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エピソード9

16話

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ワイバーン幹部が最後の抵抗で奇声を上げながら達也とレーナを負傷させる、翔太とゼオは2人を安全な場所に担ぎ上げる、翔太は達也を、ゼオはレーナを血を止め怪我を治療する、2人はなんとか一命を取り留めた、2人は大樹の樹洞に葉っぱのベッドを作り、カーテンを作って2人を隠す
「すまんな、2人とも、ここでなんとか隠れていてくれ」
「翔....太...」
「はぁはぁはぁ」
翔太は樹洞のカーテンを閉めた
「しかし、迷いやすい森林だな」
翔太はそう思い、チョークを取り出し2人しかわからない印を地面や大樹に描く、しかし印をつけただけで心もとない、翔太は2人を隠している大樹の周りの木を切り落とす事にした、有事の時に一瞬で分かるからだ
「倒れた木が目に映れば、一瞬で判断つくだろう」
「しかし、これ油断してると一瞬で迷うな~」
2人は巨大な森林を彷徨いながら進む、蒸し暑さでジワジワと身体から汗がでる、ちょうどいい所に天然水が沸いている、翔太とゼオは天然水を汲み上げ、負傷している達也とレーナの元に届ける、2人は身体が発熱しており咳き込む
「ゼオ、バケツの様な入れ物をとかないか?」
「ないなぁ~」
「悪い、もう少しだけ我慢そてくれ」
樹洞のカーテンを閉めて出掛ける、辺りを進み見渡すとボロボロの看板を見つけた、そこには村の地図のようなもの記載されていた
「翔太、もしかしたら廃村があるかもしれない」
2人は廃村でバケツ、水を汲み取る入れ物がないか探した、数分進み、森林の中で集落を見つけた、その集落の建物は苔に覆われており、人はいる気配はいない
「この村...だいぶ昔に廃村になってるな」
「ああ、人が居なくなってだいぶ時が経っている」
ヤギや羊が草をむしゃぶり食っている、その廃村はどこか幻想的な雰囲気を醸し出している、2人は別れて建物の中にある物を物色し始めた
「おーい!翔太、これを見てくれぇ」
翔太は言葉に呼ばれてゼオの方へ行く、ゼオに呼ばれて見たものは
「ただの布じゃないか」
「ただの布じゃない、この布、何年の時が過ぎても質が失われてない」
翔太とゼオは特殊な質を持った布を拝借した、埃を払って何枚か手に入れてバッグに入れる
「噂でしか聞いた事ないけど、この村はかつて伝説の布職人が住んでいたと聞いた事がある」
「そうか、この家はその職人が住んでいたのか」
食器や入れ物がある、翔太とゼオはそれを持っていき、天然水を湧いてる場所に持っていこうする、すると何やら怪しい影が上から落ちてくる
「翔太!?」
「ああ」
怪しい影が一ヶ所に集まっていく
「デ...イケ...ココ..カラ.......デテイケェェェ!!!」
「なんだ?!この拒絶感は」
2人は謎の影に身構える、怪しい影からくる凄まじい憎悪、どんな鈍感な人でも察するぐらい伝わる、2人は身体を震わす、それは恐怖から来る震えではない
「あの影は俺たちがここに来たことを拒絶している」
ゼオが先手を切って打撃を与えようとするが、攻撃がすり抜ける
「なんだと!?」
怪しい影の禍々しいオーラのようなブレスを繰り出す
「そんな攻撃、俺達に当たらない」
2人は余裕の表情で躱す、翔太は素早く刀を抜き、袈裟斬りで斬りかかる、だが、翔太の斬撃は怪しい影を当たらない、2人は拉致が開かないと思った、そして戦略的撤退をする、気がつけば手ぶらで廃村から出ていた、廃村から出て小川の小屋に身を隠した、2人は安堵の息をした瞬間
「あの...もしもし?」
どこからか声がして翔太とゼオはビビった
「誰だ!?」
暗闇からなんと女の幽霊が現れたのだ
「ゆ!?幽霊!?」
ゼオは驚いて身構えるが翔太は落ち着いている
「待て、この霊は悪霊でなさそうだ」
翔太はそう言い、ゼオを落ち着かせる
「どうやら、話が分かる相手でよかったわ」
女の幽霊は2人に事情を話した

