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<戻ってきた日常>
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有給が終わるまでの半月は慌しく過ぎ去って行った。
会社に近いマンションに引っ越し、アパートも引き払った。
家具は全部一新することとなった。
叶さんは、部屋にあった家具を躊躇いなく処分した。
オレ、それを見て安心してしまい、自分の性格の悪さに落ち込んだ。
家具には愛華さんとの幸せな思い出が沢山詰っている。
不倫した人のことなんてさっさと忘れて欲しいから処分してくれて嬉しい。そう思えたらよかった。
でも、処分されていく家具にオレが感じたのは、愛華さんよりオレが選ばれたんだって変な安心感と、喜びだった。
叶さんはただ忘れたかっただけだろうに、そんな風に思ってしまったなんて知られたら絶対幻滅されるな。
それから、スマートフォンも変更した。
電話番号もメールアドレスも変更して――――学生時代の友人達には変更した番号を連絡しなかった。
親友って言える位に親しくしてた連中にも連絡はせずに、アドレス帳から削除した。
すっかり寂しくなったアドレス帳に少し泣きそうになってしまった。
それでも、これで、両親から連絡が来なくなるって思ったらほっとした。美咲ちゃんとの関係も切れる。
なるべく早いうちに心の整理をつけて、親にはオレから連絡しよう。
電話番号知を知られるのは嫌だから公衆電話からでも。
叶さんと生活をするようになって、金銭面で格段に余裕が出来た。高校まで出して貰ったのは確かなんだからお金を払おう。多分それが手切れ金になるんだろうな。
オレからの手切れじゃなくて、父さんと母さんからの手切れ。
お金を払ってしまえば、もう、オレは用無しだもん。
小学校の頃から碌に会話さえなかった両親との関係が終わる。
オレにとって家族って何だったんだろ。
「泣きそうな顔をしてどうした?」
新しいスマートフォンを片手に、リビングの真ん中でぼんやり立ちつくしてると、叶さんが抱き締めてくれた。
逞しい体に体を預け、ぐりぐり額を擦り付けて甘えると、叶さんは理由も聞かずに黙ってオレを撫でてくれた。
この人がいればそれでいい。
オレは今、凄く、幸せなんだから。
そんなこんなで、一ヶ月もあった休みがとうとう明けた。
お土産の袋を片手に、懐かしい総務部のドアの前で立ち止まってしまう。
うぅ……入りにくいよぉ……。
ここで大騒ぎしてしまったの、思い出すだけでもウワーってなるぐらいすっげー恥ずかしい……!
でも入らないわけには行かないんだ。
はー、ふー、はー。
ドアの前で深呼吸して心を落ち着けて、震える手でセキュリティカードを――――。
「凜じゃねーか久しぶりだなー! 元気してたかぁ!? お、それ土産か? まさか本当に木彫りの熊買って来たんじゃねーだろうなあ?」
「菓子っぽいな。どこに行ったんだ? 気が利くなぁ」
「ゴゴゴロー先輩、北村先輩、おおお早うございます、その、長い間休暇とって、ご迷惑をお掛けして」
先輩達がカードを翳してドアを開けてしまった。
「おーい、やっと凜が出てきたぞー」
「凜君!? 久しぶりー!」
「元気だったかー? 一ヶ月も休みやがってぇ」
「お早うー!」
「――お早うございます!」
いつも通りの先輩達に、オレも笑顔になって一礼した。
「長い間休んでご迷惑をお掛けしてすいませんでした! これ、お土産です! 長崎に行ってきたのでカステラ買ってきました。十時休憩に配りますんで良かったら食べてください」
といっても、長崎では買う時間なんて無かったから通販で買った品なのがちょっと切ない。
「おーいいねーカステラ」
「楽しみができたな」
「ゆっくり休めたかぁ? 凜君」
「部長! お早うございます。ご迷惑をお掛けしました」
「迷惑なんてかけられてないぞー。そうだ、有給は十日分返上されてるから消化忘れのないよう気をつけておけよ。臨床試験に参加していたそうじゃないか。治験もいろいろ大変だな」
え!? 返上……!? ってことは、白い部屋にいた間って業務扱いになってたのか。なんか複雑……。
次長にも挨拶をして、あちこちから掛けられる先輩達の野次みたいな言葉に答えつつ、慌しいながらも休みなんて無かったみたいな日常が始まったのだった!
