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エピソード2

6話

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ヴァリスタン王の間にて

「ヴァリスタン王殿、二つの工場施設が壊されました、おそらく裏切り者のヴァリスタン兵で達也、リーナ、例のエスタン上級騎士キャロル、女騎士、そして、鬼の剣士、達也、後もう1人は大臣を自ら殺したと供述した人、名前がわからない」
「もうええやろ、エスタン侵略戦争に必要な軍事力は揃っている、ヴァリスタン大臣?ああ、あの着服野郎は死んでもよかったぞ、ただ死んだだけでは面白くない、どうやって大嫌いなエスタン王に濡れ衣を着させるか考えたんだよ」
「さようですか、しかし、我々がエスタン国を滅ぼしてどう利益が繋がるんです?」
「貴様らには関係のない事だ、まあ、言うならばエスタンとヴァリスタンは同じ子孫の末裔だって事さ、ただ嫌いという理由で滅ぼすような関係じゃないさ、さておき、あの3人はわざと工場に引き寄せた、この時が侵略の合図だ」
エドワードが洗脳済みの魔物軍勢を引き連れてエスタン国に侵攻を仕掛ける

エスタン王の王の間にて
(ヴァリスタン王め、この戦争の目的は『賢者に秘石』か、しかし、何故今頃になって)
『賢者の秘石』
それは、大昔、2人の英雄がいた、それがエスタンとヴァリスタンという勇者だった、魔王から世の中を取り戻すため2人は戦った、魔王は人間の「不安」「恐怖」「絶望」を糧として生きる悪魔だった、『エスタンは賢者の秘石』『ヴァリスタンは勇者の秘石』を女神から受け取り、ありとあらゆる困難や絶望を民から救った、そして魔王を見事に討伐したのだ、だが、2人は思想の違いで争った、何が正しくて何が間違ってるか、エスタンは賢者の秘石で西側に国を作り、ヴァリスタンは勇者の秘石で東側に国を作ったのだ

「失礼します、エスタン王殿、黒幕の共謀者である魔術師を捕らえました」
キャロルとエリーゼが数人の魔術師を王の前に差し出した
「キャロル、エリーゼ、よくやった、そいつらを独房の中に閉じ込めておけ、そして時間がある時に拷問か尋問を下そう」
エスタン王が命令を下す
「エスタン王!東側から大量の魔物の軍勢が侵攻してます!」
「なんだと!?一体どう言う事だ?ヴァリスタン兵ではないのか!?」
エスタン王が驚く、キャロルがエスタン王に耳打ちをする、知ってる情報を全てを話した
「なるほど、ヴァリスタン国ではそんな事情があったのか」
「翔太は今、この戦争の元凶を止めようとしてる、軍事力はヴァリスタンが圧倒的だろうと思います」
「本当に翔太はヴァリスタン大臣を暗殺してないんだな?」
「はい」
「黒い魔術師ロイタール・・・アイツが元凶で両国を戦争に陥れた張本人、それで翔太に似てる剣士をエスタン兵に紛れさせヴァリスタン大臣を暗殺させたんだな」
「翔太はただ濡れ衣を着せられただけです」
「そうか、(翔太・・・証拠もなく疑ってすまなかった)
エスタン王が心の中で謝る

