王妃は、なぜ『 』されたのか~王妃が死んだ後の後悔~




セレスティア

その名を聞けば、誰もが表情を暗くしながらこう言った。

「彼女は、亡くすにはとても惜しい人物だった」


セレスティア王妃は、隣国の第一王女であった。そんな彼女が嫁ぎ、子を設けたのは王妃となって早三ヶ月が過ぎた頃だった。


仲睦まじい国王と王妃。
きっとこの王国の迎える未来は安堵のものだと誰もが思っていた。


......セレスティア王妃が自死するその日までは。



セレスティア王妃の死から早十年。
彼女と国王の間に生まれた第一王女のルーチェは十五歳の誕生日を迎えた。
誕生日パーティーは盛大に行われ、父親、貴族に使用人、国民達。皆が心から誕生日を祝ってくれた。


幸せに満ちた生活。
こんな幸せがずっと続くのだと疑いもしなかった。

しかし......幸せとは少しの切っ掛けで崩れ落ちる事を、ルーチェは思い知る事となった。



「これはお母様の......?」


その手紙を見つけるまでは。


_________________


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