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迷走編
6話【off duty】小山内 慎一 23歳:「遊びに行かない?」(藍原編)
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ああ、思い出した! この前の合コンにいた人だ。やだ、あたしったら、いつの間に連絡先交換してたんだろう? 悩んだ末に、とりあえず出てみる。
「……もしもし、藍原です」
『あ、香織ちゃん? 俺、慎一。こないだは楽しかったよ』
「あ、どうも……」
妙に馴れ馴れしいのがやっぱり気になるけど。
『あのさ、今度一緒に、遊びに行かない?』
え、これって、デートのお誘い? ダメダメ、ふたりきりでデートなんて絶対無理だってば。新條くんみたいな奥手なタイプですらあんなに妄想大爆発しちゃったんだから、小山内くんみたいに押しが強いタイプはなおさら、危険極まりないわ!
「えーと、最近仕事が立て込んでて……」
『そっか、やっぱりお医者さんて忙しいんだね』
「う……ん……」
ああ、罪悪感……。こういうときって、はっきりその気はないってお断りしたほうがいいのかしら?
『それとも、あれ? こないだ会ったばかりだし、いきなり誘われてもやっぱりびっくりしちゃうよね』
「そ、そうね……」
やだ、うっかり認めちゃったじゃない。仕事のせいにしてお断りしようとしたのに、早速ボロが出てるわ、あたし……。小山内くん、気分悪くしたかな?
『じゃあさ、ほかの奴らも誘ってみんなで遊びに行くの、どう?』
「え?」
『香織ちゃんの知り合いだと、ほら、大橋とか楓ちゃんとかでしょ』
「そうだけど……」
『じゃあ、今度その四人で遊びに行かない?』
大橋くんと楓ちゃん? そういえばあのふたり、いつの間にか連絡とり合ってたみたいで、仲は悪くないようだけど、楓ちゃんの様子だと、付き合ってるわけでもなさそうだった。……大橋くんの、片思いかしら? 楓ちゃんはまだ岡林くんのこと完全には忘れてないみたいだし……。大橋くんも悪い子じゃないから、楓ちゃん、もっと大橋くんと仲良くなれば、失恋も乗り越えられるんじゃないかしら……。
「……そうね、四人だったら……」
何だか名案な気がしてきた! あのふたり、どうやら体の相性はばっちりみたいだから、ちょっと順番は違うけど、心も通じ合えば、意外といいカップルになると思うのよね。
『よし、決まり! 俺、大橋に連絡しとくから。香織ちゃんは、楓ちゃんに話してさ、都合のいい日相談しよう』
「……もしもし、藍原です」
『あ、香織ちゃん? 俺、慎一。こないだは楽しかったよ』
「あ、どうも……」
妙に馴れ馴れしいのがやっぱり気になるけど。
『あのさ、今度一緒に、遊びに行かない?』
え、これって、デートのお誘い? ダメダメ、ふたりきりでデートなんて絶対無理だってば。新條くんみたいな奥手なタイプですらあんなに妄想大爆発しちゃったんだから、小山内くんみたいに押しが強いタイプはなおさら、危険極まりないわ!
「えーと、最近仕事が立て込んでて……」
『そっか、やっぱりお医者さんて忙しいんだね』
「う……ん……」
ああ、罪悪感……。こういうときって、はっきりその気はないってお断りしたほうがいいのかしら?
『それとも、あれ? こないだ会ったばかりだし、いきなり誘われてもやっぱりびっくりしちゃうよね』
「そ、そうね……」
やだ、うっかり認めちゃったじゃない。仕事のせいにしてお断りしようとしたのに、早速ボロが出てるわ、あたし……。小山内くん、気分悪くしたかな?
『じゃあさ、ほかの奴らも誘ってみんなで遊びに行くの、どう?』
「え?」
『香織ちゃんの知り合いだと、ほら、大橋とか楓ちゃんとかでしょ』
「そうだけど……」
『じゃあ、今度その四人で遊びに行かない?』
大橋くんと楓ちゃん? そういえばあのふたり、いつの間にか連絡とり合ってたみたいで、仲は悪くないようだけど、楓ちゃんの様子だと、付き合ってるわけでもなさそうだった。……大橋くんの、片思いかしら? 楓ちゃんはまだ岡林くんのこと完全には忘れてないみたいだし……。大橋くんも悪い子じゃないから、楓ちゃん、もっと大橋くんと仲良くなれば、失恋も乗り越えられるんじゃないかしら……。
「……そうね、四人だったら……」
何だか名案な気がしてきた! あのふたり、どうやら体の相性はばっちりみたいだから、ちょっと順番は違うけど、心も通じ合えば、意外といいカップルになると思うのよね。
『よし、決まり! 俺、大橋に連絡しとくから。香織ちゃんは、楓ちゃんに話してさ、都合のいい日相談しよう』
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