妄想女医・藍原香織の診察室

Piggy

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恋愛編

15-2話【daily work】外科医 西 克彦 42歳:カルテ探し(藍原編)②

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「ひゃああっ」

 思わず頭を抱えたあたしをかばうように、西先生が覆いかぶさってきて、あたしは思いきり床に倒れ込んだ。縮こまるあたしの上に四つん這いになって、西先生がかばってくれて――

「あっ、先生……っ」

 危ない! っていう間もなく。西先生の後頭部に、分厚いファイルの角が直撃!

 ゴスッ。

 鈍い音がして、西先生の頭が衝撃でえらい角度に……。

「ひゃあああ、先生、大丈夫ですか!?」

 がっくりとうなだれる西先生の後頭部を恐る恐る触ってみる……うわっ、もうたんこぶになってる。はやっ。血は出てないみたいだけど……。

「せ、先生……無事ですか……」

 西先生のおかげであたしは無傷だけど……。

「……ってぇ……。ああ、大丈夫です、これくらい……」

 いいながらゆっくりと頭を上げて……至近距離の西先生と、バチっと目があった――気がした。けど。

「……あれ? あ、あれ……」

 西先生が目をパチパチとさせて、慌てだす。

「あ……今ので、右目のコンタクト、落ちたみたいです……」
「え」

 ああ、そうだった! 西先生、ド近眼でコンタクトレンズなのよね! ま、また外れたの!?

「あっ、たぶんこの辺に落ちているはずです、藍原先生、ちょっと動かないでくれます? ハードなんです、割れたら家に帰れない……」
「先生、あたしが探しますよ!」
「大丈夫です、左目は入ってるので……ああ、でも全然焦点が合わない……」

 そりゃそうよ。左目だけ入ってても、気持ち悪くなるだけだわ。

「やっぱりあたしが」
「いやいや、右目を閉じればよく見えますから」

 そういって西先生が片目を閉じようとして――

「う……ぷぷっ」

 ぎゃは! 右目を閉じようとして、両目閉じてる! 西先生、ひょっとして、ウインクできないタイプ!? あまりに可愛くて、うっかり吹き出してしまった。西先生が途端に真っ赤になる。

「あ、ちょっと、動かないでくれますかね……ほら、あった」

 結局両目を開けて探すことにした先生が、倒れたままのあたしのすぐ横にある床に手を伸ばした。

「……先生、それ、ゴミですよ」
「えっ、本当ですか! ……ああ、じゃあこれかな?」

 西先生の指がちょっとだけずれて……

 ぷにっ。

「あんっ」

「!」

 ひ、ひ、ひゃああっ! まっ、まずいっ、焦点の合わない西先生の指がっ、ピンポイントにあたしの左の乳首にヒットし、完全にノーマークだったあたしはっ、これはもうごまかしようのないエロい声を……!
 西先生が完全に固まって、赤い顔がますます真っ赤になる。ううう、どうしよう、どうごまかせばいいの!? 『あんっ』なんていっちゃって、えっと、ええっと、あん……アン……

「せせせ先生! 大丈夫です! 今のはっ、えっと、アン、アンパンです! ちょうど患者さんにアンパンのおすそ分けをもらってですね、それを白衣の下にしまっていたのを忘れていましたっ! それはもうプニプニのアンパンでですね、断じておっぱいなわけでは……あわわ」

 あああっ、しまった、ついうっかり口がすべったけど、何とかなったかしら!? 西先生が、目を真ん丸にしてあたしを見てる。やだもう、墓穴掘った自分が恥ずかしくて、顔から火が出そう。

「あん、ぱん……?」

 西先生が繰り返す。

「はいっ、おいしそうなアンパンですっ!」

 西先生が、ニコッと笑った。『これ、あんぱん、ですか……?』西先生が、指でつんつんとあたしの乳首をつつく。『ああんっ』ああ、またあたしの口からごまかしようのない声が……! 『おいしそうなあんぱんですか。それはぜひ、食べてみたいですねぇ……』『あっ、ダメです、先生には差し上げられませ――ひゃあっ』先生の指が白衣のボタンを一つ外し、あたしのキャミソールをずり下げる。ぽろりとこぼれ出たあたしの左の胸を、西先生が優しく食んだ。生温かい感触に、思わず声が出る。『なるほど。確かにこれは、甘くておいしい』『ああっ、ダメっ、西せんせ……っ、あっ、は……っ』大きく口を開けてあたしの乳房を口に含みながら、舌を左右に動かして頭をもたげた乳首を優しくねぶる。甘い快感が全身に広がって、西先生の体の下で、あたしは身もだえる。『ああっ、ダメです、先生、あ、い、キモチよすぎて……っ』立ち上がった敏感な突起をしつこく舌で転がし続ける西先生に、あたしはもう一気に体が火照って、その熱が下半身の一点に集中する。『ああっ、先生……っ、はあっ、ダメです、我慢、できない……っ、はぁ、あ、あそこ、触ってください……』腿をこすり合わせてもじもじするあたしは、早く下の突起も触ってほしくて、先生に懇願する。西先生は嬉しそうに目を細めて……『気が早いね、君は。……まだですよ。まだまだ、そこに触れるのは、もっと後だ……』そして意地悪く、ただひたすらに左の乳首だけをいじめ続ける。『ああっ、くぅ、んんっ、も、もうダメです、お、お願いです……ッ』アソコの疼きはもう限界で、心臓よりもあの秘裂に眠る小さな突起のほうが、ズクズクと強い拍動を感じて今にも悲鳴をあげそうだ。『ふふ、そんなに触ってほしいんですか? ああ、刺激を欲しがって、こんなにもいやらしく腰がうごめいていますよ……』『あああっ、ふっ、んっ、……っあ、せんせ……いじわる……っ』あたしは半泣きになりながら、もう我慢できなくて、腰を上げて西先生の体に擦り付ける。先生の手を取って、熱くなったあたしのアソコに、ゆっくりと……

「……藍原先生」

 突然、強い力で肩を掴まれた。ハッと我に返ると、西先生が目を大きくしたままあたしを凝視していた。
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