この村はかつて、布職人の手によって栄えた集落である、彼の手によって作られた布、服や布団は何年経っても質は失われない特殊な加工技術を持っていた、多くの来訪者がここの集落に訪れていた、特に戦士は戦いで装備が破損しやすい、だから多くの猛者は職人の手によって命を守れたのだ、だが、この職人を疎ましく思っている、それは生産と消費で金を儲ける商人の陰謀と策略によってこの村は潰える事になる
「おいおいおい!テメェか!うちの商品を難癖つけた輩は!」
いきなり暴漢が布職人の家に押し寄せてくる
「何ですか?!あなた達は!?押し寄せくる暴漢で布職人の頭は混乱している、」
「何ですか!じゃねぇよ!」
暴漢は家に飾ってる花瓶を蹴り落とす
「ちょっとやめてよ!」
職人の娘が大きな声で抵抗する
「なんだぁ!?この娘は?」
娘は暴漢に吹き飛ばされた、それを見た布職人の父は激怒した、そしてバールを手に取り暴漢の殴り掛かろうとする
「何すんだ!?この野郎」
暴漢は布職人の攻撃を返り討ちにした、そして暴漢は布職人の家を荒らしまくる
「やめろぉぉ!!!」
父親の布職人は大きく叫ぶ、集落の外は暴漢達が暴れている、阿鼻叫喚の中、集落の人々は逃げ戸惑っている、集落は暴漢の暴れっぷりでめちゃくちゃになった
「うむ、いい暴れっぷりだな」
「うすっボス!この村を制圧しました」
ボスは小太りのおっさんで高そうな装飾品を纏っている、小太りのボスは布職人の家に土足で上がり込む、暴漢は布職人の頭を押さえ込んで拘束している
「お前達は一体、何者なんだ!?」
「ん!?貴様のせいで私の商売が上手くいかなくてねぇ、邪魔なんすわ」
「商売!?まさかお前は!?ガリル商人か?」
「御名答、私は君の作る繊維の服が素晴しくてね、需要と供給のバランスが壊れてしまうのだよ」
「需要と供給?そんな理由で私の商品を穢すというのか?!私は儲けるために布を作っている訳ではない!人々が快適に暮らしやすいよう純粋な思いあるんだ、そのために神から授かりし才能なんだぁ!」
「そう、その善業が我々の商売を壊すのだよ、我々は商人だ、客が購入して壊れやすいように設計し、消費しやすいよう物を作る、そうやって儲けるのだ」
「金の亡者がぁ」
「言いたいことはそれだけか?やれ」
小太りのおっさんは布職人の指を切り落とした
「ウギャァァァァァァ!!!」
「はっはっはっ!これで2度と作れまい!ん?これはレシピか?」
「さ...触るな...」
布職人は指から血を流しながら、悪徳商人を睨んでいる
「よし、残りの職人を腕を切り落とせ、商売の邪魔になるかもしれん」
「了解!」
布職人の弟子は次々と捕えられて粛清された、一部の建物は燃やされ人々は死んだ

翔太とゼオは事情を聞いた、だが、この村を救うつもりは無い
「どうか救ってください」
「悪いがアンタらより優先すべき人がいる、他を辺りな」
「もし、この村の悪霊を止めてくれたら、あなた達に100年は壊れる事のない装備をあげます」
2人はこの言葉に動揺した
「100年壊れる事のない装備ってなんだ?」
2人は釣られる
「私の父が作った、どんな刃物も斬れないTシャツがある」
「それは興味深い」
翔太とゼオは話し合って、この集落の怨霊を鎮める事にした
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