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第6章 再就職
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「なになに? 何が視えたの、教えてよ」
樫野チーフが爛々と瞳を輝かせて私と白戸さんに視線を行き来させる。
「ほら、白状なさい!」
とうとう焦れて樫野チーフが白戸さんの額にデコピンをした。
「痛っ! 友宏、何するんだ?」
両手で額を押さえ涙目で樫野チーフを睨むが、樫野チーフの眼力に負け、すぐに目を伏せた。
「で、話してくれるわよね?」
執拗な樫野チーフの問いに、とうとう白戸さんは崩落する。
「だし巻き卵だよ」
「これがどうしたの?」
樫野チーフの視線が目の前にあるだし巻き卵に向く。
「お前の料理を食べたの、クーラウが最初じゃなかったんだ」
「じゃあ、どこでよ?」
「お前がヨーロッパにいたとき」
「嘘っ! そんな前から私のこと……」
白戸さんは樫野チーフに『初めてお前の料理を食べたときに心を奪われた』と言っていたようだ。
バツの悪そうな顔で白戸さんが私を見る。ちょっと責めているような目だ。
心に秘めていたことをバラされたのだ、当然だ。
ションボリと肩を落としていると、樫野チーフが私の頭を撫でながら「ノープロブレム」と微笑んだ。
「私、嬉しいの。私ばっかり好きなんだって思ってたんだもん」
「馬鹿か! 好きじゃなかったら付き合わない」
白戸さんは元々ノンケだったようだ。
樫野チーフが爛々と瞳を輝かせて私と白戸さんに視線を行き来させる。
「ほら、白状なさい!」
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両手で額を押さえ涙目で樫野チーフを睨むが、樫野チーフの眼力に負け、すぐに目を伏せた。
「で、話してくれるわよね?」
執拗な樫野チーフの問いに、とうとう白戸さんは崩落する。
「だし巻き卵だよ」
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