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第6章 再就職
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「できた!」
ライス型で模った富士山の周りにカレーのルーを注ぎ入れ、仕上げにコーヒーフレッシュで白く模様を付け、ドライパセリを散らせた。
このお洒落な盛り付けは母直伝ではなく、樫野チーフの真似。
「実に美しい!」と自画自賛して早速席に着く。
「はぁぁ、本当に良い匂い」
食欲をそそる香りが鼻腔をくすぐり唾液が溢れてくる。
我慢し切れなくなり、急いで「いただきます」と両手を合わせてスプーンを手に取り、ハフハフとひと匙口に入れると、今度は口内から鼻にスパイシーな香りが駆け抜けた。
「うーん、最高!」
その時、整理された頭にピカーンとヒントが浮かんだ。
おむすびがキーかもしれない……と。
そもそもあの日、私が社長室に行ったのはお握り定食を西園寺オーナーに届けるためだった。
「――そして、マミさんとの会話にもおむすびが登場した」
スプーンをフォークに持ち替えサラダを頬張る。シャキシャキのレタスが口を潤してくれる。
「もしかしたら、西園寺オーナーはおむすびにも思い入れがあるのかも?」
くーっ、あの時、西園寺オーナーがお握り定食を食べる前に社長室を出て行ってしまったのが悔やまれる。
「でも……」と、またスプーンに持ち替えてカレーを頬張り始める。
――これまで吹き出しは一人につき一回しか視てこなかった。
「西園寺オーナーには、強い思い入れのある人が富美乃様以外にいるということだろうか?」
ライス型で模った富士山の周りにカレーのルーを注ぎ入れ、仕上げにコーヒーフレッシュで白く模様を付け、ドライパセリを散らせた。
このお洒落な盛り付けは母直伝ではなく、樫野チーフの真似。
「実に美しい!」と自画自賛して早速席に着く。
「はぁぁ、本当に良い匂い」
食欲をそそる香りが鼻腔をくすぐり唾液が溢れてくる。
我慢し切れなくなり、急いで「いただきます」と両手を合わせてスプーンを手に取り、ハフハフとひと匙口に入れると、今度は口内から鼻にスパイシーな香りが駆け抜けた。
「うーん、最高!」
その時、整理された頭にピカーンとヒントが浮かんだ。
おむすびがキーかもしれない……と。
そもそもあの日、私が社長室に行ったのはお握り定食を西園寺オーナーに届けるためだった。
「――そして、マミさんとの会話にもおむすびが登場した」
スプーンをフォークに持ち替えサラダを頬張る。シャキシャキのレタスが口を潤してくれる。
「もしかしたら、西園寺オーナーはおむすびにも思い入れがあるのかも?」
くーっ、あの時、西園寺オーナーがお握り定食を食べる前に社長室を出て行ってしまったのが悔やまれる。
「でも……」と、またスプーンに持ち替えてカレーを頬張り始める。
――これまで吹き出しは一人につき一回しか視てこなかった。
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