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第二話 悲しいほどお天気 その①
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仙台駅を東口に向かうと、エスカレーターでヨドバシカメラへと通じる道がある。更にそのヨドバシの後ろを数分歩くと、今度は寺院が数多く立ち並ぶ区域があるのだが、今鈴木恵はそのヨドバシと寺院の丁度中間に位置したマンションの五階の一室で、腕を後ろに組み、立っていた。
そこは恵の高校の同級生、高田圭吾が社会人の姉と一緒に暮らしている賃貸の部屋だ。
圭吾は高校時代ラグビー部に所属、その時の実績からスポーツ推薦で仙台の私立大学に通う事になり、先に短大を卒業して仙台に就職した姉の賃貸マンションに転がり込んだのだった。
ちなみに恵の高校時代の部活は合唱部である。
「なかなか良い感じじゃないか」
「そんな…」
ダイニングテーブルの椅子をくるりと半回転して、テーブルに背を向ける様に椅子に座る圭吾は、そう言うと目の前で手を後ろ組して立つ恵を見てはニヤリと口角を上げた。
その表情に恥ずかしそうに顔を赤らめる恵。
しかしそれも無理のない事だった。
何故ならば恵はその男にしてはひ弱で華奢な体に、今はトリンプの女性物の下着を身に着けていたからだ。
薄いピンクの恋するブラとショーツは圭吾の姉の持ち物だった。それを平日姉が仕事でいない今、持ち出しては恵に付ける様に指示したのだ。
「恥ずかしいか?」
頭の天辺から足の爪先まで舐める様に眺めながら、再び圭吾が口を開く。
それに対して恵は若干猫背気味に頭をコクンッと下げた。
「あ、背中を丸めるなよ! そんな風にしたらブラの中の隙間ががっぽり見えるだろ。ピシッと立てよ。真正面から見たらお前は本当に女みたいに見えるんだから。あ、でもそのパンツから勃起して頭を出してるそれはアウトだけどな。あははは」
「そんな~これはショーツがきついから締められて勃起しちゃったんだよ」
圭吾の言葉に慌てて言い訳をする恵。
「本当にそうか? 本当にそれだけか~? 本当はお前、女物の下着を付けた事で興奮してるんじゃないのか? その格好でイキたいとか? でも駄目だぜ。それ姉貴の下着だから、精子で汚したら色々ヤバいだろ。大体女に興味がないお前が女物の下着で欲情するのも良く考えればおかしな話だし」
「分からない。そういう難しい話は僕には分からないけど、ただ、女物の下着を身に着けている僕自身には興奮している。それに…圭ちゃんに見られてるのも…」
「本当にお前って変態エロオカマだよなー」
恵の言葉に圭吾は笑いながらそう言うと椅子から立ち上がり、まだ完治していない両足共引きずる様に歩いては恵の傍へと向かった。
そしてショーツからはみ出している勃起した恵の亀頭を掴むと思い切り上へと引っ張る。
「痛!」
これには思わず恵は大声を出して、後ろで組んでいた両の手を前へと、股間へと向かわせた。
「良いよな、お前はこんなに性欲旺盛で勃起出来て。ほら、俺がシゴいてやるよ。そうすりゃあお前は射精して、こいつも小さくパンツの中に納まるんだろ」
その言葉を聞くと、もう恵は何も言えなくなっていた。
そもそも高田圭吾は男好きでもなんでもない。本来はノーマルだ。
それが大学のラグビー部の試合で下半身を大怪我し、脊髄を痛めた事により一時期は歩く事も出来ないでいたのだ。そして同時に勃起不全症にも。
きっと何処かの神経が上手く伝わっていないのだろう。
病院でも現状原因は不明だというのだが、圭吾からすると、ペニスの表面が何も感じないのだそうだ。
だから圭吾に強く握られ弄ばれる自分のペニスから目を背けると、恵はただそんな圭吾を無言で受け入れるしかなかった。
『ホントは俺は普通に女が好きなんだけど、自分で言うのもあれだけど見た目はゴリラだろ、その上今じゃインポだ。参ったよ。童貞のまんま俺の男としての人生は終わりさ。元々モテなかった俺だ。これで完全に彼女なんて夢も終わり…だからさ、お前と付き合っても良いぜ。お前なら見た目もちょっと可愛い女顔だし、こうなって見ると、お互い不完全同士、そんなのもありかな…っと』
