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迷走編
71話【off duty】新條 浩平 21歳:ハッピーバースデー(新條編)②
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「いやあ、おまえ、いつからそうなの? 水臭いなあ、教えてくれよぉ。なあ、おまえら、もうヤッたの? そりゃあヤッたんだよねぇ、ブラまで脱ぎ捨ててんだもんねぇ、ああチクショー羨ましいなあ、おまえ、先生のデカいおっぱい揉んだのかよー」
「きさまマジぶっ殺すよ? 先生の前で何いっちゃってんの」
「あっ、いいのよ、新條くんっ、これくらい気にしないからっ」
いやいや、気にしていいよ。こいつ、酔っぱらってるからってどんだけ失礼なこといってんだよ。そういうのはせめて男だけのときに話せよ……。
「え? ねえ、おまえ付き合ってんのにまだ先生って呼んでんの? ぎゃは、だっさ!」
「うるせーよ、俺の勝手だろ」
やっぱり追い出そうかな。
「先生だってさぁ、こいつのどこに惚れたわけ? こんなさぁ、ヘタレのショボチン野郎」
「あら、新條くんはショボチンじゃないわよ?」
「えええーーーッ!? なになに、でかチン!? いやいや、先生見たじゃん、こいつが救急外来運ばれたとき、チンコめちゃ小さかっただろ?」
「だからあれは、酔っぱらってたからでしょ。勃起したときの新條くんは、すごいんだから」
「ぎゃはーーー!! 藍原先生、いいッ! イイねっ、いいキャラだねッ!!」
大橋が転げ回って喜んでる。……先生、いちいち真面目に答えすぎなんだよ……。
「じゃあ何、こいつのナニに惚れたわけ!?」
「もちろん違うわよ」
「じゃあこいつのどこに惚れる要素があるわけ!?」
「……大橋くん、新條くんと仲良しなんだから、わかるでしょ?」
「全然わかんねーっ!」
「……新條くんて、あったかいじゃない?」
……先生。俺は今、きゅんとしました。先生は俺のこと、そんなふうに思ってくれてたんだ? なんだかすごく、幸せだ。
「先生ー! 先生、こんなやつ彼氏にするなんて、絶対失敗だよ! 先生ならもっとハイスペックな彼氏、絶対見つけられるでしょ! 周りは医者だらけなんだしさあ、いい寄られたりとかもするんでしょ? なんでこいつなの!」
失敗とは聞き捨てならないが……後半は、俺もそう思う。なんで俺なんだ?
「そんなこといわれても……体がいいなって思うのと、心がいいなって思うのは、違うでしょ?」
先生、それ以上しゃべらないほうがいいと思うぞ。ちょっと墓穴を掘りつつあるぞ?
「うっわ、先生エロッ! 体の相性で彼氏を選んだりはしないってこと? それってやっぱりさ、新條はヘタクソってこと?」
「そんなことないわ。新條くんは……上手よ」
「ぎゃああああ! マジかーーー!!」
最後だけためらいがちに、ぽっと頬を赤く染めて告白した先生を見て、大橋が悶絶してる。
「先生、ちょっと、もうしゃべらないで? いろいろとまずいって……」
ああもう、差し入れの缶チューハイ飲みすぎて、先生も酔っぱらってるんじゃないのか? ……上手っていってもらえたのは、うれしいけど……。
「そうかあ、新條意外とうまいのかあ、チクショー妬けるなあ、まさか俺も諦めたこのデカパイを、おまえが揉むとはなあ……」
「まだその話かよ。諦めたっておまえ、最初から楓さん狙いだろ? 何いってんだよ」
「いやいや、おっぱいはまた別よ~。やっぱりさ、大きいおっぱいも、揉んでみたいじゃん?」
そういって大橋が、エロい目で藍原先生の胸元に両手を伸ばす。
「てめえふざけんなよッ!? 何やろうとしてんだよ、縁切るぞ!?」
慌てて大橋を押し倒す。なんだよこいつ、俺の目の前で何しようとしてんだよ!
そのとき。
ピンポーン。
インターホンが鳴って、楓さんが現れた! まじで来たのか、楓さん。
「いえーい、21歳おめでとう、新條くん! そして! カップル成立おめでとーっ!!」
うわ、最初からテンション高いな、この人も。……てか、楓さんもすでに出来上がってる。ふたりとも違う場所で飲んでたのか?
