妄想女医・藍原香織の診察室

Piggy

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番外編

心の穴④

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「んう……」

 手のひらの中で、ぴくりと彼のものが跳ねる。中だけでもイケるけど、やっぱりこっちも気持ちいいんだ。もうこれ以上ないほど濡れて、潤ってる。後ろの穴を突きながらしごいてやると、みるみる彼のモノが膨張した。

「あ、はあっ、そこ、は……っ」

 また彼の声が甘くなって、呼吸が乱れ始める。

「もっと、イケるでしょ……?」

 細い首筋に吸いついて、それから右手で乳首をくりくりとこねる。また尻の穴がきゅっと締まって、彼が腕の中でビクビクと震え出した。

「あ、あ、や、キモチ、よくて……っ」
「いいよ、イってよ、中でもこっちでも」

 腰の律動を速めて、それから左手のスピードも上げる。手の中のモノがこれ以上ないほどガチガチに勃ったところで、彼が急に俺の手首をぎゅっと掴んだ。


「あっ、ダメっ、それ以上は……っ」

 それから涙目で、また俺を見た。熱い吐息がかかって、全身が粟立つ。でも、それだけじゃなかった。か細い声で、彼が俺に懇願した。

「ダメ……中で、イキたい……」

 ……こんな可愛い男が、存在するのか。もう一気に頭の中が沸騰したように熱くなって、俺はすぐさま彼の両脚を持って仰向けにした。つるんと俺のモノが抜けたけど、そんなのも一瞬で、俺は彼の両脚をぐいと持ち上げると、一気に彼を貫いた。

「ひあああっ」

 甲高い悲鳴が聞こえた。もう、我慢できない。あんまり激しくしたら、こんな繊細な体は、壊れてしまうだろうか。でも、そんなのも気にしていられなかった。ぱっくりとあいた彼の下の口に自分のモノをぶち込んで、それから激しく打ちつけた。抜けそうになるくらいに引いて、それから一気に打ち下ろして。ぐちゅぐちゅでぎゅうぎゅうに締めつける彼のそこに、ひたすらに抽送を繰り返した。

「ああっ、いいっ、もっとっ、奥っ、あぅ、そこが、好きですっ、ああ――!!」

 息もできないくらいの激しい喘ぎの合間を縫って、彼が懸命に言葉を発する。彼の両脚を肩に担いで、俺はその可愛い口を深く覆った。

「んっ、むぅ、んんっ、んんん――!」

 言葉を封じられた彼は、俺に応えようと従順に、そして懸命に舌を絡ませてくる。下の口に負けないくらい唾液で潤った彼の咥内を、乱暴に舐め回して、それから音を立てて吸う。存分に味わった頃には、もう俺の陰茎は限界に達していた。

「ああ……っ、も、イキそ……っ」

 真っ赤に上気した彼の顔の両脇に手を突いて、夢中で腰を打ちつけた。ギシギシと激しくきしむベッドの上で、彼が俺の両腕にしがみついた。

「ああっ、拓斗さんっ、いいっ、ああっ、もっと、もっと激しくして――ッ」

 これ以上ないほどの勢いで激しく股間を打ちつけると、彼の腰が大きく上下して、細い指が俺の腕に食い込んだ。

「ひあっ、イ、イ――あああっ……!」

 苦しそうな叫び声の後、一瞬彼の息が止まったように見えて。

「あ、出る――!」

 俺が達した瞬間、彼の陰茎から白濁した液体がほとばしった。ビクビクと痙攣するように体を震わせ、大きく開いた口は喘ぐようにわずかに動いて、それから彼は、ぎゅっと閉じていた目を薄く開くと、ゆっくりとベッドに全身を脱力した。

 何もかもが、初めてだった。行きずりの男と寝たのも。こんなに衝動のままにセックスしたのも。綺麗なその子の全身から立ち昇る、むせ返るほどの色気と情動は、夢の中に誘う媚薬のように、俺を包み込んだ。ひどく現実的で、そして非現実的な、夢。この夢の中でなら、すべてを忘れていられる。この子に夢中になっている間は、苦しみからも焦燥からも、解放される。……そうか、そういうことか。結局俺は、自分のために、この子に声をかけたってことか。この子はそれをわかっていて、俺を受け入れて――。

 少年が、じっと俺を見上げている。その目は穏やかで、悲し気で、やっぱりはかなげで。
 ……このまま、夢から醒めなければいい。彼が俺を癒しているのか、俺が彼を慰めているのか、その両方なのか、もう定かではないけれど。少なくとも、今は――この、今にも壊れそうな少年を、手放したくない。そう思った。
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