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エピソード7

5話

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目に力が入る、達也は無表情で幻影の翔太の袈裟斬りを受け止める
「目の色が変わったか、その冷たい目がお前の強さを促す...」
「...」
達也の素早い十字斬り、幻影の翔太が神速のステップで距離を取る、幻影の翔太の鬼のような無慈悲な斬撃と、達也の絶対零度の精神から来る斬撃、辺り一変が凍てついていく、達也は刀身に氷の霧を纏わせる、そして、素早い一閃で幻影の翔太を斬り駆け抜ける、氷の霧とともに幻影の翔太は消えた
「ふう、疲れた...」

一方のレーナの方では
「ここは?学校?あれは私...うっ!?頭が痛い...」
レーナがとある光景を見て頭を抱え込む
「本当、レーナってダメ魔法使いよね...」
「なんでこんな出来損ないが魔法科学校にいるのかしら、学園の恥だわ...」
そんな陰口が聞こえる

ここは雪国にある魔術学院ローヴェルト、魔術の知識を教授する場所、幼い頃のレーナは魔法の才に恵まれてた、だが、所詮は井の中の蛙、各国からくる本物の天才には敵わない、レーナは努力しても勉強しても、敵わない、性悪の天才に自尊心を踏み躙られた、その事が大きなトラウマになり劣等感になっている
「ナスタ・イルナール、私以上に氷の魔術の才に恵まれた才色兼備な女、イヤな思い出思い出させてくれる...」
この試練の塔はトラウマや劣等感を克服させる場所なのだ、幻影のナスタがレーナを見る、すると、ニヤッと笑った
「!?」
レーナはその笑顔に激昂した、そして氷の刃を形成して切り掛かった
「貴方のせいで私がどれだけ辛い思い出学園から去って行ったか...」
ナスタが杖で受け止める
「ふふふ、私の下位互換は要らないわ、貴方は私に出会うべきじゃなかった、私の才能こそ本物の氷使いの魔術、幾ら二流が努力したって劣等感は払拭出来ない、だから、辛い思いをしないうちに学園から去って良かったじゃないか」
「うぅぅぃ~」
レーナの悔しいと怒りの呻き声を晒す
「幾ら偽物だからってムカつくものはムカつくわ...」
ナスタの至高の氷の魔術がレーナに見せつけるように詠唱して攻撃する、美しい氷の花びらがレーナを襲う、レーナは氷の刃を形成して氷の花びら切る、無尽蔵に形成されるナスタの氷の花びらは尽きる事はない
「うっ!」
「どうしたの?上級魔術を見て劣等感を刺激されたかしら」
「ええ、そうね、貴方は素晴らしい氷の魔術師だわ、でも、近接能力だけは負けない!」
レーナは両手で氷の刃再生する、ナスタに急接近して斬りかかる、ナスタは氷の鞭でレーナに振るう
「レーナ!氷と水の魔術を体得した者が扱える行動な魔術、瞬時に凍らせ、瞬時に氷を水に溶かす、そして変幻自在の近接魔術、ふふふ、ははは」
「相変わらず性格悪いわねぇ、イヤな奴じゃなかったら、尊敬出来ていい友達になれそうだったのに」
「誰が下位互換なんかに尊敬されて嬉しいと思う?」
変幻自在の氷の鞭がレーナを襲う
「ほらほらほら、貴方に出来ない事が私には平気で出来る!自分に出来て、他人に出来ない同類見ると心が潤うわ」
「なんなのよ!こいつ」
「私がこんなに氷の魔術を扱える理由?貴方と私が逆の立場どうなっていたかしら」
「...私は貴方を軽蔑してたと思うわ」
「そうよね、貴方は優しいから、私のように性悪になれない、氷の魔術の扱う癖にどこか優しさや愛しさを感じるし」
「でも、私は貴方のように冷たい心で人を下に見たり、酷いことは言わない、私は私のやり方で氷の魔術を極める、もちろん、貴方にも負けない!」
レーナの目に更なる闘志が宿る、更に氷の鞭が増える、レーナの冷静な目は氷の鞭を見切る、レーナは腹を決めた、ナスタを完全に否定すると、その絶対零度の決意でナスタを倒す、劣等感からくる悔しさと怒りはレーナの心を冷たくした、レーナが氷の弾幕を飛ばす、ナスタの氷の鞭がそれを防ぐ、そして無数の氷の鞭を掻い潜り、ナスタに急接近する
「ありがとう、貴方のおかげでもっと上を目指せるわ」
「ええ、本物の私に会う時、あなたがどこまで冷たい精神で身につけた氷の魔術を披露してるか楽しみにしてるわ」
レーナは氷の剣でナスタの胸を貫いた、そしてナスタの幻影が消えた
「はぁはぁ」

気がつくと達也とレーナは地面で寝ていた
「うーん、ここは?」
「はぁ、頭が痛い...」
空は綺麗になっている、鳥に鳴き声が美しい
「あのイヤな思い出は...」
「どうやら、自分の劣等感やトラウマを克服する精神を身につけたようだな」
「アンタは介護してくれた、爺さん」
「あの塔は多くの戦士が闇に堕ちないよう、自分の劣等感や恐怖心に対する勇気と覚悟を身につけさせる、お2人さんは、どうやら克服出来たようじゃ」
「イヤな思い出だった」
「俺は何かに目覚めた様な感覚だ」
「そうね、なんか強くなった気がするわ、さぁレアルカリアに行きましょ」
2人は本来の目的に戻った

浜辺で翔太とゼオは達也とレーナと合流するためにいろいろ準備をしている
「翔太!?」
「ああ、感じてるぜ、俺達の首を取りに来た阿呆が」
翔太は魚を焼いた木の枝を持ち、察知した方向に木の枝の串を投げつける
「ぐぉ!」
「なんだ!?」
もう人の人をゼオが首を掴む
「お前は!?」
「よう、ゼオ!お前には大量の賞金が課せられてる、あと、阿久津翔太って奴もな」
「あん?どういことだ?」
「どうせ、死ぬんだ、洗いざらい吐いてやる、とある依頼人が『阿久津翔太』『ゼオ』『ジェダ・ロイエス』の億単位の、ぐはぁ!」
「(ジェダ!?あいつも!?)ふふ」
ゼオが笑った、そして謎の投擲が襲撃者のこめかみに刺さり即死しし、ゼオは神速のようなステップで距離を取る
「おおっと!そう簡単に裏切るなよ、捨て駒くんよ~」
「お前は!?ペーネレス!千刃ペーネレス・シュワルツ」
「お前に殺し屋時代の同僚か?
「ああ、武芸百般とい言えばこいつのためにある言葉だ」
「おいおいおい!俺もいるぜ!」
「その声!?」
「闘技場以来だな~阿久津翔太」
「シノブ・シモン!?フンまた、腕を切り落とされにきたのか?!」
翔太が刀を左手で前に出す
「あの時は盛り上がっただろ?」
「俺は全然楽しくないがな」
「とにかく、お前らは生活費の糧になっていただく」
「お前らも猛者なんだから、誰のために信条のために戦うか考えたことあるのか?」
「戯言はあの世で言いな!」
「ゼオ!俺はシモンとやる!お前はペーなんとかを頼む!」
「オーケー」
「さぁ!シモン今度は逃げるなよ!」
「俺は人を殺すが誰かに殺されるつもりはない」
そして、両者は殺気を醸し出しながら戦闘形態に入る

2対2の戦いが始める
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