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恋愛編
44話【daily work】林 惣之助:肺炎(藍原編)②
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とはいえ、あの林さんの正体というか素性というか、ますます気になっちゃって。午前の仕事を終えて医局に戻ってから、パソコンで『林惣之助』でググって見ると……。
「出た! わりと有名なのかしら? どれどれ、作品は……」
ポチッと押した瞬間。
「こっ、これは……っっ!」
人物画、どころじゃない……。こ、これは、完全に……裸体、だわ。
「なんすか先生、何が出てきました?」
東海林くんが横からモニターを覗いて歓喜の声をあげた。
「キタ―――! キタコレ! コレ、来ましたね!!」
「東海林くん、ちょっと日本語がおかしいわよ」
「これ、ヌードばっかじゃないっすか! うっひゃー、エロッ!」
「芸術作品に向かってエロいなんていうもんじゃないわ」
一応たしなめてはみたものの……。
ゴクッ。
つい、生唾を飲み込む。
出てきた絵は、白黒の鉛筆画みたいなのと、油絵っぽいのと、いろいろだったけど。どれも……女性の、裸。ときどき、少しだけ服とか布とか家具とかで大事な部分が隠れてたりもするけど、まあ、ほぼ、全裸。ところどころに、ダビデ像みたいな男の人の裸も。……男女どっちも描くものなのね。でも、これは確かに……え、エロいわね……。なんていうか、すごくきれいで、官能的。エロいなんて下品な言葉で終わらせてはいけないような、上質の性的魅力っていうのかしら? とにかく、第一印象は、『美しい』だった。そして、『官能的』。そうか、『官能的』っていうのは、『美しい』の一部なんだ。この作品は、性的要素を感じさせるからこそ、美しい。きっと、そういうことなのね。
「ほら先生、男のモデルもいる。さっきの凛太郎くんみたいなきれいな男の絵ですよ。やっぱりあいつ、モデルなんすよ! いやー俺、やっぱり林さんはゲイだと思うなあ! 先生、どう思います?」
「どうって……」
凛太郎くんと林さんを、思い出してみる。『凛太郎くん、服脱いで、ポーズをとってくれるかな』『はい、先生』『そうそう、そういう感じだよ』『……先生……』『……おや? 凛太郎くん、さっきと陰茎の角度がちょっと違うね。同じポーズじゃないと困るね』『す、すみません……先生に見つめられて、僕……感じちゃって……』『……ふむ。角度だけではない。形状まで変化している。困ったね、どうにか元に戻してもらわないと、デッサンが進まない』『すみません、先生……。でも、先生といると……』凛太郎くんがポーズを崩して、林先生の足元にひざまずく。『先生に……抱いてもらわないと……体の疼きが、止まりません……』そして林さんのベルトを外し、ズボンを下ろす。『先生……僕を、抱いてください……』そして林さんの股間にあるものに、愛おしそうに頬ずりをして……『これを、僕に、入れてください……』『凛太郎くん……ああ……っ』凛太郎くんの小さな口が林さんのモノをほおばり、おいしそうに音を立てて愛撫する。林さんはキモチよさそうに凛太郎くんの頭を引き寄せて、柔らかい髪を撫でる。『んっ、んんっ、はっ、せん、せい……!』凛太郎くんは四つん這いになって夢中でフェラチオをしながら、一方の手を自分のお尻のほうへ伸ばし……『ふぅ……っ、ああ……っ!』細くて長い中指を、つぷり、と自分の肛門へ差し入れる。凛太郎くんの穴はヒクヒクとうごめき、抜き差しされる指の動きに合わせて、次第にそこからクチ、クチュ、と卑猥な音が漏れ始める。完全に勃起した凛太郎くん自身の先端からは、透明の粘調な液体が糸を引いて床に落ち……『はあっ、はあ……っ、林先生……っ、僕、もう、我慢できません……っ! 早く、先生のを、入れてください……っ』美しい顔を歪ませ、凛太郎くんが腰をくねらせながら林先生へねだる。『ああ……凛太郎くん……感じている君の、なんと美しいことか……その顔を、もっと快楽に歪ませたい。絶頂を迎える君を、私のキャンバスに残したい……っ!』
……とか、そういう感じになるのかってこと!? うう~、まあ、そういうのもアリな気はするけど、仕事は仕事で割り切ってる気もするし、う~ん、どうなんだろう!? でも、あるかないかはわからないけど、もし、あるとしたら……。