(落ちぶれたなヴァリスタン王、「麻薬栽培」「魔物拉致洗脳」「非道武器生産」いつこんな非人道的な事に手を染めたんだ)
エスタンが賢者の秘石を見つめた、何かを察した
(魔術師ロイタールが黒幕の首謀者なら辻褄があう?!もしかして奴の目的は『賢者の秘石』か?!ヴァリスタン王が持ってる『勇者の秘石』は既にロイタールの手の中に、ってことに、魔術師が麻薬マリファナで魔物を洗脳、ヴァリスタン王は既にロイタールの操り人形って事か?)
「キャロル!エリーゼ、その他、兵に告ぐ!この戦争は絶対に負けてはならない!なんとしても守りに抜くのだ(絶対に絶対に!『賢者の秘石』を渡してはならぬ)」
王がエスタン兵を収集する、そして、素早い陣形で待ち構えた、ヴァリスタンの魔物軍勢がエスタン国の閉門を壊し、城下町に侵入、荒らしに回る、大衆は既に避難済みだった、エスタン王は城下町を戦場にするつもりだった、エスタン兵はゴブリンやサイクロプスなど応戦、キャロルやエリーゼはオーガやオークなどのと対峙してた、見張り台の上からエドワードが眺める
「よし、ワイバーンをだせ、ここで全てのを焼き尽くす」
エドワードがそう合図をする、飛行船らしき何かがこちらへやってくる
「あれはなんだ?!」
「何をする気だ!?」
エスタン兵が騒めく
ワイバーンは飛行船の拘束具に縛られている、合図の共に解き放たれる、火吹きをしながら咆哮を上げる、敵味方構わずワイバーンは傍若無人に火炎放射を撒き散らした、もの凄い熱気で誰も近づけない、ワイバーンの後から人影が見えた、もの凄い速さで尻尾から駆け登り、ワイバーンの頭上に向かって剣を突き刺した、ワイバーンが雄叫びを上げる
「アイツ、ヴァリスタン兵か?」
「ヴァリスタン兵が何故、ワイバーンと戦う?」
キャロル、エリーゼ、その他エスタン兵が驚く
「エドワード!大変だ!ヴァリスタンの裏切り者は達也とリーナだけじゃなかった!?」
「なんだと?!」
「多くの魔物軍団が1人のヴァリスタン兵に倒れてたって情報が!」
「まさかアイツ、『ヴァリスタン総隊長、アレックス・ロードベルグ』!」
「ヴァリスタン王!エドワード!貴様達はやってはいけない罪を重ね過ぎた」
アレックスがエドワードに向けて言う
「まさかお前が裏切っていたとはな」
「ああ、このまま流れに乗っていては私は良心を捨てる所だったよ」
「良心!?くだらんな、世の中「金」と「暴力」だよ」
「くだらないのは拝金主義に心も良心も無くした貴様の醜い精神だろ」
「はっはっはぁー!!!精神は見えませんよーーーー」
エドワードが高笑いをする、ワイバーンが突出を仕掛ける、キャロル、エリーゼ、アレックスが避ける、キャロルがワイバーンの右の飛膜を切り裂く、エリーゼが左の飛膜を切り裂く、アレックスが目に剣を突き刺した、苦し紛れに火炎ブレスで反撃、エリーゼに直撃した
「エリーゼ!!!」
「余所見をするな!騎士!」
「え!?」
キャロルが心配して余所見をした瞬間、鋭利な爪がキャロルを引き裂いだ、キャロルとエリーゼは深手を負った、アレックスも流れるように2人を心配して顔のワイバーンの鋭利な爪が頬を切り裂いだ、
「くう...強いなぁ...」
アレックスが裂かれた頬に手で押さえる、血が止まらない
「素晴らしい!実に素晴らしいぞ!流石、ヴァリスタン兵を184人に犠牲にして捕まえたワイバーンは素晴らしい!」
エドワードが高笑う、一瞬にしてエスタン城下町は焼け野原になり、死屍累々の亡骸が散らばってる
「翔太...お前ならこの絶望をどう乗り越える?   以前に言ったよな?お前は俺に鬼になれと、でも俺は誇り高い騎士だ、品行方正なやり方に背く事は出来ない、俺は俺の騎士としてプライドを貫く」
キャロルが奮起して立ち上がる
「騎士の本懐はまだ終わってないぞぉぉぉぉ!!!」
キャロルが全てを投げ打って行くかのように、ワイバーンに特攻を仕掛ける、火炎ブレスが連続で飛んでくる、キャロルは全力で避ける、だが最後の火球がキャロルの左肩に当たった、だが怯まない、凄まじい雄叫びで飛び上がり、ワイバーンのもう片目を抉った、完全に失明したワイバーンは火吹きをあちらこちら吐き散らす、エリーゼとアレックスが決死の思いでワイバーンの首をクロスを描くように切った
「騎士!よくやった!」
アレックスがキャロルを褒める
「アイツにだけは負けたくないからな」
「そうか」
エドワードが拍手する
「いやはや、まさかワイバーンを倒してしまうとは、だがエスタン国、城下町は既にボロボロ、エスタン国民が住む場所を失い、経済が悪化し、ヴァリスタン国に媚びを売るだろう、私はそれで王になる」

「ほう、そんなくだらない事でロイタールと手を組んだんだな」
翔太が剣先をエドワードに向ける
「阿久津翔太、もう戻ってきたのか」
「ちょうど、ヴァリスタン兵が乗馬してた馬があって間に合ったよ」

エドワードは翔太、達也、裕也、リーナに囲まれた

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