……もっと、舐め、て……』彼の顔を自分の首筋に押しつけると、彼は激しく舌を動かして愛撫してきた。キモチよくて足がもぞもぞしてくる。それを察してか、岡林くんが自分の太ももを、内側にこすり合わせるあたしの股の間に差し込んできた。『あ……ん……』わざと太ももをあたしのアソコにこすりつけてくる。あたしのアソコが、下着越しに刺激されて、あまりの快感にあたしは夢中で岡林くんに足を絡める。『あ、岡林くん、キモチいい……』『先生、エロイね……腰、動いてるよ?』『ああ……っ、い、いわないで……』もっと刺激がほしくて、彼の腰に手を回そうとしたとき――
彼の体が、私から離れた。
「はい、直りましたよ」
ええ!? 治ってないわよ、何いってるの、あたしのアソコの疼きはちっとも治ってなんか……あああ! い、いけない! うっかり妄想を現実に持ち込むところだったわ! 危なかった。あたしは疼いてなんかいないし、首にキスだってされてないし、ましてや彼の太ももでアソコをぐりぐりなんか、されてやいないんだから!!
「ああっ、いけない、楓ちゃんをほったらかしだわ! 早く戻らないと」
ついでに、すっかり楓ちゃんを応援することも忘れて、裏切り行為ともいえる岡林くんとのあれやこれやにうつつを抜かしていたわ! ごめん、本当にごめん、楓ちゃん! この埋め合わせは、必ず……!
よしよし、おいしいカクテルを味わいながら、二人とも会話が弾んでるみたい。なになに? 岡林くん、今は彼女いないんだ? やったわね、楓ちゃん! チャンスよ!
……そうそう、盛り上がってきたところで、邪魔者のあたしはちょっといなくなってあげて、っと……。
「少し酔い醒ましてくるわね」
そういっていそいそとトイレへ入る。……さて。ここでしばらく時間を潰して、っと……。
することもないから、便座に座って携帯を取り出す。
「『楓ちゃん。岡林先生、どう? 彼女がいなくてよかったわね! しばらく二人きりをお楽しみくださーい 藍原』……って、二人きりのときにメールしても、読めないか……てか、邪魔よね……」
……。今ごろふたり、どうしてるかしら……? 楓ちゃん、うまくやってるかしら? あたしは、いつまでここに閉じこもっていればいいのかしら……。やっぱりすることなくて、どうしてもメールしたくなっちゃう……。
「『……楓ちゃん。ちゃんとメアド交換するのよ? もしできなくても、いってくれればまたセッティングするからね! 楓ちゃん、ファイッ! 藍原』……ちょっとしつこいかしら……」
でも応援したいし……。でも、ちょっと待って。岡林くんの目の前で楓ちゃんにこんなメール送ったら、岡林くんに見られちゃう可能性あり!? それはまずいわよね、どうしよう、送信ボタン押しちゃったわ、今からなかったことにできないかしら――
「藍原先生? 大丈夫ですか?」
きゃあ! 突然トイレがノックされて、岡林くんの声! ま、まずいわ、あたしたちの作戦、バレた!? いやいや落ち着け、落ち着くのよ、香織! バレてるはずないわ、メールはたった今送ったばかりだもの!
「だだ大丈夫よ! 今出るから!」
ああダメ、テンパって声が上ずってるじゃないの! 何食わぬ顔して、出ないと……! そうそう、長いトイレをしていたふりをして、お水を流して……。
おそるおそるトイレから出たら、岡林くんが立っていた。大丈夫大丈夫、いたって普通な感じで、席に戻るのよ……っと思ったら。
ドン!
