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第3章 事件、事件、事件

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「彼の裏の顔はゲテモノ好き。そして、表の顔は探偵です。ですが、その探偵社こそが覆面調査員を派遣する会社なのです。それも悪徳な!」

佐藤君の顔色が見る間に青白くなっていく。

「おっ、お前こそどこかの探偵か?」

負け犬の遠吠えのように怒鳴るように言うが、声は震えていた。

「探偵? いいえ、私はクーラウの社員です」

胸を張って言うと、佐藤君ではなく西園寺オーナーがチッと舌打ちをした。それを無視して話を続ける。

「お父上のラーメン屋さんが潰されたといって、なぜ関係のない店を陥れるようなことをするんですか?」

ハッとして佐藤君が目を剥いた。

「どっ、どうしてそれを……」
「知っているのかですか?」
「私には視えるのです」
「まっ、まさか超能力者なのか?」
「おいおい、待て待て」

佐藤君の『超能力者』に反応してか、西園寺オーナーが話を止めた。

「なんだその非科学的な思考は! 聖天、本気で言ってないよな?」
「そのまさかだとしたら?」

当事者の私でさえ吹き出しがなぜ視えるのか分からないのに……頭っから否定するような口ぶりに少し腹が立った。

「世の中は西園寺オーナーでも理解できないことがあるんです」
「そんなもの、私にはない!」

威圧的な態度で反論する彼に、対抗するように私は言った。
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