脳裏では以前圭吾に言われたこんな言葉を思い返していた。
そして体では幾らペニスをシゴかれても、何処まで興奮しても決してイかないと分かっている恵は、お尻の穴をムズムズとさせながら、今日も又自らの性癖に溺れていくのだ。
つづく
そこは恵の高校の同級生、高田圭吾が社会人の姉と一緒に暮らしている賃貸の部屋だ。
圭吾は高校時代ラグビー部に所属、その時の実績からスポーツ推薦で仙台の私立大学に通う事になり、先に短大を卒業して仙台に就職した姉の賃貸マンションに転がり込んだのだった。
ちなみに恵の高校時代の部活は合唱部である。
「なかなか良い感じじゃないか」
「そんな…」
ダイニングテーブルの椅子をくるりと半回転して、テーブルに背を向ける様に椅子に座る圭吾は、そう言うと目の前で手を後ろ組して立つ恵を見てはニヤリと口角を上げた。
その表情に恥ずかしそうに顔を赤らめる恵。
しかしそれも無理のない事だった。
何故ならば恵はその男にしてはひ弱で華奢な体に、今はトリンプの女性物の下着を身に着けていたからだ。
薄いピンクの恋するブラとショーツは圭吾の姉の持ち物だった。それを平日姉が仕事でいない今、持ち出しては恵に付ける様に指示したのだ。
「恥ずかしいか?」
頭の天辺から足の爪先まで舐める様に眺めながら、再び圭吾が口を開く。
それに対して恵は若干猫背気味に頭をコクンッと下げた。
「あ、背中を丸めるなよ! そんな風にしたらブラの中の隙間ががっぽり見えるだろ。ピシッと立てよ。真正面から見たらお前は本当に女みたいに見えるんだから。あ、でもそのパンツから勃起して頭を出してるそれはアウトだけどな。あははは」
「そんな~これはショーツがきついから締められて勃起しちゃったんだよ」
圭吾の言葉に慌てて言い訳をする恵。
「本当にそうか? 本当にそれだけか~? 本当はお前、女物の下着を付けた事で興奮してるんじゃないのか? その格好でイキたいとか? でも駄目だぜ。それ姉貴の下着だから、精子で汚したら色々ヤバいだろ。大体女に興味がないお前が女物の下着で欲情するのも良く考えればおかしな話だし」
「分からない。そういう難しい話は僕には分からないけど、ただ、女物の下着を身に着けている僕自身には興奮している。それに…圭ちゃんに見られてるのも…」
「本当にお前って変態エロオカマだよなー」
恵の言葉に圭吾は笑いながらそう言うと椅子から立ち上がり、まだ完治していない両足共引きずる様に歩いては恵の傍へと向かった。
そしてショーツからはみ出している勃起した恵の亀頭を掴むと思い切り上へと引っ張る。
「痛!」
これには思わず恵は大声を出して、後ろで組んでいた両の手を前へと、股間へと向かわせた。
「良いよな、お前はこんなに性欲旺盛で勃起出来て。ほら、俺がシゴいてやるよ。そうすりゃあお前は射精して、こいつも小さくパンツの中に納まるんだろ」
その言葉を聞くと、もう恵は何も言えなくなっていた。
そもそも高田圭吾は男好きでもなんでもない。本来はノーマルだ。
それが大学のラグビー部の試合で下半身を大怪我し、脊髄を痛めた事により一時期は歩く事も出来ないでいたのだ。そして同時に勃起不全症にも。
きっと何処かの神経が上手く伝わっていないのだろう。
病院でも現状原因は不明だというのだが、圭吾からすると、ペニスの表面が何も感じないのだそうだ。
だから圭吾に強く握られ弄ばれる自分のペニスから目を背けると、恵はただそんな圭吾を無言で受け入れるしかなかった。
『ホントは俺は普通に女が好きなんだけど、自分で言うのもあれだけど見た目はゴリラだろ、その上今じゃインポだ。参ったよ。童貞のまんま俺の男としての人生は終わりさ。元々モテなかった俺だ。これで完全に彼女なんて夢も終わり…だからさ、お前と付き合っても良いぜ。お前なら見た目もちょっと可愛い女顔だし、こうなって見ると、お互い不完全同士、そんなのもありかな…っと』
脳裏では以前圭吾に言われたこんな言葉を思い返していた。
そして体では幾らペニスをシゴかれても、何処まで興奮しても決してイかないと分かっている恵は、お尻の穴をムズムズとさせながら、今日も又自らの性癖に溺れていくのだ。
つづく
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