って、突然岡林くんの腕があたしの目の前に! とうせんぼされて、動けなくなる。
「……先生、顔、真っ赤だよ?」
岡林くんの整った顔が、ぐいっと目の前に迫る。ややややめて、そんな目で見られたら、何も聞かれてないのについすべて白状しそうになっちゃうじゃないの! そうよ、今日の夕食は、楓ちゃんとあなたをくっつけるためのミッションなのよ! だからせっかく二人きりにしてあげたのに、ダメよ岡林くん、こんなところにいたら! ていうか、こんな壁ドン状態のところ、万が一楓ちゃんに見られたらまずいじゃないの! 『藍原先生! 私と岡林先生を応援するふりして、本当は自分が狙ってたんですね!?』ってなって、修羅場になっちゃうわよ!? そこに、岡林くんのまさかの行動で、あたしはもう完全に頭が真っ白になった。
「先生、熱とかないですか?」
岡林くんの男らしい大きな手が、あたしの額に触れた。ち、近いんだってば、岡林くん! あなたはいろいろと、近すぎるのよ! そりゃもう、あなたのそのイケメンぶりと半端ない近さは、あたしのいろんなところを刺激しちゃうわけで……ああもうっ、楓ちゃんを応援しなきゃいけないのに、そんなことされたら……。
「あれ」
充分すぎるほど近かった岡林くんの顔が、突然視界から消えて……ええ!? ちょっと、なんで、顔、あたしの、首筋に……!
「ピアス、外れそう。そのまま、動かないで……」
岡林くんの熱い吐息が、耳にかかる。どうしよう、すごい熱い。岡林くんのふわふわの髪が、あたしの肌をくすぐって、その吐息が、あたしの耳をもてあそんで、そして、彼の指が、やさしくあたしの耳を愛撫して……
「あ……っ」
思わず声が漏れる。どうしよう、こんなことされて、感じるなっていうほうが無理だ。岡林くんの指が、ゆっくり、やさしく、さわさわとあたしの耳を撫でる。そこからじわじわと快感が広がって、体がしびれたようになる。『……ふふ、藍原先生、感じてるの……?』『ん……ッ、いや、耳は、だめ……』『可愛いね、先生。耳、感じるんだ? じゃあ……ここなら、どう?』岡林くんの舌が、あたしの首筋を這った。『あああっ!』突然の快感に、体がこわばる。彼の唇が、あたしの首筋に何度も何度もキスをして、熱く熱をもった舌が、ねっとりと這いまわる。もう、背中までゾクゾクとした鳥肌が立って、あたしは思わず岡林くんの頭を引き寄せる。『んん……っ、あ、はぁ……っ、ん、もっと……もっと、舐め、て……』彼の顔を自分の首筋に押しつけると、彼は激しく舌を動かして愛撫してきた。キモチよくて足がもぞもぞしてくる。それを察してか、岡林くんが自分の太ももを、内側にこすり合わせるあたしの股の間に差し込んできた。『あ……ん……』わざと太ももをあたしのアソコにこすりつけてくる。あたしのアソコが、下着越しに刺激されて、あまりの快感にあたしは夢中で岡林くんに足を絡める。『あ、岡林くん、キモチいい……』『先生、エロイね……腰、動いてるよ?』『ああ……っ、い、いわないで……』もっと刺激がほしくて、彼の腰に手を回そうとしたとき――
彼の体が、私から離れた。
「はい、直りましたよ」
ええ!? 治ってないわよ、何いってるの、あたしのアソコの疼きはちっとも治ってなんか……あああ! い、いけない! うっかり妄想を現実に持ち込むところだったわ! 危なかった。あたしは疼いてなんかいないし、首にキスだってされてないし、ましてや彼の太ももでアソコをぐりぐりなんか、されてやいないんだから!!
「ああっ、いけない、楓ちゃんをほったらかしだわ! 早く戻らないと」
ついでに、すっかり楓ちゃんを応援することも忘れて、裏切り行為ともいえる岡林くんとのあれやこれやにうつつを抜かしていたわ! ごめん、本当にごめん、楓ちゃん! この埋め合わせは、必ず……!
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