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エピソード1

9話 

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影から翔太が抜刀しながら現れる、その時、翔太は裕也の異変に勘づいた、それは眼だった、傀儡の状態であると、そう感じた
「裕也ぁ、向こうでは随分遊んだようだな、達也に殺られそうになったとかダサいじゃないか」
翔太が言う
「フン、あれは想定外の出来事だ、まさかにこんな所に日本人がいると誰が予想できた」
裕也が言い返す
「お前、誰に操られてる?目と性格を見れば分かるんだよ」
翔太が問いかける
「お前には、関係ない事だ」
裕也が言う
「もしかしたら、俺が知ってる、既にあってる人かもしれない、まあいいや、お前を無力化すればいい話だ」
二人が剣を構えた、エスタン兵は逃げ道を封鎖するような配置で警備をしている、裕也が先に仕掛けた、翔太が鍔迫り合いで迎え撃つ、裕也が距離を取り、左手に連射式クロスボウを取り出し発射した、翔太が悉く弾き返す、
「フン、連射式クロスボウ、八連可能か」
翔太がリロードをする前に距離を詰める、裕也が煙玉を撒いた
「ムウ!?煙玉!味な真似をするじゃんか!」
翔太が言う
「お前は強い、お前の抱く殺意と狂気は計り知れない」
裕也が言う、煙の中、翔太は裕也の位置をなんとなく把握していた、自作クナイをその方向に投げた、グサッと鳴った、刺さったのだろう
「チッ 連射式クロスボウガンが壊れたか」
煙の中から裕也が剣を振りかざしに接近戦に持ち込む、翔太が素早く迎え撃つ、凄まじい剣と剣のぶつかり合い、だが剣術の練度は翔太が上だった、だんだん裕也の太刀筋を見極めるようになった、翔太が裕也の左肩に斬撃を与えた、裕也が剣を持ちながら左肩を押える
「勝負はついた、さあ剣を棄てろ裕也」
翔太は剣を構えながら警告する、裕也が再び煙玉を撒いた、窓から逃げる、翔太がそれを逃す事はなかった、裕也が乗馬してた人からムリやり馬を強奪する、翔太も素早く窓から飛び降り、馬に跨った
「後で、お礼するから貸してくれ!」
飼育員が呆れた顔で遠くなる翔太の背中を見ていた、裕也は森に入る、翔太がそれを目撃する、裕也が剣で木や枝を切り落とし、翔太の進路を塞ごうとする、裕也が岩山に登り詰める、転がる岩を翔太に向ける、華麗な乗馬捌きで岩を避ける、二人は岩山の頂上に辿り着いた
「裕也!俺から逃げられないぞ!さあ観念するんだ」
二人は馬から降りた、見つめ合う翔太と裕也、いきなり黒い魔術師が現れた
「やあ、翔太君お久しぶり」
黒い魔術師がそう挨拶を交わす
「フン 達也の手紙に記載された、黒い魔術師ってのはやはりお前だったか、そう言えば、お前をまだ知らないんだった、教えろよ」
翔太が言う
「この岩山の頂上、月光が美しいいい風景だ私を自己紹介するのに相応しい場所だ、私の名はロイタール・アンデルセン魔術師と申す、趣味は知的好奇心と人体実験だ」
魔術師ロイタールは自己紹介した
「ロイタール!貴様は大川裕也に何をしたんだ?普段の彼とは別人だ、返答次第では貴様を切り刻むつもりだ」
「私が思うがままに人格を植え付ける洗脳実験だよ」
ロイタールは笑うように言った
「やっぱ、貴様を斬り刻むわ!」
翔太が激怒した、もの凄いオーラを醸し出す
(やはり、実物の殺気、狂気、素晴らしい!)
ロイタールの目が狂気になる、翔太がもの凄い速さで踏み込む、裕也が割って入る、鍔迫り合いになった
「裕也、先にお前を眼に醒まさせるか」
翔太の妖刀が狂気に光る、翔太は凄まじい斬撃を裕也に振るう、裕也は紙一重で何とか避けたが、背後の岩が真っ二つになった、裕也は避ける事で全力で周りを見てなかった、おかげで大きい隙を見せた、翔太はそれを見逃さない、刀の柄、頭の部分で思い切り裕也の頭を叩いた、翔太は裕也を気絶させた
「待ってろ、裕也、あのイカれ魔術師を懲らしめてやるから、罪を償うのは後だ」
翔太の殺気が魔術師ロイタールに向かう
(この狂気!私が追い求めてた悪意!だがもっと、もっと引き出させる事が出来る)
魔術師ロイタールは狂気の笑みを浮かべる、翔太が狂気ともに妖刀を振りかざす、ロイタールが杖でいなす、黒い紋章がロイタールの背後に現れ、もの凄い黒い光線を翔太に照射する
「フン」
翔太が苦悶の顔で避ける、すかさず、第二波の黒い光線が襲う、バック転しながら避ける、翔太は自作クナイを幾つか投げる、ロイタールは左手から魔法を詠唱し、クナイを弱らせた、翔太が接近戦を持ちかけるロイタールが紙一重で避ける、翔太はロイタールの顔を見る、その瞬間、ロイタールの顔が悪魔のような顔に見えた、翔太は初めて鳥肌を立てた、眼が三白眼になってロイタールを睨む
「どうした?鬼の剣士よ、今更臆する事はないだろう」
(アイツの心に悪魔が宿っている、俺と同じ・・・人間)
翔太がそう思う頃、そろそろ、夜明けがくる
「翔太ぁーーーー」
後ろから、大きい声が聞こえる、キャロル、エリーゼ、そして村上達也が来た、
「お前ら、どうしてここに!?」
翔太が驚く
「どうやら、遊びはここまでのようだな」
ロイタールは詠唱して紋章の中、消えた
「ちっ待てぇ!」
翔太が首を振りながら言う
「落ち着け!翔太!」
達也が言う
「キャロル!エリーゼ!コイツを介抱してくれ!」
翔太が懇願する
「翔太、コイツはヴァリスタン大臣を暗殺してエスタン大臣を暗殺未遂をした極悪人、歴史に名を残すぐらいしでかした犯罪者」
キャロルが言う
「分かってる、俺はコイツの友人なんだ、そこの村上達也もな、コイツは魔術師に操られてただけなんだ、でも同情の余地もないだろう、キャロル!エリーゼ!コイツの存在を隠蔽して欲しい」
「分かった、だが、犯罪の片棒を担ぐ事は毛頭にない」
キャロルが言う
「翔太!?まさかコイツの罪を償うって言うんじゃないだろうな?」
達也が言う
「達也ぁ、俺もお前も人を殺めすぎた、日本人同志この世界で上手くやろうや、そして元の世界に帰ろうや」
翔太が達也の肩を担ぎ、小さな声で達也の耳元で言う
この態度に違和感を覚えた、キャロルが言う
「翔太!?お前ら二人で何話してんの?」
「いや~達也に弱みを握られて頭が上がらないんよ~ヴァリスタン大臣暗殺事件で賠償金を払えって言われてその金額の話だよ」
翔太と達也が誤魔化した、
「キャロル、エリーゼ、もうし訳ないが三人だけにしてくれないか、俺はコイツら友達なんだ、変な企みや陰謀はないから信じてくれ」
翔太が言う
「分かった、エリーゼ帰るぞ」
苦悶の顔してキャロルが承諾する、その場を去った、キャロルの背中が見えなくなると、二人は安心した、だがこの先、とんでもない展開がくる事になる
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