「新條くん! これ! 誕生日プレゼント~」
ほんのり赤ら顔の楓さんは、無造作に俺の目の前にコンビニの袋を投げた。途中で適当に買ってきたのか……。
「あ、ありがとうござ――いいッ!?」
中を見て驚く。これ……コンドームじゃん。
「これねー、大橋くんお勧めのゴム~! なんかね、破れにくいし、すっごく薄くて、まるでつけてないみたいなんだって! 早速今夜使ってよ、ね、藍原先生!」
「えっ、あっ、そ、そうねっ、そのあたりは、新條くんにお任せするわッ」
「……今夜は大橋のせいで完全に潰されましたけど」
「え、なに? こいつのせいで?」
楓さんが足元に転がってる大橋を一瞥して、蹴りを入れる。
「大橋! あんたなんでいいとこで乱入しちゃうのよ!」
おお、楓さん、いいSっぷりを発揮してる。
「いやっ、でも楓さんッ、俺がグッドタイミングで乱入したおかげで、こいつと先生が付き合ってるってわかったんだよ!? 俺、むしろグッジョブじゃない!?」
楓さんが現れた途端ヘタレになる大橋も面白い。楓さんは蹴りをやめてうなずいた。
「……そっか。それもそうね。大橋くん、グッジョブ!」
「うぇーい!」
結局二人でハイタッチかよ。やっぱり仲いいんだな。楓さんはそれから藍原先生のほうを見ると、満面の笑みで抱きついた。
「藍原せんせーい! あたし、なんか、すごくうれしいですぅ~! 冴えないけど優しい人見つけて、ホントよかったですぅ~」
楓さんまでさりげなく俺をディスるんだな。でも先生はそんなことまったく気にしてない(いや、気づかない)様子で喜んでる。
「ありがとう楓ちゃん」
「先生には~、いつもお世話になってばかりで迷惑もかけてばっかりだったから……あれ、先生、ノーブラ?」
抱きついた先生の感触で気づいたのか? 楓さんがためらいなく、むぎゅっと先生の両胸を掴んだ!
「あんッ! や、やだ楓ちゃんっ」
すごい、女同士だとこんなにお手軽に揉めるんだな。しかも先生、ちょっと感じちゃってるし。
「あれ、先生、キモチよくなっちゃいました? さっきまでやってたっていうの、ホントだったんだ!?」
「あっ、ちょっと、楓ちゃん、酔っ払い過ぎっ、あっ、ダメ、あぅっ」
ひゃああ、ダメだ楓さん、藍原先生は感じやすいんだからっ、大橋もいる前でそれはダメだ!
「かっ、楓さんっ! 先生のおっぱい触っちゃダメです!」
「いいじゃん、減るもんじゃないし~」
「いいなあ楓さん、俺だってまだ揉んでないのにぃ~」
「は? 大橋、今、なんていった?」
どさくさに紛れた大橋の発言を、楓さんは見逃さない。
「やっぱりあんた、デカパイが好きなんだ!? あたしの小さいのが好きとかいっといて、やっぱり嘘だったんだ!? そういえば簡単にヤレると思ってー!」
「ちっ、違うよっ、ヤレるも何も、最初に襲ってきたの楓さんだったし」
「はああっ!?」
「ああっ、嘘です勘違いです、俺が襲いました」
またドタバタと喧嘩が始まった。
「ちょっと、二人とも落ち着いてよ。ねえ、二人こそ、付き合ってるんでしょ?」
藍原先生がとりなす。
「付き合ってるつもりっす!」
「んなわけないでしょ、藍原先生!」
相変わらず意見は合わないな。
「あっ、ねえ、じゃあ今度さ、みんなで泊まり旅行とか行かない? 四人で行ったら、絶対楽しいよ。温泉旅行とかさっ、1泊でさ!」
突然大橋が提案してきた。そうやって俺と先生をダシに使って、本当は自分が楓さんとお泊まりしたいだけなの、見え見え。……だけど。それ、いい案だな。俺は俺で、大橋と楓さんをくっつけるという名目で、先生とイチャイチャできる。……最高じゃん。たまにはいいこというじゃん、大橋。
「いいね、先生。1泊なら、週末に時間とれる?」
