女性として見れない私は、もう不要な様です〜俺の事は忘れて幸せになって欲しい。と言われたのでそうする事にした結果〜

流雲青人

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ルイスside2

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『はぁっ、はぁっ、はぁっ…』
「……」

夜。
魔王から借りた自室で、リーモンはルタの様子を観察していた。

(自分が拷問している捕虜のコンディションを調べるのは、拷問吏として当然の義務だからな。
陛下のお心遣いを無下になんぞしたら罰がくだる。)

右手でブツを扱きながら。

『っあぁっ!!!』

ルタが射精する。

(おおー、もう出たのか。若いっていいな。
俺なんかまだ完全に勃ってもいねえのに。)
『……んっ……』

ルタはうつ伏せになり、臀を晒す。
先程の拷問と衝動のおかげで、その中心は淫らに開いている。

『はっ…ぁ…』

ルタは乾いた指を入れ、自力で肉輪を収縮させながら抽送する。

『…っ!!!』

背を仰け反らせ、メスイキをする。

『ぜっ、ぜっ、ぜえっ…』

ルタはぐったりと床に身を預ける。
どうやらもう自慰をするつもりは無いようだ。

(…チッ。結局イケなかった。)

リーモンは映像に目を向ける。

『ふ、ぅ………………っ!!!』

ルタはぐずぐずと啜り泣き、壁を蹴飛ばす。

『くそっ!!くそっ!!
どいつもこいつも、何だってんだ!!!』

感情的に涙を流し、感情的に怒って当たり散らすその幼稚な振る舞いは、彼のやり場の無い素直な気持ちなのだろう。

『っく、ぅ…』

そしてまた泣き出す。

『助けてくれ…誰か…
親父…兄貴…
…………………………リーモン。』

映像を切る。

(こりゃ明日は拷問を休んだ方が良いな。)

魔王に何て言い訳すればいいか悩みながら、リーモンはベッドの上で思慮を巡らす。

(ルタ…俺にとっちゃだいぶ良い傾向になりつつあるな。
大きな依存先だった父親と兄から、俺に心が移りつつある。
元からふたりに追い詰められていたフシもあったからな。
……だがはしゃいでもいられねえ。
むしろここからが正念場なんだからな。)

リーモンはベッドから降り、窓を開けてバルコニーに出る。
外は大きな満月が浮き出ており、夜風が気持ちいい。

(こんなに静かでも、魔界は危うい状況なんだよな。)

リーモンは拳をグッと固める。

(…俺がなんとかしねえと。
魔界の命運は俺とルタにかかってるんだ。)

両頬をバチンと引っ叩く。

(…よし。明日はあの人の元に行こう。
俺の根性を引き上げて、力強く励ましてくれるのはあの人しかいない。)

リーモンは部屋に引き返すと、魔王のしもべを呼びつけて通信用の魔界道具を取り寄せる。

「あ、もしもし?リーモンです。
実は明日、折り入って頼みがあるのですが…」

通信が繋がったことに安堵し、リーモンは『ある男』に連絡を取った。
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