「りーんーちゃーん! 悪いけどこっち助けてくれ。紙詰まりしたー」
ん? パソコンから顔を上げて、後ろを振り向く。
三田先輩がコピー機の前で膝を付いてた。
「はい、今行きます」
開いてたウィンドウを全部一気に最小化してから席を立つ。
「いやー、凜が出社してきてくれて助かるよ。他の奴に頼んだらイヤミが飛んでくるからさぁ」
「お役に立てて光栄です」
言いながらぱかっと紙詰まりを起こしてる箇所を開く。
「あれ……? 凜……なんか感じ変わらなかったか?」
すぐ隣で見てた先輩がオレの顔をしげしげと眺めてきた。
「感じ? 変わりました?」
「変わった。なんつーか。可愛くなった」
「は? どうしたんですか先輩ドン引きっす!」
「無邪気な瞳でドン引きなんて言うな心に刺さるだろーが! いや本当に可愛くなったって。肌も唇も髪もツヤツヤしてるしいい匂いするし」
あ。
ひょっとして、ケアの効果が出てるのかも。
叶さんとのお付き合い記念日に、ケア用品を大量に衝動買いした。
無駄にするのも勿体無いから毎日かかさず続けてたんだ。
叶さんがオレはオレのままでいいって言ってくれた。
だから、女の子になりたいなんてバカな考えは頭の中から消えたけど、叶さんの横に立っても恥ずかしく無いよう、少しでも見栄えが良くなりたかったから。
「ぶりっ子ポーズ」
ふざけて拳を口元に当てて腰をくねらせたポーズを取る。
「今日は俺の部屋に来い。たっぷり可愛がってやるぜ」
三田先輩もノリノリで俺の腰に腕を回す。が。
「はっ!?」
ばっと後ずさった。
「? どうしたんですか?」
「なんか今スッゲー殺気を感じた! お前の保護者さんが居るのかと思っちまった。腰触ってるの見られたら狩られかねねぇ……!」
「なんですかそれ! 叶さんは暴力振るったりしませんって! 三田先輩まで酷いっす」
ゴロー先輩も前に言ってたんだよな。オレに手を出したら本気でぶち殺しにかかってくるタイプだって。
叶さんはそんなんじゃないのに。失礼な。
久しぶりのゴロー先輩とのお昼を終え、午後の仕事へと突入。
「鈴森君、これ、統計調査の資料ね。明後日までにまとめといて」
「了解しました!」
机の向こうから渡されるファイルを立ち上がって受け取る。
う、届かない……。机に乗り出すように前に傾きつつ腕を伸ばす。
ぎりぎりでようやくファイルを受け取る事が出来――「うわ、な、何触ってるんですか」
突き出した腰からお尻までをゴロー先輩に撫でられて、びくってしてしまった。
「いやー。なんかお前の体のラインがエロくってさー。女の子っぽいってわけじゃないけど、こう、エロいよなぁ」
「オレが有給を取ってる間にゴロー先輩が変態になった……!」
「私もエロいなーって思うわよ。お尻突き出されたら撫でたくなっちゃう気持ちわかるわ」
「真美先輩まで! 両隣の先輩がどっちも変態だったなんて……変態に挟まれてたらオレまで変態になっちゃう……!」
「リバーシか」
「変態になっちゃいなさい。楽しいわよーこっちの世界は」
「触られるのが嫌ならジャケット着なさい。シャツだけだから露骨にラインが出るのよ」
田崎さんに注意されてしまった。袖が机に当たるのが嫌なんだよなぁ。汚れちゃうし……。
「あ、終業だ」
終業を知らせる静かな音色に真美先輩が反応する。
オレも丁度一区切りついたところだったので、念のためにメールの確認だけしてパソコンの電源を落とした。
今日の晩御飯何がいいかなー。
叶さん食べたいものあるかな?
返事を期待せずに『今日の晩御飯、食べたいものあります?』って送ってみた。
意外なほど返信は早かった。
『スープ麻婆豆腐』
「う」
「……何赤くなってるのよ。凛君。誰からのメール?」
「なんでもないです。お先に失礼します!」
真美先輩の手から逃げ、小走りに廊下を走る。
ひき肉と豆腐を買って帰らなきゃ!
