妄想女医・藍原香織の診察室

Piggy

文字の大きさ
上 下
278 / 309
障害編

75話【off duty】新條 浩平:「洗ってきて」(新條編)①

しおりを挟む
 熱いシャワーを、頭から浴びる。ずっと、浴び続ける。だんだん、酔いが醒めてきた……もう今さら、遅いけど。
 ……ああ、畜生。なんでこんなことになっちまったんだ。途中で歯止めをかけられるようなポイントは、あったはずなんだ。戸叶先生を、部屋にあげないとか。勧められても飲まないとか。俺には下心なんて、全然なかった。それは断言できる。でも結果的にこうなってしまったからには、最初に下心があったかどうかなんて、関係ない。俺は、藍原先生を傷つけた。その事実は変わらない。やめてともどいてともいったけど、俺の下半身が気持ちよかったのは事実だし、言い訳のしようがない。
 自分が情けなくて、涙が出てくる。そんな自分にも、嫌気がさす。今一番傷ついてるのは、藍原先生だ。一番泣いてるのも、藍原先生。俺は、藍原先生の恋人失格だ。愛想つかされても仕方ない。……でも。

 洗ってきて。

 そう叫んだときの、藍原先生の表情は……。すごく、怒っていて、でも……そんな怒りとどうにか折り合いをつけようと、必死なのも伝わってきて。先生が、俺を、許そうとしてくれている。それが、伝わってきた。先生が、俺を許す方法を見つけようともがいている。俺は、先生が許してくれるなら、何でもするつもりだった。

 小さな風呂場で、息苦しくなるほど熱いシャワーを浴びる。それから、石鹸を手に取って。のろのろと洗い始めようとしたとき、突然風呂場のドアが開いた。振り返ると、藍原先生が立っていた――全裸で。

「せ……先生!?」

 藍原先生は、まだ眉を上向きにして怒ったような顔で、でも、うっすらと頬を赤くして、一糸まとわぬ姿で入ってきた。

「せ、先生、どうし――」
「あたしが洗う」

 怒ったような口調で、先生がいった。

「あたしが、洗うの! 隅々まで! 納得いくまで!」

 子供がすねたときみたいないい方で、俺から石鹸をふんだくる。先生は両手で泡立てると、固まってる俺の顔にいきなり泡を押しつけた。

「ぶっ、せ、せんせ、それ、顔用じゃな――ぶふっ」

 いきなりのことで、泡が口に入ってむせる。でも先生はそんなのお構いなしだ。乱暴に俺の顔面を両手でごしごしと擦って、俺はとりあえず目をきつく瞑って息を堪える。先生の手は何周かして、最後にぐりぐりと俺の唇を擦って、それからぱっと離れた。息継ぎする間もそこそこに、今度は顔面にシャワーを当てられる。先生は背が小さいから、シャワーのビームが下から来て、鼻にお湯が入る。

「ぐっ、う、いた……っ」

 うっかり吸い込んでしまい、痛みに悶える。それでも先生は無視して、俺にシャワーをかけ続ける。泡が全部流れると、俺は恐る恐る目を開けた。先生のつり上がった目が、じっと俺を見ていた。その目がふっと緩んで、それから、少しだけ辛そうな顔で……先生の親指が、俺の唇を、そっと撫でた。きゅっきゅっと、両方の親指で何度も擦る。上も下も撫でて、それから先生は、泣きそうな顔で……一生懸命背伸びをして、そっと俺の唇に、キスをした。押し当てるような、キス。一度離れて、それからもう一度。もう一回離れたとき、先生の目尻から、一筋の涙が零れ落ちた。先生の唇が薄く開いて、俺の下唇を咥えた。何度も優しくはみ、それから今度は上唇を挟む。何度も何度も挟み込むようなキスをして、それからゆっくりと、先生の舌が俺の中に入ってきた。先生の腕は、身動きするなといわんばかりに俺の両腕を押さえつけていて、俺は、されるがままに愛撫を受ける。先生の舌が緩慢に俺の中を蠢いて、舌の周りをぐるりと一周する。それからそっと、先生の顔が離れた。先生の顔はまだ怒ったままだけど、その頬はさっきより上気して。
 先生は一言も発しずに、もう一度両手に石鹸を泡立てた。今度はその手を、俺の首筋に這わせる。

「……っ」

 その優しく滑らかな触り方に、うっかり体がびくつく。先生の両手はそのまま俺の肩から胸に下りてきて、じっくりと、俺の上半身を撫でた。脇の下も、臍の穴も、筋肉の割れ目まで見逃さずに、じっくりゆっくりと撫でる。それから指が、俺の両の乳首を撫でて、俺は思わず呻き声をあげる。何度も何度も先生の指先が俺の乳首を撫で回して、俺は情けないほどビクビクと体を震わせながらそれに耐える。わかってる、これは愛撫じゃない。気持ちいいけど、これは気持ちよくなっていいものじゃなくて、俺は、先生をただただ受け止めなきゃならない。それでも生理反応は止められなくて、さっき戸叶先生の中で一度イってしまった俺のモノが、情けなくもまた頭をもたげてくる。

 先生の両手は下半身に伸びて、両脚を丁寧に円を描くように洗い、それから上に戻ってきて――後ろに回り、俺のお尻を撫で上げた。思わず力が入る。向かい合って、お尻に手が回るように洗う先生は、ふわふわの大きな胸を俺の下腹部に押しつける形になっていて、それが、腕を動かすたびに上下左右に擦れて、乳首まで俺の皮膚を直接刺激してくる。俺に押しつけられてぴったりと潰れたふたつの乳房は、上から見るとその谷間が深い渓谷のように割れていて、目から肌から送り込まれる刺激に、しょうもない俺の本能は昂るばかりだ。

 先生の手は、お尻の膨らみを撫でたあと、前に回ってきて、俺の股を擦った。

「う……っ」

 必死に声を堪える。もう今や、先生の目の前には俺の勃起したチンコが。でも、そんなものは無視して、先生はひたすら股を擦る。それから両手が、俺のタマを優しく包み、くりくりと手のひらで転がし始めた。

「あ……っ、先生……っ」

 ダメだ、気持ちよすぎて我慢できない。でも先生は、まだ一言も話さない。ひょっとしたらこれは、罰なのかもしれない。戸叶先生にうっかり感じてしまった俺への、罰。俺は、先生の許可が出るまでは、されるがままでいなければならない。

 泡だらけで滑りのいい先生の手のひらから送り込まれる快感は、拷問に近いほど俺のチンコに信号を送る。先生の両手がもう一度後ろに回され、俺の尻の割れ目に滑り込んだ。思わず尻の穴を閉じる。先生は俺の下腹部に顔を押しつけるようにして、割れ目に手を差し込んだ。それと同時に、先生の胸の割れ目にも、勃起した俺のチンコが――
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜おっぱい編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート詰め合わせ♡

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜アソコ編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとエッチなショートショートつめあわせ♡

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜合体編〜♡

x頭金x
恋愛
♡ちょっとHなショートショートつめ合わせ♡

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

処理中です...