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第三章 反逆
22、帰郷
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0405/16:10/ナギサちゃん・入江さん/商店通り
「じゃあ、矢吹君。また何か新しいことがわかったら、すぐに連絡をくれ」
「はい、わかりました」
「くれぐれも無理はしないようにね」
「はい。今日は本当にありがとうございました。では……」
深く一礼すると、僕は平井編集長さんと成神さんの二人に別れを告げた。
オカルトに詳しい彼らから、何かしらの対処法だけでも教われたら……ぐらいの気持ちで来たのだけど、まさか実際に霊能力を持った人が、僕の村まで来てくれることになるとは思わなかった。
これがいい結果につながればいいんだけど……。
駅前の横断歩道を渡り終え、ふと振り返ると、もうあの二人はいなくなっていた。
車で……来たのだろうか。電車で来たのなら、彼らもこの駅を利用するはずだけど……そういうそぶりは全くなかった。
彼らの会社はたしか新橋、にあったはずだ。
でも、もう僕のやることは終わったので、あまり気にせずホームへと向かう。
僕は、これから二時間半かけてまたあの村に戻らなくてはならない。
ジュン姉の待つ、境雲村へと――。
そう思うとちょっと気持ちがげんなりしてきてしまった。いやジュン姉に、とかじゃなくて。
ジュン姉には早く会いたい。でも、長距離の移動はとにかく疲れるのだ。
しかも、今日はまた夜に「お役目」の仕事がある。寝不足で疲労困憊で。果たして僕の体は翌朝まで持つだろうか……。
「ジュン姉……」
でも、ジュン姉はひとりでは怖くて夜の村を歩けないのだ。ジュン姉のためにも、僕が今夜も側についていてあげなければ。
新幹線の座席にすっぽり収まると、すぐに強烈な睡魔が襲ってきた。
ふわふわした意識の中で、さっきの二人のことを思い返す。
あの二人は……明らかに僕を利用しようとしていた。
でも、僕だって、彼らを利用しようとしている。そこに大きな違いはない。問題なのは、成神さんの本心が最後まで見えなかったことだ。
あの人は、まだ何かを隠している……。
結局、あまり何も話してくれかったから、それが何なのかを知ることはできなかったけれど、でもこういうのは信用問題である。
本当は、最初から嘘・偽りなく、誠実な信頼関係を築いていかなければならないはずなんだ……。
だから、僕は。
「あの人は……ちょっと注意しておこう」
そんな風に思っておくことにした。
発車のベルが鳴り、車外の景色が動き始める。
僕は、移動の間仮眠することにした。
境雲村に着くころには午後四時を回っていた。
自転車で海岸沿いの山道を下ると、そのまま猛スピードで商店通りに入る。
もう夜のお役目まであまり時間がなかった。自宅に戻っても、眠る時間はそんなにとれないだろう。でも、少しでも体を休めたい……。
そう思って急いでいたら、前から台車を押してきた少女とぶつかりそうになってしまった。
「うわっ、っとと」
「うわーーっ!!」
向こうは華麗に台車を方向転換させて、僕を避けた。
一方、僕はハンドルさばきを間違って、堤防の壁に派手にぶつかってしまう。
大きな衝突音が辺りに響き渡り、僕は地面に投げ出される。
「痛ってて……」
「……。大丈夫?」
台車を押していた少女が、しぶしぶといった様子で僕に近づいてきた。
まだ春だというのに、日焼けしたような色の肌をしている。小学校六年生くらいだろうか。ジーンズにパーカーという活発そうな恰好の少女は、僕にそっと手を差し延べていた。
「あ、ありがとう……」
僕はその手を取り、助け起こされる。
あらためて少女を見ると、少し苛立ったような表情をしていた。