会社に近いマンションに引っ越し、アパートも引き払った。
家具は全部一新することとなった。
叶さんは、部屋にあった家具を躊躇いなく処分した。
オレ、それを見て安心してしまい、自分の性格の悪さに落ち込んだ。
家具には愛華さんとの幸せな思い出が沢山詰っている。
不倫した人のことなんてさっさと忘れて欲しいから処分してくれて嬉しい。そう思えたらよかった。
でも、処分されていく家具にオレが感じたのは、愛華さんよりオレが選ばれたんだって変な安心感と、喜びだった。
叶さんはただ忘れたかっただけだろうに、そんな風に思ってしまったなんて知られたら絶対幻滅されるな。
それから、スマートフォンも変更した。
電話番号もメールアドレスも変更して――――学生時代の友人達には変更した番号を連絡しなかった。
親友って言える位に親しくしてた連中にも連絡はせずに、アドレス帳から削除した。
すっかり寂しくなったアドレス帳に少し泣きそうになってしまった。
それでも、これで、両親から連絡が来なくなるって思ったらほっとした。美咲ちゃんとの関係も切れる。
なるべく早いうちに心の整理をつけて、親にはオレから連絡しよう。
電話番号知を知られるのは嫌だから公衆電話からでも。
叶さんと生活をするようになって、金銭面で格段に余裕が出来た。高校まで出して貰ったのは確かなんだからお金を払おう。多分それが手切れ金になるんだろうな。
オレからの手切れじゃなくて、父さんと母さんからの手切れ。
お金を払ってしまえば、もう、オレは用無しだもん。
小学校の頃から碌に会話さえなかった両親との関係が終わる。
オレにとって家族って何だったんだろ。
「泣きそうな顔をしてどうした?」
新しいスマートフォンを片手に、リビングの真ん中でぼんやり立ちつくしてると、叶さんが抱き締めてくれた。
逞しい体に体を預け、ぐりぐり額を擦り付けて甘えると、叶さんは理由も聞かずに黙ってオレを撫でてくれた。
この人がいればそれでいい。
オレは今、凄く、幸せなんだから。
そんなこんなで、一ヶ月もあった休みがとうとう明けた。
お土産の袋を片手に、懐かしい総務部のドアの前で立ち止まってしまう。
うぅ……入りにくいよぉ……。
ここで大騒ぎしてしまったの、思い出すだけでもウワーってなるぐらいすっげー恥ずかしい……!
でも入らないわけには行かないんだ。
はー、ふー、はー。
ドアの前で深呼吸して心を落ち着けて、震える手でセキュリティカードを――――。
「凜じゃねーか久しぶりだなー! 元気してたかぁ!? お、それ土産か? まさか本当に木彫りの熊買って来たんじゃねーだろうなあ?」
「菓子っぽいな。どこに行ったんだ? 気が利くなぁ」
「ゴゴゴロー先輩、北村先輩、おおお早うございます、その、長い間休暇とって、ご迷惑をお掛けして」
先輩達がカードを翳してドアを開けてしまった。
「おーい、やっと凜が出てきたぞー」
「凜君!? 久しぶりー!」
「元気だったかー? 一ヶ月も休みやがってぇ」
「お早うー!」
「――お早うございます!」
いつも通りの先輩達に、オレも笑顔になって一礼した。
「長い間休んでご迷惑をお掛けしてすいませんでした! これ、お土産です! 長崎に行ってきたのでカステラ買ってきました。十時休憩に配りますんで良かったら食べてください」
といっても、長崎では買う時間なんて無かったから通販で買った品なのがちょっと切ない。
「おーいいねーカステラ」
「楽しみができたな」
「ゆっくり休めたかぁ? 凜君」
「部長! お早うございます。ご迷惑をお掛けしました」
「迷惑なんてかけられてないぞー。そうだ、有給は十日分返上されてるから消化忘れのないよう気をつけておけよ。臨床試験に参加していたそうじゃないか。治験もいろいろ大変だな」
え!? 返上……!? ってことは、白い部屋にいた間って業務扱いになってたのか。なんか複雑……。
次長にも挨拶をして、あちこちから掛けられる先輩達の野次みたいな言葉に答えつつ、慌しいながらも休みなんて無かったみたいな日常が始まったのだった!