「……凛太郎くんは、受けだと思う」
「キタ――! リアルBL! いやあ、あのふたりから、もう目ぇ離せませんねっ!」
こんなくだらないことで盛り上がれる東海林くんも東海林くんだわ。……のせられてBL妄想しちゃうあたしもあたしだけど……。
「出た! わりと有名なのかしら? どれどれ、作品は……」
ポチッと押した瞬間。
「こっ、これは……っっ!」
人物画、どころじゃない……。こ、これは、完全に……裸体、だわ。
「なんすか先生、何が出てきました?」
東海林くんが横からモニターを覗いて歓喜の声をあげた。
「キタ―――! キタコレ! コレ、来ましたね!!」
「東海林くん、ちょっと日本語がおかしいわよ」
「これ、ヌードばっかじゃないっすか! うっひゃー、エロッ!」
「芸術作品に向かってエロいなんていうもんじゃないわ」
一応たしなめてはみたものの……。
ゴクッ。
つい、生唾を飲み込む。
出てきた絵は、白黒の鉛筆画みたいなのと、油絵っぽいのと、いろいろだったけど。どれも……女性の、裸。ときどき、少しだけ服とか布とか家具とかで大事な部分が隠れてたりもするけど、まあ、ほぼ、全裸。ところどころに、ダビデ像みたいな男の人の裸も。……男女どっちも描くものなのね。でも、これは確かに……え、エロいわね……。なんていうか、すごくきれいで、官能的。エロいなんて下品な言葉で終わらせてはいけないような、上質の性的魅力っていうのかしら? とにかく、第一印象は、『美しい』だった。そして、『官能的』。そうか、『官能的』っていうのは、『美しい』の一部なんだ。この作品は、性的要素を感じさせるからこそ、美しい。きっと、そういうことなのね。
「ほら先生、男のモデルもいる。さっきの凛太郎くんみたいなきれいな男の絵ですよ。やっぱりあいつ、モデルなんすよ! いやー俺、やっぱり林さんはゲイだと思うなあ! 先生、どう思います?」
「どうって……」
凛太郎くんと林さんを、思い出してみる。『凛太郎くん、服脱いで、ポーズをとってくれるかな』『はい、先生』『そうそう、そういう感じだよ』『……先生……』『……おや? 凛太郎くん、さっきと陰茎の角度がちょっと違うね。同じポーズじゃないと困るね』『す、すみません……先生に見つめられて、僕……感じちゃって……』『……ふむ。角度だけではない。形状まで変化している。困ったね、どうにか元に戻してもらわないと、デッサンが進まない』『すみません、先生……。でも、先生といると……』凛太郎くんがポーズを崩して、林先生の足元にひざまずく。『先生に……抱いてもらわないと……体の疼きが、止まりません……』そして林さんのベルトを外し、ズボンを下ろす。『先生……僕を、抱いてください……』そして林さんの股間にあるものに、愛おしそうに頬ずりをして……『これを、僕に、入れてください……』『凛太郎くん……ああ……っ』凛太郎くんの小さな口が林さんのモノをほおばり、おいしそうに音を立てて愛撫する。林さんはキモチよさそうに凛太郎くんの頭を引き寄せて、柔らかい髪を撫でる。『んっ、んんっ、はっ、せん、せい……!』凛太郎くんは四つん這いになって夢中でフェラチオをしながら、一方の手を自分のお尻のほうへ伸ばし……『ふぅ……っ、ああ……っ!』細くて長い中指を、つぷり、と自分の肛門へ差し入れる。凛太郎くんの穴はヒクヒクとうごめき、抜き差しされる指の動きに合わせて、次第にそこからクチ、クチュ、と卑猥な音が漏れ始める。完全に勃起した凛太郎くん自身の先端からは、透明の粘調な液体が糸を引いて床に落ち……『はあっ、はあ……っ、林先生……っ、僕、もう、我慢できません……っ! 早く、先生のを、入れてください……っ』美しい顔を歪ませ、凛太郎くんが腰をくねらせながら林先生へねだる。『ああ……凛太郎くん……感じている君の、なんと美しいことか……その顔を、もっと快楽に歪ませたい。絶頂を迎える君を、私のキャンバスに残したい……っ!』
……とか、そういう感じになるのかってこと!? うう~、まあ、そういうのもアリな気はするけど、仕事は仕事で割り切ってる気もするし、う~ん、どうなんだろう!? でも、あるかないかはわからないけど、もし、あるとしたら……。
「……凛太郎くんは、受けだと思う」
「キタ――! リアルBL! いやあ、あのふたりから、もう目ぇ離せませんねっ!」
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