「あのさ、何を急いでたのか知らないけど、もうちょっと気を付けなよ。うちの魚がダメになるところだったじゃない。まだ配達中なのに……」
「え?」
少女はホレ、と言わんばかりに、サムズアップしたまま背後の台車を指し示した。
台車の上には、白い発泡スチロールの箱にぎっしりと、氷とミツメウオが詰められている。
ミツメウオというのは、この村でしか獲れない貴重な魚のことだ。
見た目はアジそのものだが、目が三つある。左右と、頭の上に一つ。だからミツメウオ。
村外の人には「奇形」だと気味悪がられているので、「アジの加工品」としてしか出荷していないのだけど、村民はこれを普通に食べていた。
またこれがとてもうまいのだ。
年中脂がのっているわりに、臭みはほとんど無く、うま味が噛むたびに滲み出してくる。焼いても、煮ても、何をしても美味しい。僕が一番好きな魚だった。
「ご、ごめん」
僕は素直に、相手に損害を与えそうになったことを謝った。
「まあ、こっちは無事だったから良かったけど……そっちは大丈夫?」
「あ、うん……ちょっと腰を打ったけど、大丈夫」
「そう。じゃね」
少女はあっさりと離れていった。
肩のところで思いっきり外ハネしている毛先が、歩くたびに揺れている。
彼女は、漁師たちがたくさん住む「鎖橋(さはし)地区」の人なのではないかと思った。
漁港からは村民にいつも魚が直に配達される。だから、おそらくそうだと思った。
「……ん?」
その時、僕は妙な視線を感じた。
この騒ぎを聞きつけて、定食屋やスナックから顔を出してきた客たちの視線……じゃない。
僕はキョロキョロとその視線の元を探した。
いた。
台車だった。
台車の上のミツメウオたちが皆、ぎょろりとこちらを向いている。
「ひっ……!」
思わず全身に鳥肌が立った。
だって、だってもうあの魚たちは死んでいるはずだ。いくら活きが良いからって、あの状態で……しかも全部の魚が僕を見ることなんて、「ありえない」。
この異様な現象に、少女も気づいたようだった。
「あ、ミツメウオたちが誰かを見てる。って、あんたか……」
じっと、憐れむような目で少女が僕の方を見る。
何? なんで「憐れ」まれなくちゃならないんだ? 僕、何かしたか?
「ナギサちゃん? 今すっごい音したけど、いったい何が……」
そう言いながら、定食屋兼居酒屋「海女」の中から、割烹着姿の女性が出てきた。
店主の入江さんだ。
入江さんは店先でやじ馬をしていたお客さんたちを押しのけると、僕と、倒れている自転車、そしてナギサちゃんと呼ばれた少女、そして台車の上のミツメウオたちを見た。
そして、一瞬で何かを悟ったようにつぶやく。
「ああ、龍一君か……。コワガミサマのお嫁さんの、付き人になったそうね。だから……」
すると、ざわざわとお客さんたちがどよめきだす。
あれが付き人になった子どもか、と……。
「ミツメウオが……なるほど」
なにがなるほど、なんだろう。
入江さんは僕の疑問を見透かしたかのように、丁寧に説明しはじめた。
「龍一君、この魚はね、調理する前に誰かをじっと見ることがあるのよ。その見られた人は、なんらかの禁を破って、近々コワガミサマから天罰を受ける人なんだって。ふふ、なにかヘマをする予定でもあるの? 大丈夫?」
「……ッ!」
僕は一気に確信をつかれたような気がして、顔を背けた。
バレては、いないはずだ。いないはずなんだ。
だって、相談しただけだ。
あの人たちに……。
それに成神さんがこの村に来たって、結局どうにもならないかもしれないんだ。だから、これは、天罰を受けるようなことじゃない。
たとえ天罰を受けることになったとしても、僕はそれでもいいって覚悟を決めてるんだ。
だから……。
「お、お騒がせしました!」
僕はそれだけ言うと、自転車を起こして急いでその場を去った。
自宅まで懸命にペダルをこぐ。