先生は迷うことなく承諾してくれた。
「いいわね! 楓ちゃんと大橋くんなら、文句ないわ! 温泉も大好きだし」
「やったね! 決まり! じゃあ俺、いいとこ探しとくから!」
「ちょっと、何勝手に決めてんのよ、あたしの気持ちはどうなんのよ!?」
抵抗するのは楓さんだけ。でも、3対1であっさり説得されて、大橋はルンルンだ。
「おっし、じゃあ改めて、新條の誕生日と、カップル誕生と、温泉旅行を祝って! かんぱーい!」
結局大橋は、楓さんに叱られたりいじられたりしながらも、ずっと楽しそうに飲んでいて。今のことろ、前みたいにふたりがおっぱじめることもなくて。藍原先生はほろ酔いでずっとニコニコしていて。……こいつらやっぱり、まったく帰る気はないみたいだ。でも……。
藍原先生が、俺の肩に頭を乗っけてきた。
「ねえ、新條くん。……こういう誕生日も、すてきね? お祝いしてくれる友達がいて、一緒に飲んで騒げる友達がいて。こういうのって、すごくいいね」
先生が、とろんと眠そうな目で、でも幸せそうな笑顔で、俺にいう。自然と俺も、笑みがこぼれた。
「……そうだね」
それもそうだ。なんだかんだで俺の誕生日を覚えてくれていた大橋が、どうやら飲み会の2件目扱いとはいえ俺のお祝いに来てくれて。連絡を受けた楓さんがすぐ飛んできてくれて、妙なプレゼントまでくれて。一緒に旅行の予定まで組んじゃって。……こういうのも、悪くない。
そのあと、大橋と楓さんは酒を空けまくって最終的には床で爆睡し。藍原先生まで、俺の膝の上ですやすやと眠ってしまった。横向きで寝るノーブラの先生のおっぱいが、ブラウスの隙間から俺に向かってこれでもかと谷間を主張してきたけど、俺ももう眠気には勝てなくて、その谷間に手だけ突っ込んで、寝た。21歳の、誕生日。本当は藍原先生とふたりきりで過ごしたかったけど……これはこれで、悪くない。
「きさまマジぶっ殺すよ? 先生の前で何いっちゃってんの」
「あっ、いいのよ、新條くんっ、これくらい気にしないからっ」
いやいや、気にしていいよ。こいつ、酔っぱらってるからってどんだけ失礼なこといってんだよ。そういうのはせめて男だけのときに話せよ……。
「え? ねえ、おまえ付き合ってんのにまだ先生って呼んでんの? ぎゃは、だっさ!」
「うるせーよ、俺の勝手だろ」
やっぱり追い出そうかな。
「先生だってさぁ、こいつのどこに惚れたわけ? こんなさぁ、ヘタレのショボチン野郎」
「あら、新條くんはショボチンじゃないわよ?」
「えええーーーッ!? なになに、でかチン!? いやいや、先生見たじゃん、こいつが救急外来運ばれたとき、チンコめちゃ小さかっただろ?」
「だからあれは、酔っぱらってたからでしょ。勃起したときの新條くんは、すごいんだから」
「ぎゃはーーー!! 藍原先生、いいッ! イイねっ、いいキャラだねッ!!」
大橋が転げ回って喜んでる。……先生、いちいち真面目に答えすぎなんだよ……。
「じゃあ何、こいつのナニに惚れたわけ!?」
「もちろん違うわよ」
「じゃあこいつのどこに惚れる要素があるわけ!?」
「……大橋くん、新條くんと仲良しなんだから、わかるでしょ?」
「全然わかんねーっ!」
「……新條くんて、あったかいじゃない?」
……先生。俺は今、きゅんとしました。先生は俺のこと、そんなふうに思ってくれてたんだ? なんだかすごく、幸せだ。
「先生ー! 先生、こんなやつ彼氏にするなんて、絶対失敗だよ! 先生ならもっとハイスペックな彼氏、絶対見つけられるでしょ! 周りは医者だらけなんだしさあ、いい寄られたりとかもするんでしょ? なんでこいつなの!」
失敗とは聞き捨てならないが……後半は、俺もそう思う。なんで俺なんだ?