「りーんーちゃーん! 悪いけどこっち助けてくれ。紙詰まりしたー」
ん? パソコンから顔を上げて、後ろを振り向く。
三田先輩がコピー機の前で膝を付いてた。
「はい、今行きます」
開いてたウィンドウを全部一気に最小化してから席を立つ。
「いやー、凜が出社してきてくれて助かるよ。他の奴に頼んだらイヤミが飛んでくるからさぁ」
「お役に立てて光栄です」
言いながらぱかっと紙詰まりを起こしてる箇所を開く。
「あれ……? 凜……なんか感じ変わらなかったか?」
すぐ隣で見てた先輩がオレの顔をしげしげと眺めてきた。
「感じ? 変わりました?」
「変わった。なんつーか。可愛くなった」
「は? どうしたんですか先輩ドン引きっす!」
「無邪気な瞳でドン引きなんて言うな心に刺さるだろーが! いや本当に可愛くなったって。肌も唇も髪もツヤツヤしてるしいい匂いするし」
あ。
ひょっとして、ケアの効果が出てるのかも。
叶さんとのお付き合い記念日に、ケア用品を大量に衝動買いした。
無駄にするのも勿体無いから毎日かかさず続けてたんだ。
叶さんがオレはオレのままでいいって言ってくれた。
だから、女の子になりたいなんてバカな考えは頭の中から消えたけど、叶さんの横に立っても恥ずかしく無いよう、少しでも見栄えが良くなりたかったから。
「ぶりっ子ポーズ」
ふざけて拳を口元に当てて腰をくねらせたポーズを取る。
「今日は俺の部屋に来い。たっぷり可愛がってやるぜ」
三田先輩もノリノリで俺の腰に腕を回す。が。
「はっ!?」
ばっと後ずさった。
「? どうしたんですか?」
「なんか今スッゲー殺気を感じた! お前の保護者さんが居るのかと思っちまった。腰触ってるの見られたら狩られかねねぇ……!」
「なんですかそれ! 叶さんは暴力振るったりしませんって! 三田先輩まで酷いっす」
ゴロー先輩も前に言ってたんだよな。オレに手を出したら本気でぶち殺しにかかってくるタイプだって。
叶さんはそんなんじゃないのに。失礼な。
久しぶりのゴロー先輩とのお昼を終え、午後の仕事へと突入。
「鈴森君、これ、統計調査の資料ね。明後日までにまとめといて」
「了解しました!」
机の向こうから渡されるファイルを立ち上がって受け取る。
う、届かない……。机に乗り出すように前に傾きつつ腕を伸ばす。
ぎりぎりでようやくファイルを受け取る事が出来――「うわ、な、何触ってるんですか」
突き出した腰からお尻までをゴロー先輩に撫でられて、びくってしてしまった。
「いやー。なんかお前の体のラインがエロくってさー。女の子っぽいってわけじゃないけど、こう、エロいよなぁ」
「オレが有給を取ってる間にゴロー先輩が変態になった……!」
「私もエロいなーって思うわよ。お尻突き出されたら撫でたくなっちゃう気持ちわかるわ」
「真美先輩まで! 両隣の先輩がどっちも変態だったなんて……変態に挟まれてたらオレまで変態になっちゃう……!」
「リバーシか」
「変態になっちゃいなさい。楽しいわよーこっちの世界は」
「触られるのが嫌ならジャケット着なさい。シャツだけだから露骨にラインが出るのよ」
田崎さんに注意されてしまった。袖が机に当たるのが嫌なんだよなぁ。汚れちゃうし……。
「あ、終業だ」
終業を知らせる静かな音色に真美先輩が反応する。
オレも丁度一区切りついたところだったので、念のためにメールの確認だけしてパソコンの電源を落とした。
今日の晩御飯何がいいかなー。
叶さん食べたいものあるかな?
返事を期待せずに『今日の晩御飯、食べたいものあります?』って送ってみた。
意外なほど返信は早かった。
『スープ麻婆豆腐』
「う」
「……何赤くなってるのよ。凛君。誰からのメール?」
「なんでもないです。お先に失礼します!」
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