けれど、僕の脳裏には、いつまでも彼らの視線がこびりついたままだった。ナギサという少女と、入江さんと、お客さんたち……そして、ミツメウオたちの不気味な視線が――。
「じゃあ、矢吹君。また何か新しいことがわかったら、すぐに連絡をくれ」
「はい、わかりました」
「くれぐれも無理はしないようにね」
「はい。今日は本当にありがとうございました。では……」
深く一礼すると、僕は平井編集長さんと成神さんの二人に別れを告げた。
オカルトに詳しい彼らから、何かしらの対処法だけでも教われたら……ぐらいの気持ちで来たのだけど、まさか実際に霊能力を持った人が、僕の村まで来てくれることになるとは思わなかった。
これがいい結果につながればいいんだけど……。
駅前の横断歩道を渡り終え、ふと振り返ると、もうあの二人はいなくなっていた。
車で……来たのだろうか。電車で来たのなら、彼らもこの駅を利用するはずだけど……そういうそぶりは全くなかった。
彼らの会社はたしか新橋、にあったはずだ。
でも、もう僕のやることは終わったので、あまり気にせずホームへと向かう。
僕は、これから二時間半かけてまたあの村に戻らなくてはならない。
ジュン姉の待つ、境雲村へと――。
そう思うとちょっと気持ちがげんなりしてきてしまった。いやジュン姉に、とかじゃなくて。
ジュン姉には早く会いたい。でも、長距離の移動はとにかく疲れるのだ。
しかも、今日はまた夜に「お役目」の仕事がある。寝不足で疲労困憊で。果たして僕の体は翌朝まで持つだろうか……。
「ジュン姉……」
でも、ジュン姉はひとりでは怖くて夜の村を歩けないのだ。ジュン姉のためにも、僕が今夜も側についていてあげなければ。
新幹線の座席にすっぽり収まると、すぐに強烈な睡魔が襲ってきた。
ふわふわした意識の中で、さっきの二人のことを思い返す。
あの二人は……明らかに僕を利用しようとしていた。
でも、僕だって、彼らを利用しようとしている。そこに大きな違いはない。問題なのは、成神さんの本心が最後まで見えなかったことだ。
あの人は、まだ何かを隠している……。
結局、あまり何も話してくれかったから、それが何なのかを知ることはできなかったけれど、でもこういうのは信用問題である。
本当は、最初から嘘・偽りなく、誠実な信頼関係を築いていかなければならないはずなんだ……。
だから、僕は。
「あの人は……ちょっと注意しておこう」
そんな風に思っておくことにした。
発車のベルが鳴り、車外の景色が動き始める。
僕は、移動の間仮眠することにした。
境雲村に着くころには午後四時を回っていた。
自転車で海岸沿いの山道を下ると、そのまま猛スピードで商店通りに入る。
もう夜のお役目まであまり時間がなかった。自宅に戻っても、眠る時間はそんなにとれないだろう。でも、少しでも体を休めたい……。
そう思って急いでいたら、前から台車を押してきた少女とぶつかりそうになってしまった。
「うわっ、っとと」
「うわーーっ!!」
向こうは華麗に台車を方向転換させて、僕を避けた。
一方、僕はハンドルさばきを間違って、堤防の壁に派手にぶつかってしまう。
大きな衝突音が辺りに響き渡り、僕は地面に投げ出される。
「痛ってて……」
「……。大丈夫?」
台車を押していた少女が、しぶしぶといった様子で僕に近づいてきた。
まだ春だというのに、日焼けしたような色の肌をしている。小学校六年生くらいだろうか。ジーンズにパーカーという活発そうな恰好の少女は、僕にそっと手を差し延べていた。
「あ、ありがとう……」
僕はその手を取り、助け起こされる。
あらためて少女を見ると、少し苛立ったような表情をしていた。
「あのさ、何を急いでたのか知らないけど、もうちょっと気を付けなよ。うちの魚がダメになるところだったじゃない。まだ配達中なのに……」
「え?」
少女はホレ、と言わんばかりに、サムズアップしたまま背後の台車を指し示した。