「そんなこといわれても……体がいいなって思うのと、心がいいなって思うのは、違うでしょ?」
先生、それ以上しゃべらないほうがいいと思うぞ。ちょっと墓穴を掘りつつあるぞ?
「うっわ、先生エロッ! 体の相性で彼氏を選んだりはしないってこと? それってやっぱりさ、新條はヘタクソってこと?」
「そんなことないわ。新條くんは……上手よ」
「ぎゃああああ! マジかーーー!!」
最後だけためらいがちに、ぽっと頬を赤く染めて告白した先生を見て、大橋が悶絶してる。
「先生、ちょっと、もうしゃべらないで? いろいろとまずいって……」
ああもう、差し入れの缶チューハイ飲みすぎて、先生も酔っぱらってるんじゃないのか? ……上手っていってもらえたのは、うれしいけど……。
「そうかあ、新條意外とうまいのかあ、チクショー妬けるなあ、まさか俺も諦めたこのデカパイを、おまえが揉むとはなあ……」
「まだその話かよ。諦めたっておまえ、最初から楓さん狙いだろ? 何いってんだよ」
「いやいや、おっぱいはまた別よ~。やっぱりさ、大きいおっぱいも、揉んでみたいじゃん?」
そういって大橋が、エロい目で藍原先生の胸元に両手を伸ばす。
「てめえふざけんなよッ!? 何やろうとしてんだよ、縁切るぞ!?」
慌てて大橋を押し倒す。なんだよこいつ、俺の目の前で何しようとしてんだよ!
そのとき。
ピンポーン。
インターホンが鳴って、楓さんが現れた! まじで来たのか、楓さん。
「いえーい、21歳おめでとう、新條くん! そして! カップル成立おめでとーっ!!」
うわ、最初からテンション高いな、この人も。……てか、楓さんもすでに出来上がってる。ふたりとも違う場所で飲んでたのか?
「新條くん! これ! 誕生日プレゼント~」
ほんのり赤ら顔の楓さんは、無造作に俺の目の前にコンビニの袋を投げた。途中で適当に買ってきたのか……。
「あ、ありがとうござ――いいッ!?」
中を見て驚く。これ……コンドームじゃん。
「これねー、大橋くんお勧めのゴム~! なんかね、破れにくいし、すっごく薄くて、まるでつけてないみたいなんだって! 早速今夜使ってよ、ね、藍原先生!」
「えっ、あっ、そ、そうねっ、そのあたりは、新條くんにお任せするわッ」
「……今夜は大橋のせいで完全に潰されましたけど」
「え、なに? こいつのせいで?」
楓さんが足元に転がってる大橋を一瞥して、蹴りを入れる。
「大橋! あんたなんでいいとこで乱入しちゃうのよ!」
おお、楓さん、いいSっぷりを発揮してる。
「いやっ、でも楓さんッ、俺がグッドタイミングで乱入したおかげで、こいつと先生が付き合ってるってわかったんだよ!? 俺、むしろグッジョブじゃない!?」
楓さんが現れた途端ヘタレになる大橋も面白い。楓さんは蹴りをやめてうなずいた。
「……そっか。それもそうね。大橋くん、グッジョブ!」
「うぇーい!」
結局二人でハイタッチかよ。やっぱり仲いいんだな。楓さんはそれから藍原先生のほうを見ると、満面の笑みで抱きついた。
「藍原せんせーい! あたし、なんか、すごくうれしいですぅ~! 冴えないけど優しい人見つけて、ホントよかったですぅ~」
楓さんまでさりげなく俺をディスるんだな。でも先生はそんなことまったく気にしてない(いや、気づかない)様子で喜んでる。
「ありがとう楓ちゃん」
「先生には~、いつもお世話になってばかりで迷惑もかけてばっかりだったから……あれ、先生、ノーブラ?」
抱きついた先生の感触で気づいたのか? 楓さんがためらいなく、むぎゅっと先生の両胸を掴んだ!