台車の上には、白い発泡スチロールの箱にぎっしりと、氷とミツメウオが詰められている。
ミツメウオというのは、この村でしか獲れない貴重な魚のことだ。
見た目はアジそのものだが、目が三つある。左右と、頭の上に一つ。だからミツメウオ。
村外の人には「奇形」だと気味悪がられているので、「アジの加工品」としてしか出荷していないのだけど、村民はこれを普通に食べていた。
またこれがとてもうまいのだ。
年中脂がのっているわりに、臭みはほとんど無く、うま味が噛むたびに滲み出してくる。焼いても、煮ても、何をしても美味しい。僕が一番好きな魚だった。
「ご、ごめん」
僕は素直に、相手に損害を与えそうになったことを謝った。
「まあ、こっちは無事だったから良かったけど……そっちは大丈夫?」
「あ、うん……ちょっと腰を打ったけど、大丈夫」
「そう。じゃね」
少女はあっさりと離れていった。
肩のところで思いっきり外ハネしている毛先が、歩くたびに揺れている。
彼女は、漁師たちがたくさん住む「鎖橋(さはし)地区」の人なのではないかと思った。
漁港からは村民にいつも魚が直に配達される。だから、おそらくそうだと思った。
「……ん?」
その時、僕は妙な視線を感じた。
この騒ぎを聞きつけて、定食屋やスナックから顔を出してきた客たちの視線……じゃない。
僕はキョロキョロとその視線の元を探した。
いた。
台車だった。
台車の上のミツメウオたちが皆、ぎょろりとこちらを向いている。
「ひっ……!」
思わず全身に鳥肌が立った。
だって、だってもうあの魚たちは死んでいるはずだ。いくら活きが良いからって、あの状態で……しかも全部の魚が僕を見ることなんて、「ありえない」。
この異様な現象に、少女も気づいたようだった。
「あ、ミツメウオたちが誰かを見てる。って、あんたか……」
じっと、憐れむような目で少女が僕の方を見る。
何? なんで「憐れ」まれなくちゃならないんだ? 僕、何かしたか?
「ナギサちゃん? 今すっごい音したけど、いったい何が……」
そう言いながら、定食屋兼居酒屋「海女」の中から、割烹着姿の女性が出てきた。
店主の入江さんだ。
入江さんは店先でやじ馬をしていたお客さんたちを押しのけると、僕と、倒れている自転車、そしてナギサちゃんと呼ばれた少女、そして台車の上のミツメウオたちを見た。
そして、一瞬で何かを悟ったようにつぶやく。
「ああ、龍一君か……。コワガミサマのお嫁さんの、付き人になったそうね。だから……」
すると、ざわざわとお客さんたちがどよめきだす。
あれが付き人になった子どもか、と……。
「ミツメウオが……なるほど」
なにがなるほど、なんだろう。
入江さんは僕の疑問を見透かしたかのように、丁寧に説明しはじめた。
「龍一君、この魚はね、調理する前に誰かをじっと見ることがあるのよ。その見られた人は、なんらかの禁を破って、近々コワガミサマから天罰を受ける人なんだって。ふふ、なにかヘマをする予定でもあるの? 大丈夫?」
「……ッ!」
僕は一気に確信をつかれたような気がして、顔を背けた。
バレては、いないはずだ。いないはずなんだ。
だって、相談しただけだ。
あの人たちに……。
それに成神さんがこの村に来たって、結局どうにもならないかもしれないんだ。だから、これは、天罰を受けるようなことじゃない。
たとえ天罰を受けることになったとしても、僕はそれでもいいって覚悟を決めてるんだ。
だから……。
「お、お騒がせしました!」
僕はそれだけ言うと、自転車を起こして急いでその場を去った。
自宅まで懸命にペダルをこぐ。
けれど、僕の脳裏には、いつまでも彼らの視線がこびりついたままだった。ナギサという少女と、入江さんと、お客さんたち……そして、ミツメウオたちの不気味な視線が――。
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