「あんッ! や、やだ楓ちゃんっ」
すごい、女同士だとこんなにお手軽に揉めるんだな。しかも先生、ちょっと感じちゃってるし。
「あれ、先生、キモチよくなっちゃいました? さっきまでやってたっていうの、ホントだったんだ!?」
「あっ、ちょっと、楓ちゃん、酔っ払い過ぎっ、あっ、ダメ、あぅっ」
ひゃああ、ダメだ楓さん、藍原先生は感じやすいんだからっ、大橋もいる前でそれはダメだ!
「かっ、楓さんっ! 先生のおっぱい触っちゃダメです!」
「いいじゃん、減るもんじゃないし~」
「いいなあ楓さん、俺だってまだ揉んでないのにぃ~」
「は? 大橋、今、なんていった?」
どさくさに紛れた大橋の発言を、楓さんは見逃さない。
「やっぱりあんた、デカパイが好きなんだ!? あたしの小さいのが好きとかいっといて、やっぱり嘘だったんだ!? そういえば簡単にヤレると思ってー!」
「ちっ、違うよっ、ヤレるも何も、最初に襲ってきたの楓さんだったし」
「はああっ!?」
「ああっ、嘘です勘違いです、俺が襲いました」
またドタバタと喧嘩が始まった。
「ちょっと、二人とも落ち着いてよ。ねえ、二人こそ、付き合ってるんでしょ?」
藍原先生がとりなす。
「付き合ってるつもりっす!」
「んなわけないでしょ、藍原先生!」
相変わらず意見は合わないな。
「あっ、ねえ、じゃあ今度さ、みんなで泊まり旅行とか行かない? 四人で行ったら、絶対楽しいよ。温泉旅行とかさっ、1泊でさ!」
突然大橋が提案してきた。そうやって俺と先生をダシに使って、本当は自分が楓さんとお泊まりしたいだけなの、見え見え。……だけど。それ、いい案だな。俺は俺で、大橋と楓さんをくっつけるという名目で、先生とイチャイチャできる。……最高じゃん。たまにはいいこというじゃん、大橋。
「いいね、先生。1泊なら、週末に時間とれる?」
先生は迷うことなく承諾してくれた。
「いいわね! 楓ちゃんと大橋くんなら、文句ないわ! 温泉も大好きだし」
「やったね! 決まり! じゃあ俺、いいとこ探しとくから!」
「ちょっと、何勝手に決めてんのよ、あたしの気持ちはどうなんのよ!?」
抵抗するのは楓さんだけ。でも、3対1であっさり説得されて、大橋はルンルンだ。
「おっし、じゃあ改めて、新條の誕生日と、カップル誕生と、温泉旅行を祝って! かんぱーい!」
結局大橋は、楓さんに叱られたりいじられたりしながらも、ずっと楽しそうに飲んでいて。今のことろ、前みたいにふたりがおっぱじめることもなくて。藍原先生はほろ酔いでずっとニコニコしていて。……こいつらやっぱり、まったく帰る気はないみたいだ。でも……。
藍原先生が、俺の肩に頭を乗っけてきた。
「ねえ、新條くん。……こういう誕生日も、すてきね? お祝いしてくれる友達がいて、一緒に飲んで騒げる友達がいて。こういうのって、すごくいいね」
先生が、とろんと眠そうな目で、でも幸せそうな笑顔で、俺にいう。自然と俺も、笑みがこぼれた。
「……そうだね」
それもそうだ。なんだかんだで俺の誕生日を覚えてくれていた大橋が、どうやら飲み会の2件目扱いとはいえ俺のお祝いに来てくれて。連絡を受けた楓さんがすぐ飛んできてくれて、妙なプレゼントまでくれて。一緒に旅行の予定まで組んじゃって。……こういうのも、悪くない。
そのあと、大橋と楓さんは酒を空けまくって最終的には床で爆睡し。藍原先生まで、俺の膝の上ですやすやと眠ってしまった。横向きで寝るノーブラの先生のおっぱいが、ブラウスの隙間から俺に向かってこれでもかと谷間を主張してきたけど、俺ももう眠気には勝てなくて、その谷間に手だけ突っ込んで、寝た。21歳の、誕生日。本当は藍原先生とふたりきりで過ごしたかったけど……これはこれで、悪くない。
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